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タンザニア便りNO.31〜NO.32

タンザニア便り31「人気テレビ番組は『おしん』」(2001.6.5)
タンザニア便り32「カンバ民族伝統の木彫り工芸」(2001.6.17)



タンザニア便り31「人気テレビ番組は『おしん』」(2001.6.5)

ジャンボ! 日本は梅雨に入りましたか?

こちらタンザニアでは、雨期明けが例年より遅れており、今は今期最後の雷を今日か明日かと待っているところです。雨期明けには、毎年必ずといっていいほど最後に盛大な雨とともに、ものすごい雷がとどろきます。まるで、雨期の最後を飾るファンファーレのようです。

この雷で毎年、電気屋と修理屋が儲かるのです。なぜって、この恒例の雷で、絶対電気器具が壊れてしまうから。

6年前には、我が家もこの雷の洗礼を受けました。その雨期最後の雷一発で、FAXが、バンッという大きな音とともに、煙を噴いてぶっ壊れてしまったのです。

雷のために、ザンジバルの電気システムが壊れ、丸9日間24時間停電になってしまったこともありました。あのときの体験から、雨期の終わりになって、大雨が降りだすと、電化製品の電源を抜くようにしています。

日本では、「風が吹くと桶屋が儲かる」と言いますが、ザンジバルでは、「雷がなると、電気屋が儲かる」と言ったところでしょうか。

さて、きょうは、先日掲示板「アフリカフェの広場」でもちらっとご紹介しましたが、タンザニアの人気テレビ番組「おしん」のことをお話しましょう。

タンザニア本土のテレビITVでは、月曜日から金曜日の午後6時45分から、日本の「おしん」が放映されています。また、この「OSHIN」は、タンザニアで紹介される初めての日本のテレビドラマで、佐藤日本大使を通じて、ITVに寄贈されたものです
記事参照)。
私の住むザンジバルは、「テレビザンジバル」がメインで、本土の放送は、特別なアンテナを付けなくては見られないので、ザンジバルではほとんど「おしん」は話題になっていませんが、タンザニア本土では、人気番組となっています。

先日ダル・エス・サラームに行ったときに、「おしん」について、インタビューしてきたので、その様子をお伝えしますね。

ダル・エス・サラームでは、約70人に、「おしん」のことを聞いてみました。

知っているという人は、中年の女性、つまり、小さな子供を持つ母親層に多く、若い男女は、無関心で、知らないと答える人がほとんどで、おじさん層は「聞いたことはあるが、中身は知らない」という答えが圧倒的でした。

母親層に突っ込んで聞いていくと、何人もから、「自分はあまり見ないんだけど、子供たちが毎日見て、話をするんで知っているのよ」という言葉が出てきました。どうやら「おしん」は、大人よりも子供たちに人気があるようです。

ムベア地方出身のボナさんは、12歳、10歳、3歳半の3人の子供を持つ35歳のお母さん。ボナさんの家では、特に10歳のベアンスちゃんが「おしん」の熱狂的ファンだそうで、毎日、おしんを見終わると、

「おしんは学校に行かせてもらえなくてかわいそう」
「おしんはきょうもお父さんにぶたれてかわいそう」
などなど、毎日「かわいそうなおしん」のことをベアさんに真剣に報告するそうです。

「うちの娘は、あんまり毎日おしんのことばかり言うので、学校で「OSHIN」というニックネームがついてしまったのよ」と言ったのは、やはり3人の子供のママ、ブコバ出身のドリスさん(35歳)です。

「タンザニアのOSHIN」ことメッセちゃん(8歳)は、初めておしんを見たとき、「ママ、ムズング(白人)でも貧しくてかわいそうな子がいるんだね」とびっくりしていたそうです。

日本といえば、タンザニアの人からしたらとんでもなく裕福な国、車も食べ物も何でもあって、貧しさなんて全く関係ない国。東洋人も含めて、ムズング(白人)はみんな裕福だと思っています。それなのに、その夢の国「ジャパン」に、こんな貧しい農村とおしんのようにかわいそうな境遇で育った子がいるというのが、タンザニアの子供たちにとてもインパクトがあったようです。

「ママ、おしんはムズングなのに、学校に行けなくてかわいそう」
「ママ、おしんは、ムズングなのに水くみをしているのよ」
「ママ、きょうもおしんのお父さんは、何度もおしんをぶったのよ」
「ママ、おしんは何にも悪くないのに、どうしてあんなにいじめられるの?」
「ママ、日本の女の人は、変な髪形をしているのよ(日本髪のことらしいです)なんだか大きな帽子をかぶっているみたい」
「ママ、おしんはいつも背中に赤ちゃんをしばりつけているけど、背負い方を知らないのかしら?」
・・・メッセちゃんの「おしん」レポートは毎日続き、母親であるドリスさんを閉口させるほどだとか。
ボナさんもドリスさんもこう言っていました。
「今まで子供たちがこんなに真剣に見ているテレビ番組は初めてね。自分と同じような年頃の女の子が、貧しい境遇の中で一生懸命生きているストーリーだから、きっとおしんを自分の友達のように感じているのね」

 それにしても、子供たちの疑問は、
なぜおしんは、いつも背中に赤ちゃんをしばりつけているのか?
にかなり集中しているようです。

タンザニアの人々も、赤ちゃんを背負いますが、こちらの背負い方は、赤ちゃんの足を広げて、自分の腰の横っちょにひょいと乗っけるというような横抱きスタイルで、赤ちゃんを背中にまっすぐおぶう日本のやりかたとは違っています。

長時間そのスタイルでいるときは、カンガ(長方形の布)で上手に赤ちゃんのお尻をくるむようにして、布を斜めに使って体にしばります。もちろん紐など使いません。だから、タンザニアの人には、おしんが「赤ちゃんを背中にしばりつけてる」姿が、とても不思議に映るようです。

ボナさんは、「OSHIN」の話題が出ると、いつも子供たちにこう言うそうです。

「貧しくても、とにかく学校へ行けば、未来は自分で開くことができるのよ。おしんを見てごらん。おしんだって、もしああやって赤ん坊をおぶいながらでも学校へ行っていなかったら、大人になったって、ずっと貧乏なままよ」

「子供たちに、貧乏でも努力をすれば生活がよくなっていくということを教えることができるから、子供たちには、ぜひおしんを見せてやりたいわ」と語るのは2児の母、マサウダさん。

「それにしても、日本にも貧しい時代があったのね。今のタンザニアよりずっと大変じゃないの」
と言ったのは、ドリスさん。

今は、おしん役も、子役の小林綾子ちゃんから田中裕子にかわり、結婚もして初めての子を流産してしまったところまでストーリーが進んでいるようですが、今でもテレビの前の子供たちが見たいのは、なんと言っても小林綾子のおしん時代回想シーンのようです。

また、おしんは、連続ドラマという性格上、毎日見ないとストーリーがわからなくなってしまいますが、人々が毎日見よう時間どおりにテレビの前に座っても、タンザニア名物(?)の停電や電波の悪さが立ちはだかり、人々の視聴欲(?)をそぐことが多いようです。

でも、何にしても家に電気があって、しかもテレビが家にある人は、タンザニア全体でいえば、ほんの一握りの家庭でしかありませんし、タンザニアの生活水準から言えば、テレビもあり、子供全員を学校に行かせることができるのは、とても裕福な家に限られています。

だから、「OSHIN」を見て、「かわいそう」と言える子供たちは、タンザニアの中ではごくごくわずか。だいたいほとんどの子供は、初めからテレビなんて見ることができないのですから。

「日本のおしん」は、ひと時代もふた時代も昔の話ですが、「タンザニアのおしん」は、21世紀の現代でも、まだまだたくさんいます。

そして、本当はそういう本物のおしんたちに、日本のおしんを見て、自分たちもがんばればいつかはという希望を持ってほしい、そして、働いても働かなくても貧しさから抜け出すことはできないとすべてをあきらめ、その貧しさを理由に、子供達の教育を2の次、3の次に考えている大人たちにこそ、「おしんストーリー」を伝えたいと切に願うこのごろです。

ということで、今日は、タンザニアの人気テレビ番組「OSHIN」についてお伝えしました。

ところで、今の日本の人気番組はなんでしょうか? 
きっと、もう私の知らない俳優さんばかりになっているでしょうね。
それでは次のお便りまでお元気で、GOOD LUCK!!

BY ムナワルこと 
    島岡 由美子





タンザニア便り32「カンバ民族伝統の木彫り工芸」(2001.6.17)

ジャンボ! お元気ですか?
タンザニアは雨期が明け、1年で一番過ごしやすい季節になりました。日本は梅雨に入り、今から夏に向かうところでしょうが、南半球のタンザニアは今から9月までが一番涼しい季節なんですよ。

ところで、お知らせするのが遅くなってしまいましたが、月刊総合雑誌『潮』2001年6月号に、「アフリカフェ」という題名の素敵なエッセイが掲載されていました。

文中でもアフリカフェは、「『たかがインスタント、されどインスタント』がすっと口をついて出る風味」という粋な言葉で表現されています。このおしゃれなコーヒーエッセイを、アフリカフェフレンドの皆さんにもご紹介したくて、作者の杉本伸子さんにHPでの掲載をお願いしたところ、快く応じてくださいました。
杉本さん、どうもありがとうございました。

さてきょうは、カンバ民族の伝統工芸、動物木彫り工芸についてお話しましょう。

カンバは、タンザニア、ケニヤに広い範囲で住む狩猟農耕民族で、昔から優れたハンターとして知られ、その勇敢さから警察や軍隊に多く登用されています。キクユ語とよく似た言語を持ち、彼らにとってのMOTHER TONGUE(母語)は、国語のスワヒリ語や公用語の英語ではなく、このカンバ語です。

カンバの伝統と心のよりどころは、何をおいても自ら「神がカンバに与えた贈り物」と呼ぶ木彫り手工芸技術。
東アフリカでは、マコンデと並ぶ木彫り職代表がこのカンバです。

ほんの数十年前まで、勇敢なカンバの男たちは、メイズや小麦などの農耕に従事する一方、獰猛で知られるバッファローやヒョウ、ライオンを初めとする肉食獣や、キリン、インパラなどのれいよう類をしとめるために狩猟に出かけ、豊猟だと、火炎樹や黒檀、マホガニー、オリーブ、マンゴー、キウ−ク(英名ターミナリアブラウニー)の木をくりぬいた太鼓を叩き、歌い、踊り、森の聖霊からの贈り物を感謝しながら暮らしていました。

狩りには弓矢が用いられ、槍の使い手がマサイなら、カンバは弓の名手として知られています。

まだタンザニアやケニヤという国ができるずっとずっと昔から、カンバの男たちは、身近な木で、家屋をはじめ、弓矢や太鼓、杵や槌など生活に必要な道具を作り、木に住むと信じられている聖霊に、この世に生を受けたことへの感謝を表わすために木の前で踊り、亡くなった祖先に伝えたいことがあると木に語りかけ、狩りに出る前は豊猟を祈り、日照りが続けば、木の前で獲物を屠って聖霊に捧げ、火を焚いて雨乞いをするという具合に、木とともに生きてきました。

このように、カンバの長い歴史の中で、木は常に人々の生活を助け、支え、時にはその下で集い、憩いの場所を提供し、時には祈りの場所として、時には誓いの場所として、文字どおりカンバの精神の礎となってきたのです。

また、このように木とともに生きてきたカンバの人々は、ありとあらゆる木や薬草の知識に通じており、高名な薬草調合師や、ムガンガと呼ばれる呪術師兼薬剤師が多いのも、カンバの特徴です。

さきほどカンバは、弓の名手と言いましたが、木や薬草への探究心から薬とともに毒も作り出し、弓矢のやじりに毒を塗るようになり、カンバの弓矢はどの部族よりも恐れられるものとなりました。

また、元来手先が器用なカンバ族は、昔から農耕道具、太鼓、弓矢、金属アクセサリー、台所用品などを作り出し、それを自分たちの間だけでなく、他の部族にも供給しながら交易を重ねてきた交易部族としても有名です。

このカンバの伝統木彫り工芸の技術は、マコンデ民族から伝授されたものと言われています。

何世紀にもわたって黒檀を彫り続けてきたマコンデに弟子入りし、修行を終えたカンバのムティシャという男が、自分の生まれ故郷に帰り、そこで自分の村にある木を使って木彫りを始めたのが、現在のカンバの木彫りの始まりという説です。

ムティシャは、自分の持てる技術を家族だけではなく、一般の青年たちにも教え、カンバの木彫り工芸が広く普及することに努めました。このムティシャの息子ワレが、さらにこの基礎を固め、農閑期やカンバの地が旱魃で仕事がないときも、青年たちが共同作業場で仕事ができるようにし、現在のカンバ木彫りの基礎を作ったそうです。

マコンデ彫刻は人物像が中心なのに対し、カンバの木彫りは、動物を題材にしたものが多いのが特徴です。きっと創始者のムティシャや息子のワレが、狩猟民として動物とともに生きてきたカンバならではの目で題材を選んだ結果なのでしょう。

ムティシャの生まれ故郷には、黒檀で作られたムティシャの像が今も飾られ、木彫り職人たちが、寒い日にはその像に毛布を着せ、暑い日には毛布を脱がせて半ズボン姿で日光浴、という感じで村人たちからとても大切にされ、愛されています。

そして、このムティシャの血を引くキレイ家の人々は、神からの贈り物である木彫り工芸をとても誇りに思い、ムティシャが一番好んだといわれるキウ−クの木を、今も一家繁栄の守り神のように大切にしています。

ということで、今回は、カンバの木彫り工芸のことをつづってみました。

それでは、今日はこのへんで。次のお便りまでお元気で、GOOD LUCK!!

BY ムナワルこと、島岡由美子

『潮』2001.6月号「伝統の味 アフリカフェ」杉本伸子




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