ザンジバル柔道ナショナルチーム12名は、12月3日~18日、のべ16日間にわたるザンビア柔道遠征に行ってきました。
ザンビアに行くには、船(ザンジバルー本土のダルエスサラームまで)、鉄道(ダルエスサラームから列車の終着駅ザンビアのカピリポシ)、バス(カピリポシからザンビアの首都ルサカ)を駆使して片道だけで3泊4日の長旅です。
案の上、列車は12時間遅れというハプニングはありながらも、無事ルサカまで到着し、翌日からすぐにザンビアナショナルチームとの合同合宿が始まりました。
そして、12月12日には、朝5時にザンビア警察がアテンドしてくれたバスに乗り込み、3時間かけてザンビア国内体重別選手権開催地カブウェイにあるムルングシ大学に移動。
ザンビア柔道選手権大会は、ザンビア警察、軍隊、ナショナルサービス、ルムグシ大学柔道クラブのほか、数か所の柔道クラブから選手が総集まりしており、そこにザンジバルチームが加わって、体重別選手権大会が開かれました。
ザンジバルは、出場選手10人のうち、優勝3人 準優勝5人、3位2人と、全員が入賞し、ザンビア陣と互角以上の戦いをして、いい結果を残すことができました。
2003年に初めて組んだザンビア遠征(選手6名)では、団体戦で、0勝6敗と、0勝5敗1引き分けと、まったく歯の立たなかったザンビアチームでしたが、やっと追いつくことができたようです。
今回は、選手10人と今までの遠征で一番多い人数でしたが、年齢が16歳から40歳と差が大きかったにも関わらず、丸々16日間にわたって寝食を共にし、長い移動を含めた旅の時間から練習、試合とすべての体験を共有したことで、本当に仲の良い家族のようなチームになって帰ってくることができたことが、ザンビア遠征で一番大きな収穫でした。
また、若手の育成にと抜擢して連れて行った16歳のマンサブと17歳のバクサンも、初の国際大会にも臆することなく挑むとともに、コーチ席から声をかける島岡師範の指示どおりに動き、ポイントを取られながらも粘りに粘って最後は寝技で勝利をもぎ取り、それぞれ、73kg級とジュニアの66kg級での準優勝という結果に結びついたのもザンビア遠征の大きな成果といえそうです。
10人全員が、のびのびとザンジバルらしい柔道で結果を出せたことで、若手からベテランまで、普段自分たちがやっているザンジバルでの練習は、スタミナ面でも技の面でも外国チームよりも厳しいもので、普段どおりの柔道ができれば、外国でも十分通用するということが認識できたらしく、大いに自信がついたようでした。
帰りの列車も、17日朝到着の予定からは大幅に遅れて、17日夜8時にダルエスサラーム到着となりましたが、その晩は、長旅と合宿、試合の慰労会ということで、ニャマチョマ(アフリカ風焼き肉)レストランに連れて行き、島岡師範が「何でも好きなだけ食べていいぞ」と言ったところ、なんと選手10人で羊2頭分のニャマチョマ(一頭分が約15キロ)、33皿分のチップス、55本のソーダを飲んでけろりとしていました。まったくあきれるほどよく食べる面々です。
とにもかくにも、大きな怪我や病気、アクシデントのないまま、全員でザンビア遠征の行程を終え、帰ってくることができたことに感謝しています。
2010年は、3月にケニアのナイロビで開かれる第4回東アフリカ柔道選手権大会での3連覇を最初の目標に立てて、真夏のザンジバルで汗を流しています。ザンビア遠征で学んだことを、10人全員がしっかり自分の中に取り入れ、自信を持ってこれからの大会に臨んでほしいです。
ザンビア体重別選手権大会結果
-60kg級
1位 アザン・ハミシィ (ザンジバル)
2位 オマル・ドラ (ザンジバル)
-66kg級
2位 ムィニ アリ(ザンジバル)
-73kg級2位 バクサン・アラウィ(ザンジバル)
3位 ハマディ・シャーメ(ザンジバル)
-90kg級
1位 モハメッド ハミシィ(ザンジバル)
無差別級
2位 マスーディ・アムル(ザンジバル)
3位 モハメッド・アブドゥルハマン(ザンジバル)
ジュニアの部 (20歳以下)-66kg級1位 アブドゥルサマッド アラウィ(ザンジバル)
2位 マンサブ アラウィ(ザンジバル)
追記:停電と断水の始まり
全員揃ってザンジバルに帰ったのはいいのですが、ザンジバルでは、12月9日にタンザニア本土から供給されている電気の海底ケーブルの一部が疲弊により壊れてしまい、長期停電と深刻な水不足に陥っており、それが年を越して1月後半になった今でも続いているという状態です。
これが外国からの援助で設備を整えたがために、自国では修理できる技術者もいなければスペアもないため、さらにまた外国の援助に頼らなければメンテナンスできない国の現実でもあります。
とにかく一日も早く電気復旧してほしいというのがザンジバルに住む全国民の願いです。
「ザンビア遠征2009~合同合宿・ザンビア体重別選手権大会」への12件のフィードバック
バラカさん、ジャンボ!
タンザン鉄道の車両に釘付けです。
乗ってみたいなー。
ザンジバル勢の入賞&優勝・準優勝・3位
おめでとうございます!
島岡師範も大喜びでしょうね。
「何でも好きなだけ食べていいぞ」なんて
太っ腹!ですね。
選手10人で食べた量も、ものすごいです。
停電と断水が早く解消されますように。
片道4日もかかるんですか
アフリカは広いですものね
みなさんいい結果がでてよかったですね
それにナショナルチームとして皆が団結できたことも何よりです
長く続く停電、断水
お疲れかと思います
一日でも早く復旧されること祈っています
☆konekoさん、ジャンボ!
タンザン鉄道に乗るのは2回目でしたが、毎回途中で止まってしまい、半日は遅れます(苦笑)
でもやはり、鉄道の旅には飛行機では味わえない楽しさがありますね。
ザンジバル柔道へのご声援ありがとうございます。
運動量も多いからでしょうが、食べる量も半端ではありません。それにしても、今回は食べに食べました。羊の肉は絶対あまると思っていたらぺろりでしたから☆
ザンジバルチームの選手は誰もお酒を飲まないので、ソーダで乾杯していますが、ソーダを1人で5本も6本も飲むのはすごいと思います。ソーダってせいぜい飲めても2本ぐらいじゃないですか?
停電と断水、復旧はいつになることやら・・・という雰囲気が漂っていますが、電気が復旧したら、ザンジバル中大歓声に包まれると思います。
☆づみさん、ジャンボ!
アフリカ大陸内の移動は、交通網が整備されていないので、飛行機以外はものすごく時間がかかるんですよ。
でも飛行機では味わえない鉄道の旅のよさがたっぷり味わえます☆
ザンジバルは島なので、夜に出て朝本土につく船で移動するので、船中1泊してから列車に乗り込むため、さらに時間がかかるんです。
ザンジバル柔道へのご声援ありがとうございます。
おっしゃるとおり、チームの結束が固まったのが一番の成果でした。
停電、断水へのエールもありがとうございます。ザンバルの人々も、かなりあきらめムードが漂い始めていますが、もうだめだろうと思っていると突然なおるのがアフリカの常なので、きっとそのうち復旧するでしょう。
もちろん、早い方がいいですけどね☆
バラカさん ジャンボ!
この列車は、何両?ですか?
でも、12時間遅れは、疲れますね
遅れることも予想して、早めに出ないと大変なことになりますね?
でも、前に読んだ時に、停車するといつ出発になるか、分からないって・・・?
ザンジバルチームは、全員いい成績が残せて良かったですね
おめでとうございます
まだ、断水と停電直っていなかったのですね
暑い時期は、本当に辛いでしょうね
一日も早く復旧されますように
☆つくしさん、ジャンボ!
長い列車でしょう。カピリポシの駅長さんに聞いたところ、このタンザン鉄道の列車は、18両~20両で、ダルエスサラームから出発する際の込み具合で車両を増やしたり減らしたりするのだそうです。
遅れるときは、丸一日でも遅れます。
アフリカ大陸内の陸路の移動は、本当に時間が読めないです。
ザンジバル柔道へのご声援、ありがとうございます!
停電と断水には慣れてはいますが、それにしても今回のは長すぎます。2月下旬に復旧予定とアナウンスされているので、まだ1カ月ほど先になりそうな雰囲気です。
バラカさん、ジャンボ!
移動で片道3泊4日は、アフリカが広いのか、ポレポレなのか・・・両方か(笑)スケールがおおきな旅のおはなしで、柔道の結果とともに、楽しく読ませていただきました。
食欲もスケール大きいです!
30キロの肉、33皿のチップスって・・・豪快ですね。
想像つきませんが(笑)
停電、こんなに長く続くとは・・・お見舞い申し上げます。
将来的には自国で管理出来るようになる見通しはあるのですか?
水は深刻ですね。
☆harumiさん、ジャンボ!
アフリカ大陸の陸路の移動はとっても時間がかかるんです。
大陸が広いのもあるし、鉄道やバスが整っていないのも大きな原因です。そして、人々のポレポレ気質もね☆
もちろん飛行機を使えば数時間でザンビアに着きますが、飛行機代が高くて、選手をたくさん連れていけないですからね。
停電・断水は、2月に入った今も続いています。
将来の見通し・・・今の政府の人々は、これからも外国に頼って修してもらおうとしか考えていないと思います。
じゃんぼ!
私は、幼少時に父にボクシング、空手は習って柔道は高校の授業でしか
やったことがありません…。が、
試合開始にヤァーっと肩をいからせた後は
肩の力を抜いて…
大きなお世話ですね…
☆新しい夜明けさん、ジャンボ!
ボクシング、空手、柔道の経験がおありなんですね。
声を出すタイミングや、声の大きさも、試合の中では大切なかけひきの1つですよね。
そして、その後は、新しい夜明けさんのおっしゃるとおり、肩の力を抜いて自然体で構えるのがよいのは、どの格闘技も共通でしょうね。
頑張っておられるんですね。写真を見ながら感銘しています。
私は柔道で40年前2年間ザンビアに赴任しました。初めての派遣でした。
アフリカでも色んな国でやっているんですね。
色々と大変でしょうがご活躍を祈念しております。
私のブログに昔のザンビア時代の事を書いていますのでよろしかったら。。
☆macchannyさん、ジャンボ!
せっかくコメントいただきながら、レスが大変遅くなってしまって、すみません。
今から40年も前にザンビアに赴任されて柔道を教えておられたとのこと。初めての派遣とのことで、ご苦労が多かったことと推察いたしております。
ちなみに、今年9月にオールアフリカゲームで、モザンビークにて、ザンビアチームの面々と会いましたが、ファーザー・ジューテ氏は、今もご健在だそうです。