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珠玉のエッセイ集に出会えてHappy~とんぼの目玉 家郷のガラス絵

珠玉のエッセイという言葉がぴったりのすてきな本に出あったので、じっくり読み進めていました。

『とんぼの目玉 言の葉紀行』


『家郷のガラス絵 出雲の子ども時代』


どちらも、著者は、長谷川摂子さん  

お祭りのときに来るサーカス(見世物小屋)の光と影(表と裏)、いじめに対抗した中学1年生、翻訳するとき、「ですます調」にするかどうかの葛藤、柳田国夫の言葉の考察からご自身の身近なエピソードとして正しい日本語を考える箇所などなど、時代を超えて、同感することが多かったですし、ところどころにちりばめられた新井薫さんによるイラスト、これがまたとても心地よかったです

「言葉のむち」のイラストの犬がなんともユーモラスでかわいいなと思って読み始めたら、「おぼれる犬はたたいて殺せ」(中国の文化大革命)という言葉につながっていてびっくりしましたし、

「やさいのピラミッド」では、山積みの野菜をみつめる女の子のイラストがかわいいなと思って読み始めたら、松谷美代子さんの「りゅうのなみだ」から貧しい長野の山村の暮らしを思い、そこから満州開拓団に出た背景を考える視点が書かれていて、そこからさらに、学校給食につながっていました。

ちょうど、「学校給食」という月刊誌から、ザンジバルの現地食(バタタ ヤ ウロジョ)についての写真協力を依頼されのがご縁で、この号も日本から届いていたので、それも読みながら、おなかをすかせている子がたくさんいるタンザニアにも学校給食があったらどんなにいいだろうと思っていたところだったので、なんだかそれともこのエッセイがリンクして不思議な一体感を覚えました。

ある農村の学校で親たちが自発的に始めた給食(タンザニアには、学校給食の制度がありません)
この日のメニューは、ご飯と煮豆

「家郷のガラス玉」のあとがきにある おひつのほかほかした感じのイラストがとっても気にいりました。
電気炊飯器時代になっても、母はかならずおひつにうつして、ふきんをかぶせて使っていたことまで思い出してしまって、余韻にふけってしまいました。

自ら、「言葉を喰って生きる奇獣」とおっしゃる長谷川さんが、若き編集者さんとコンビで、のびのびと書かれている多岐にわたるエッセイ、そして新井薫さんの素敵なイラスト、三拍子そろった、時代を経ても色あせないエッセイ集を読むことができて幸せでした。2冊とも、エッセイが好きな方におすすめします♡

                                  島岡由美子

追伸

ちなみに、月間「学校給食」を見ていたら、昨年秋にザンジバル野球チームと一緒に行った山形の芋煮が紹介されていて、「あっこれ食べた、食べた!」とうれしくなりました。山形に行っていなかったら知らない食べ物でしたから、なんかこれもご縁だなっと思ったことでした。

ちなみに、私が食べた芋煮は、里芋と牛肉のしょうゆ味の煮込みでした。同じ山形でも豚肉でみそ味のもあるそうです。

野球チームの面々も気に入って、「イモニ オイシイ!!」を連発して、おかわりしていたのもよき思い出です。

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