ティンガティンガ・アート村から、悲しいお知らせです。
長年、ティンガティンガ・アート村の屋台骨を担ってきた長老アーティストの一人、ムゼームクラこと、ムクラさんが
10月29日にお亡くなりになりました。
また一人、ティンガティンガ村の長老が旅立ってしまわれ、とても寂しいです。
遠近法を使わない平面的な画風が特徴の、ティンガティンガ・アートの中で、黒い背景に浮かび上がる、写実的で鋭い眼光の動物作品が、異彩を放っていたのを覚えておられる方々も多いのではないでしょうか?
代表作は、2頭のゾウ、ビッグ5、カバの親子、鳥群像G20など、どれも重厚感ある作品です。
しゃがれ声でジョークを飛ばしながら話すムクラさん、
たくさん、ティンガティンガ村の昔の様子や歴代アーティストのことおしえてくださいました。
いつもティンガティンガ村(アート工房)の一番奥で絵を描いていたムクラさん。
島岡会長が通ると、第一声はいつも、「ラフィキ~」(友よ)でした。
ムクラさんは、故ムゼーアモンデが兄、故ナココさんが弟で、アーティスト兄弟として長くティンガティンガをけん引したアーティストでした。
ムクラさんの画風は唯一無二。
「ムクラのティンガティンガは、ムクラ一人で終わればいい」と言って、誰にも教えなかったのですが、ここ数年、息子のナソロさんに画風を伝授していて、「ナソロも立派な絵が描けるようになってきたよ」と目を細めていたところでした。
まだまだ父子で並んで、オリジナリティのあるムクラ父子だけの作品を描き続けてほしかったですが、訃報を知ってとても残念です。
長年すばらしい絵を描き続けてくださったことへの感謝と敬意をこめて、心からムクラさんのご冥福をお祈りします。
島岡由美子