タンザニア便り



NO.68 ザンジバルの不思議


ジャンボ! アフリカフェフレンドの皆さん、お元気ですか?
今年の日本は猛暑&台風&地震と大変だったようですが、9月も後半に入った今、日本列島は、落ち着いてきたでしょうか。

ところで、9月11日(土)「世界不思議発見 第887回」では、ザンジバルが登場したそうですね。掲示板「アフリカフェの広場」はもちろん、メールでも多くの方々から「島岡さん、映っているんじゃないかなと、思わず画面を探しました」というお声をいただき、なんだか恐縮しておりました。

この「世界不思議発見!」って、スーパーひとし君や、黒柳徹子さんが出る番組でしたよね。私が日本にいた17年前にもやっていましたから、今まで続いているなんて、大長寿番組ですね。

例によって、今回も私はこの番組を見ていないのですが、皆さまから届いた情報を頭に入れて想像するところでは、今回は、ザンジバルの歴史とともに、東海岸、マクンドゥーチ地方特有のお祭りや、ザンジバルにしかいないレッド・コロブスモンキーなどが登場したようですね。

もちろん私も、この猿のことは知っていますが、本当に不思議なことに、ザンジバルには、このレッド・コロブスモンキーばかりがたくさん住んでいる森があるのです。木に鈴なりになって、この猿がいるところを通ると、一斉に猿達の方も、こちらを見るので、どちらが見られているのかわからなくなるほどです。

<ザンジバルの妊婦が食べるもの>

ザンジバルの妊婦が、炭をかじる風習には、驚かれた方が多かったのではないかと思います。
このほか、ザンジバルでは、妊娠中の女性は、この写真にうつっているものをかじったりもします。
さて、これは、何でしょう?
(ヒント→直径3センチ、長さ10センチほどの円筒形で、無臭です)

こたえは、なんと、赤土で作った日干しレンガです。
ザンジバルでは、わざわざ、このミニレンガが、店で売られているんですよ。

私は、長年、これなんだろう?と不思議に思っていたのですが、妊娠中の女性がかじるための、赤レンガだと知ったときば、大いに驚きました。無臭ですが、皆さんのご想像通り、非常にまずいです!!!

「どうして、妊娠中に、レンガや炭をかじるの?」
と聞くと、
「どうしてかはわからないけれど、妊娠中には、普段なら絶対食べないようなものを食べたくなるものなのよ」
と、ザンジバルの女性は口をそろえます。

ザンジバルの女性達が、妊娠中に食べるものの代表は、ライム、タマリンド、青マンゴーといった酸味系の食べ物から、生米、生のコーヒー豆、紅茶の葉、ダーツ、塩、炭・・・そして、この赤レンガに至るようです。

小さなレンガにしないで、赤土の塊をそのまま日干しにして、かじる人もいれば、なんと、赤土で作られたアリの巣を食べる人もいるそうです。また、この赤土を食べる風習は、ザンジバルだけのものではなく、タンザニア本土でもごく普通のこと。

私の故郷名古屋では、他の地方に比べて、結婚式や嫁入り道具を盛大にするしきたり(今はずいぶん変わってきていますが)があることから、「娘3人持てば身上つぶれる」と言われますが、タンザニアでは、「3人妊婦がいたら、家がつぶれる」(妊婦が、赤土で作った壁を食べてしまうから)と言われるほど、妊婦が赤土を食べることは、ポピュラーなことのようです。

それにしても、わざわざこんな小さな赤土のレンガを特別に作って、妊婦用に売っているほどですから、何か「赤土」に効用があるのかしら?と思ってみたのですが、ザンジバルの医者達は、これらの風習は、医学的根拠がないからやめるよう、呼びかけているそうです。

4度の出産経験のあるガニマさん(4人の子供のうち、今も元気に育っているのは3人ですが)は
「初産で、つわりがひどかったとき、レンガをかじると、つわりが抑まるからと祖母が持ってきてくれた。レンガをかじったら、つわりが抑まる感じだったので、そのときから、妊娠するたびにかじっているよ。」
と言っていました。

もちろん、女性達にとっては、医学的根拠云々よりも、「つわりが抑まるような気がする」ことのほうが、ずっと大切です。出産経験のある女性同士、情報交換を欠かさず、祖母から母へ、母から娘へといった具合に、受け継がれてきたのが、赤土であり、妊婦が食べやすいようにと、この小さなレンガの形になっていったようです。

ちなみに、ザンジバルの医者から貧血予防に奨励される食べ物は、ムチチャと呼ばれるほうれん草ににた葉っぱや、サツマイモの葉っぱなどの他に、パンバマケと呼ばれる木の葉っぱ。前者2種類は、煮て、ココナッツで味付けて食べますが、このパンバマケは、葉を煎じて飲むという使い方で、料理用としてではなく、薬草として使われています。

<タンザニアの料理レシピ>
「疲労回復に利くというスープが2つある。1つは、『サメ』もう1つのスープに使われている生き物がクェスチョンです。」という質問で登場したという「タコのスープ」のレシピが知りたいというリクエストも入っています。

そのほかにも、あちこちから、ピラウ、カチュンバリ、といったタンザニアの代表的な料理のレシピが知りたいというお声をいただいているので、9月1日から、新しくアフリカフェHP制作部門も担当することになったことなので、もう少し落ちつたら、タンザニアの料理レシピコーナーを設けようかなと思案中です。
レシピをリクエストしてくださった皆様、今しばらくお待ち下さい。

また、番組の中では、1枚ずつにことわざが書かれた、カンガ(布)のことも紹介されたとか・・・。
アフリカの話題は、動物や自然礼賛以外は、貧困、病気、紛争・・等など負のイメージでの報道が多すぎる気がするので、この番組では、ザンジバルの歴史や文化面もいろいろ紹介されたようで、うれしかったです。

今回の「世界不思議発見」では、「遠くにありてにっぽん人」とはまた違った角度から、ザンジバルを堪能されたのではないでしょうか。

「遠くにありてにっぽん人」といえば、「遠くにありてにっぽん人〜さんご礁の島に我が志あり〜タンザニア・島岡 強」が、再放送されていたよ!とメールをいただきました。9月12日、NHK−ハイビジョンで放送されたようです。

事前に再放送のお知らせができず、事後報告で失礼しました。
また再放送の情報が事前にキャッチできたら、掲示板で、お知らせしますね。

まだ放送予定日はわかりませんが、今度はTBSの「世界遺産」でもザンジバルが紹介されるそうです。それにしても、今までは、ケニアやタンザニア本土の動物サファリ、キリマンジャロ山ばっかりスポットが当たっていたのに、なぜか今年は、ザンジバルに関心が向いているようですね。

テレビ番組制作側も、世界中行き尽くした結果、ザンジバルのような、遠くて小さい島までスポットがあたるようになったのでしょうか・・・?

ザンジバルに住んでいる私ムナワルにとっては、それが一番の不思議です。

ということで、今回は、テレビの話題に終始してしまいましたが、今日のところはこのへんで失礼します。
次回のお便りまでお元気で。
GOOD LUCK!!
                2004年9月21日

                    夕焼け空のザンジバルにて
                       ムナワルこと 島岡 由美子拝


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