タンザニア便り

NO.69 NHKラジオ スワヒリ語放送四十周年記念番組
〜タンザニアと日本をつなぐ人々〜島岡強篇


NO.70「IFF 2004西日本国際食品見本市レポート」






NO.69 NHKラジオ スワヒリ語放送四十周年記念番組
〜タンザニアと日本をつなぐ人々〜島岡強篇



ジャンボ!アフリカフェフレンドの皆さん、お元気ですか?
ザンジバルはラマダーンを約3週間後に控え、日々日差しが強くなってきていますが、日本は気持ちのいい秋がはじまっている頃かと思います。

さて、今日は、アフリカフェプロジェクト代表島岡強が、「NHKラジオ スワヒリ語放送四十周年記念番組、〜タンザニアと日本をつなぐ人々〜」に、特別ゲストとして出演した模様をお伝えします。

何でも、NHKラジオの中にある NHKワールド ラジオ・ジャパンの外国語放送の1つとして、東アフリカを中心とするスワヒリ語圏に向けて発信するスワヒリ語放送が始まって、今年の4月6日で満40周年を迎えたので、それを記念して、リスナーの多いタンザニアで、記念番組を作るという企画が持ち上がったのだそうです。

<NHKラジオ・ジャパン収録風景>

番組の時間(約10分)の都合で、今回は柔道の活動に限ってのインタビューということで、9月22日収録当日は、60kg級のアリ・ジュマ選手も一緒に、ダルエスサラームのタンザニア国営ラジオ局のスタジオに行きました。

当日のインタビュアーは、ベン・ムワンゴンダさん。
このベンさん、初っ端から「私の名前は、権田です」と日本語で自己紹介するので、面食らいましたが、日本のNHKラジオ ジャパンで、4年間スワヒリ語アナウンサーとして働いていて、今年の8月に帰国し、ラジオ・タンザニアに復帰したばかりと聞いて納得。

日本では、ファミリーネームの「ムワナゴンダ」の「ゴンダ」をとって、「権田」と名乗り、印鑑まで持ち歩いていたとか。日本では、「ごはんと、味噌汁と、しょうゆをかけた魚」が好きだったと言う、ちゃめっけたっぷりの、明るいアナウンサーでした。

また、このベンさんは、6月にNHKハイビジョンやBS2で放映された「遠くにありてにっぽん人」も日本で見ていて、私達やアリ・ジュマ選手のことも覚えていたので、話はスムーズに進みました。

「遠くにありてにっぽん人」の中では、チュニジアでのアフリカ柔道選手権大会でアリ・ジュマが、一回戦負けを喫したのは、マラリアにかかったせいだったと紹介されていましたが、ベンさんに、
「あのときは、本当にマラリアのせいで負けたのかい?」
と聞かれたアリ・ジュマ選手が、苦笑いしながら、

「あれは、自分の実力が足りなかったから負けたんだよ。でも、マラリアのせいで負けたっていうことにしてくれたのは、日本のテレビ制作側で、僕が頼んだわけじゃないよ」
と答えている姿がおかしかったです。

 ということで、なごやかに始まったインタビュー、柔道をまったく見たこと聞いたこともない人たちにもわかるような番組にしようという計らいから、ラジオ出演にも関わらず、アリ・ジュマ選手は、柔道着を着て出演。

アナウンサーのベンさんが、リスナーにもイメージできるようにと、柔道着が厚手で重たく、上下に分かれていて、腰には帯が巻かれているなど、細部にわたって、島岡代表に適宜質問を織り交ぜながら説明する場面では、さすがはラジオのアナウンサーだなあと感心しました。

その後は、島岡代表が、ザンジバルで柔道が始まってから今日までの様々な経緯や実績、そして今後の希望などを、スワヒリ語一本で話しました。

収録が終わって島岡代表がスタジオから一歩出ると、たまたま収録の場に居合わせたテレビ・タンザニアの局長が、
「柔道のことは始めて聞いたが、とても面白かったので、ぜひテレビでも放送してタンザニアの人たちに柔道を紹介したい。

今と同じ内容でいいから、テレビ・タンザニアでも収録させてほしい、そしてできれば柔道の技をいくつか、テレビのスタジオで実演してくれないか。収録は今すぐでもいいし、明日でもいい」

と言い出し、半ば強引な感じで話が進み、技の実演のために、アリ・ジュマのパートナーとして、本土チームのフセイン選手を呼ぶということで、急きょ翌日のテレビ収録が決まりました。


<テレビ・タンザニア 収録風景>



 さて、9月23日は、通称TVTこと、タンザニア国営放送局テレビ・タンザニアのスタジオへ。
 テレビ撮影の前には、前日のラジオ収録とは違って、全員化粧室に入って、顔のてかりをおさえるパウダーとやらをぱたぱたと塗らされておりました。
 
 今まで、柔道の活動は、ザンジバル内では報道されていましたが、タンザニア本土からすると、ザンジバル内の活躍は、あまり国民全体に知らせたくないと言うような、やっかみも絡んでいたので、今までどんなにタンザニア国内での柔道大会で、ザンジバル選手が活躍しても、タンザニア本土側のテレビではまったく紹介されたことがなかったのですが、今回ひょんなことからテレビ出演が決まったことで、
 
 ザンジバルでの柔道の始まりから今までの活動、
 タンザニアの人々は、柔道も空手もカンフーもごちゃごちゃに認識しているが、それぞれちがうこと
 柔道は1つのルールで規定されている世界的なスポーツであり、もちろんオリンピック種目でもあること
 精力善用、自他共栄を基本とする精神修養も含めた日本伝統のスポーツであること、
 肉体とともに人格形成にもよい影響を与えるスポーツとして、日本をはじめ、諸外国で学校教育の一環の中に組み込まれていること
 などについても、しっかり説明することができ、タンザニアの人々に、柔道をきちんとした形で紹介する、いい機会となりました。 
 
 

柔道を教え始めた頃の苦労話をたずねられた島岡代表が、

 「なにしろ柔道のルールをまったく知らない力自慢の若者が集まっている中、たった一人で教えたので、思い切り足をけとばされたり、柔道着だけではなく腕の肉までわしづかみにされたりで、体中あざだらけでしたよ」
 と身振り手振りで、こたえるところでは、録画ルームのスタッフも爆笑の渦となりました。
 

黒帯(ブラック・ベルト)の意味を聞かれたアリ・ジュマが
 「柔道では、黒帯をとることがゴールではなく、黒帯が柔道家としてのスタートなのです」 と説明したり、

本土チームのフセイン選手が、 
 「柔道をやっていてよかったことは何ですか?」
 という質問に対して、
 「柔道家であるというその一点のみで、真の交流ができることです。私も昨年の海外遠征のメンバーとしてセンセイ・シマオカ(島岡先生)の元で、ザンビア遠征など経験しましたが、どこの道場でも本当に親切にしてもらいました。
 
 また、つい先日まで、ザンジバル武道館で本土チームと合同合宿をやりましたが、柔道を通して、我々タンザニア本土の柔道家とザンジバルの柔道家は、センセイ・シマオカ(島岡先生)を中心に1つのファミリーのようになっています」
 
 とこたえていましたが、これらは、まったく打ち合わせなしで、自然に出た言葉だったので、彼らはこんなに柔道を理解していたのかと、こちらの方が驚くような言葉が飛び出し、あらためてこの10年、島岡代表が、体を張って地道に積み重ねてきたことが、彼らに伝わりつつあるということを再認識するインタビューとなりました。
 
 
<アナウンサー&ディレクター>

 さて、このテレビ収録でも、昨日からの続きと言うことで、ラジオ局勤めのベンさんが、司会役を務めたのですが、いつもラジオで「リスナーの皆さん」と言っているくせが出て、収録中も、「リスナーの皆さん」(Washikilizaji)と連発してしまい、NG(やり直し!)が出されるたびに、スタジオ内爆笑になりました。
 テレビだから「テレビをごらんの皆様」(Watamazaji)じゃないといけないんですよね。
 
 ラジオのベテランアナウンサーのベンさんにとって、今回がテレビ初体験。
 「ラジオでは、リスナーの人にイメージがわくように、自分の目や鼻で感じ取ることを全部言葉で表現しながら進行していかなくてはなりませんが、テレビは、視聴者が自分で全部見てくれるので、イメージを膨らませるための補足説明をしなくていいから楽ですね」と言っていました。
 
 テレビの方は、既に10月25日午後6時から、タンザニア国営放送テレビ・タンザニアでたっぷり30分間放映されました。放映最中も、当HP,TANZANIAN PEOPLEの5人めゲスト、マトゥンゲ首長をはじめ、あちこちから電話がかかり、「遠くにありてにっぽん人」が日本で放映されたときのタンザニア版のような反響がありました。
 
 
ところで、本元のNHKラジオジャパンの話に戻りますが、このNHKラジオ スワヒリ語放送四十周年記念番組のディレクターは、NHKラジオジャパンの浅野由子さん。
 浅野さんは、この道に入って13年目、スワヒリ語にも自信がつき、入社した当時は、タンザニアスタッフが一緒でないと不安だった編集作業も、1人で自信をもってできるようになり、この仕事が面白くなってきましたと語る、ぴかぴかの女性ディレクターでした。
 
 今回タンザニアで収録した番組用テープも、日本で浅野さん自ら編集するのだそうです。「NHKラジオ スワヒリ語放送四十周年記念番組〜タンザニアと日本をつなぐ人々〜島岡強編」(→注:スワヒリ語のタイトルでは、どう表現されるのかわかりませんが)が、どのように完成するのか、とても楽しみです。

 
ラジオの放送日時とアクセス方法
 
 肝心の放送時間ですが、NHKラジオジャパン スワヒリ語放送の方は、10月2日(土曜日)タンザニア時間で朝の6時15分から7時(日本時間では昼の12時15分から1時)ですが、これは日本からアフリカ大陸に向けて発信されるものなので、日本では受信できないそうです。しかし、今では、なんとラジオまでインターネットを通じて聴くことができるのだそうです。
 
http://www.nhk.or.jp/swahili/
10月2日土曜日 日本時間 午後1時以降から1週間、上記のURLにアクセスすると、この島岡強のインタビュー番組と、10月26日にダルエスサラームでおこなわれた、スワヒリ語放送四十周年記念イベントの模様(トークショーやユニークシスターズのコンサートなど)が聴けるそうです。

内容はもちろんすべてスワヒリ語オンリーですが、スワヒリ語に関心のある方、タンザニアの雰囲気を感じてみたい方は、ぜひアクセスしてみてください。
ということで、今回は、NHKラジオジャパンと、急拠決まったタンザニア国営放送での収録風景をお伝えしました。
それでは、今日はこの辺で。次回の便りまでお元気で。
GOOD LUCK!!
   2004年9月26日    
                 ムナワルこと 島岡 由美子




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NO.70「IFF 2004西日本国際食品見本市レポート」

ジャンボ!日本列島は、10月の連休まで台風が吹き荒れていたようですが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか。皆様のご無事をお祈りしつつ、これを書いています。

 さて、アフリカフェは、10月7日(木)〜10月11日、九州の小倉(北九州市)で開かれたIFF2004こと、INTERNATIONAL FOOD FAIR 2004 IN KITAKYUSHU→2004西日本国際食品見本市に参加していおりました。

IFF(西日本国際食品見本市)」は、輸入食品を中心とした多彩な食品を西日本地域に紹介する目的で、1980年に初めて開催されて以来、隔年ごとに開催され続けて、現在では各方面から極めて高い評価を得ており、世界30を超える国・地域からの出品、約10万人の来場者を誇る西日本最大の国際食品見本市です。

会場の西日本総合展示場新館では、展示面積8,000m2(360小間)、輸入食品ゾーン、ふるさと食品ゾーン、健康・自然・栄養食品ゾーン、新製品・注目製品紹介コーナーと分かれて構成され、アフリカフェは、タンザニア大使館用のブースで出展させていただきました。

 前半2日間は、業者さんのみの入場で、じっくり試飲していただいたあとは、アフリカフェの説明と商談というパターンでしたが、後半は一般の方々も来場され、大変なにぎわいとなりました。

5日間を通して、約4,000人の方々にアフリカフェを試飲していただきました。
アフリカフェ初体験の皆様のご感想は、「おいしい!」「これでインスタント?」「後味がすっきり」この3ワードが一番多かったです。

「アフリカフェは、タンザニア生まれの極上インスタントコーヒーです」
とはいうものの、タンザニアがどこにあるかを知らない方が大部分を占めており、キリマンジャロ山がタンザニアにあることをご存じの方も少なく、タンザニアでコーヒーが採れることをご存知の方は、さらに少なかったです。

ところで、隣のブースには、タンザニアの会社から派遣された4人のタンザニア人が、やはり試食販売用のサンプル(カシューナッツ、ウガリ、ワイン、香辛料などなど)を並べてがんばっていたのですが、前半の3日間で持参したものが全部はけてしまったので、後半は、この隣のブースまで全部アフリカフェを並べて、アフリカフェ大試飲会となりました。

もちろん、タンザニアからやってきたこの4人も、全員が、アフリカフェの愛飲者!「アフリカフェ、ムズリ・サーナ(アフリカフェはおいしいですよ)」と自信たっぷりに奨めてくれました。

タンザニアブースを訪れてくださった方々は、先述したように、「タンザニア」という国のことを、ほとんど知らない方々が多かったのですが、このアフリカフェ体験によって、タンザニアに関心を持たれたようで、アフリカフェの試飲のあとで、タンザニアの人たちと記念写真を撮るなど、タンザニアブースは、和気藹々の雰囲気が流れ、アフリカフェが、文字通り、タンザニアと日本の架け橋になっておりました。

ムタンゴ大使は、あいにく出張で、会場にはお越しいただけませんでしたが、アフリカフェプロジェクトを推進する(株)トロワに、タンザニア大使館ブースを提供してよかったなと思っていただけたと確信しています。

最後になりましたが、大きな西日本国際食品見本市の会場で、タンザニアブースに足を運んでくださった皆々様、どうもありがとうございました。

ということで、今回は、IFF 2004西日本国際食品見本市の模様をお伝えしました。
それでは、次回のお便りまでお元気で。
GOOD LUCK!!  

2004年10月14日 
ムナワルこと   島岡由美子
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