タンザニア便り |
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便り38「ブコバ特製オーガニックスプレーの作り方」(2001.10.3)
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これは、ブコバ地方の農民リーダーの一人、ブコバの土地とコーヒーを愛し、ブコバ特有の自然農法の価値を早くから見出し、自らオランダに留学して西洋のオーガニック農法をみっちり学んだ上で、地元ブコバの自然農法を守り、さらに進化させようと実践活動をしているイシェンゴマさんの使っている、ブコバ特製のオーガニックスプレーです。 材料を布で漉した汁を全部1つのバケツに入れてよく混ぜ、さらに水をいれて薄めたものを、写真のように、手動ポンプで、コーヒーの木に吹きかけます。 イシェンゴマさんの説明によると、この特製オーガニックスプレーは、牛の尿を入れることで、病気や害虫から守るだけでなく、木の成長を助ける働きもある一石三鳥の天然薬だそうです。 「3、4カ月に一度、この栄養たっぷりのオーガニックスプレーを撒いておけば、どんな作物も病気知らずで元気に育つよ」と自信満々でした。 また、害虫や病気は、葉や枝が密集して日があたらない部分に発生しやすいので、こまめに枝や葉を落としたり、下の方の実をつけなくなった不要の枝を伐採することで、日当たりよく、しかも風通しのいい環境を作ってやれば、虫にやられる心配はほとんどないと教えてくださったミキダディさんは、 「とにかくコーヒー栽培の基本は、目と手の届く範囲で育てることさ。俺は自分がマラリアに罹っても、コーヒーが病気になっても、ムアルバイネがあれば、全然怖くないよ」 と言っていました(ムアルバイネは、何十という人間の病気に効果があると言われており、昔も今も薬木としてタンザニア全土で使われている木です)。 ブコバのコーヒー農園の人々は皆、このオーガニック農法が当たり前の世界に生きているので、私たちがことさらオーガニックに関心を示すのがかえって不思議な様子でした。 農園見学を終えて、タニカ社に帰る時、 「ブコバのコーヒーだけじゃなくて、ブコバの作物はみんなオーガニックさ」 と言ったアハメッドさんの言葉を受けて、 「そうさ。だからブコバの道はオーガニックロード。 ブコバの家はオーガニックハウス、ブコバの男も女も、生まれてくる赤ん坊もみーんなオーガニックピープルさ」とおどけるカティティさんの言葉に、みんなで大笑いになりました。 でもその時、本来日本だってオーガニックライフが当たり前だったはずなのに、それを当たり前でないものにしてしまってから、オーガニック、オーガニックと騒いでいる昨今のあり方を考えさせられ、内心どきっとしたというのが本音です。 「ブコバでは、オーガニックが当たり前」 と言い切るブコバの人々の言葉には、皆力みがなく、その後には「それがどうかしたの?」と続きそうな感じです。 その「当たり前」が、実はとっても素晴らしいことだったと気がついて、慌ててオーガニックと叫びだした日本から来た我々に、どの人もポケットからゆでコーヒーの実を取り出して「まあブコバのコーヒーでも食ってゆっくりしていってよ」と暖かく迎えてくれるのでした(ブコバには、昔からゆでたコーヒーの実をそのまま食べる習慣があり、コーヒーの実は、客人のもてなしとして最高のものとして位置付けられているのです)。 ということで、今回もブコバ視察旅行の思い出を綴ってみました。 それでは今日はこの辺で。GOOD LUCK! BY MUNAWAR |
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