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日本柔道使節団のタンザニア来訪と、JAPAN JUDO CUP in TANZANIA

こんにちは!11月も後半に入りましたが、いかがお過ごしでしょうか。
私達は、国際交流基金から派遣された4人の柔道使節団によるデモンストレーションと、その一環としての、日本大使館主催JAPAN JUDO CUP2010in Tanzania(11月15日)参加のため、ザンジバルチーム20人で11月13日からダルエスサラームに行っていました。

日本大使館主催の柔道大会は、精力善用、柔よく剛を制すという精神も含めての柔道紹介という目的もあって、毎回、体重別ではなく、無差別級でタンザニア一決定戦を行います。
今回は、ザンジバル16人、本土16人、32人のトーナメント戦で、柔道使節団の方々に審判をしていただきました。
日本大使館主催で柔道大会が開催されたのは3年ぶりとあって、久しぶりの本土に出向いての大会に、ザンジバルの選手たちはとてもはりきって乗り込んだのはよいのですが、敵地での試合に慣れていない若手の緊張ぶりが予想以上に激しく、最年少16歳のマンサブ、対外試合初体験のムバラクなど、上がってしまって、実力を出しきれずに固い動きのまま終わってしまった選手が目立ちました。

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         決勝戦 アリ・ジュマVSマスーディ・アムル                                              ↓

JAPAN JUDOCUP2010、試合結果は、下記の通りです。
1位 アリ ジュマ(ザンジバル)
2位 マスーディ アムル(ザンジバル)
3位 アザン フセイン(ザンジバル) 3位 アジジ オマリ (タンザニア本土)

66KG級で小柄なアリ ジュマが、100KGのマスーディを破っての優勝を果たし、柔よく剛を制すの柔道をアピールすることもでき、また、タンザニア本土選手が1人ベスト4に勝ち上がってきたことで、最後までトーナメントがしらけることなく、盛り上がったので、大使館主催の柔道大会という点では結果よしとなりましたが、ザンジバルチーム全体としては、先述したことも含めて、反省点が多く残りました。

柔道家の方々による形の披露では、投げ技の数々を見せていただきました。講道館護身術の中には、相手が刃物を持っていた時、棒を持ってかかってきたとき、ピストルを持って襲ってきたときなどを想定して、どう自己防衛すればよいかが組み込まれています。選手のみならず、観客も、真剣に見ていましたよ。

甲斐団長による柔道の歴史から精神に至るまでの説明を聞き、そして目の前で繰り広げられた柔道の試合を見る中で、一般の人たちの中でも、柔道に関心を持つ人が増えるといいなと思います。
翌日は、午前ザンジバルチーム、午後本土チームという具合に分かれて、4人の柔道専門家に指導をしていただくという日程でした。
まずは、前日の試合を見て、どんなことが悪かったか、どんな注意点があるかといったことをアドバイスしていただいてから、技の説明や、組手の指導に。

そして、最後は乱取りを。

世界柔道選手権で2位の実績がある真喜志氏を筆頭に、それぞれ、現役時代は、学生チャンピオンや、国際大会、全日本選手権大会に出場していたような実力者の方々ばかり。思い切りぶつかっていくザンジバルの選手たちを華麗な技で投げまくってくださり、大変いい経験をさせていただけました。
ザンジバル柔道連盟代表島岡強は、
「組み手や、崩しの重要性など、普段から口をすっぱくして言っていることでしたが、今回、それを日本から来てくださった先生方が同じように指摘してくださいました。それを、選手たちが始めて聞くような顔で神妙に聞いている様子がおかしかったのですが、そうやって、新しい人からアドバイスされ、新鮮な気持ちで聞くことで、頭に入っていくのかもしれません。そういう意味でもとてもいい機会だったと思います」
「全員と乱取りの相手をしてくださったことで、本当に強い日本の柔道家の力を肌で感じさせてくださったことも大変貴重な経験になりました。特に、重量級の選手たちは、普段相手がいないので、小さい選手とやって自分の力が強いと錯覚しがちでしたが、その気持ちをひっくり返してくださったことに感謝しています」
と言っていました。
最後は、もちろん、全員で正座、黙想、正面に礼、先生に礼、お互いに礼で締めくくり、恒例の記念撮影。きりっとした顔で整然と並んでいるのもいいですが、撮る側としては、一緒に汗を流した後の連帯感を感じる柔道家の笑顔も好きです。

このたび、講道館の柔道使節団としてタンザニアに来てくださった、甲斐先生、真喜志先生、平先生、石川先生、どうもありがとうございました。
みんなからの「アサンテニ サーナ。カリブニ テナ タンザニア」(どうもありがとうございました。ぜひまたタンザニアに来てください)の声をお伝えします。
                              by島岡由美子
11月21日追記:15日のデモンストレーションの様子は、国内テレビ3局で放映されて話題を呼びましたが、その後も何度か再放送されているので、タンザニアでは、柔道使節団の来訪の余韻が続いています。
☆写真は、ザンジバル柔道サイトにたくさん入っています。タンザニア便りでは紹介していない活動も、いろいろ載っていますので、関心のある方は、こちらも合わせてご覧ください。

「日本柔道使節団のタンザニア来訪と、JAPAN JUDO CUP in TANZANIA」への8件のフィードバック

  1. バラカタンザニアさま、ご無沙汰しております。
    タンザニアと日本の柔道交流化確実に進んでいるのを実感しました。
    どんなスポーツも一度、生を見たら虜になっちゃいます。
    これからもどんどん実績を積んでいかれることを
    祈念し、
    遠く日本から応援しております。

  2. ジュマパパ

    上位 3位入賞者が、島岡さんのお弟子さん達だったんですね。
    日ごろのご指導の甲斐があったというものです。
    彼らの今後の活躍が楽しみです。

  3. ☆hamasamasaさん、ジャンボ!
    いつもザンジバル、タンザニア柔道を応援してくださり、ありがとうございます。
    おっしゃるとうり、スポーツは、生で見るのと見ないのでは、印象が全くちがいますよね。
    柔道使節団の方々の来訪のおかげで、一般の人たちにも日本柔道の素晴らしさや精神を伝える機会となったことも、とてもよかったです。

  4. こんにちは~
    いい体験できたみたいですね
    得たものは大きそうですね
    素晴らしいです

  5. ☆ジュマパパさん、ジャンボ!
    ご声援ありがとうございます。
    ザンジバル選手が上位を獲得することができましたが、反省点の多い試合となりました。
    今回の反省を生かして、次のステップアップにつなげてほしいです。
    12月には、ザンジバル武道館杯を予定していますので、また様子をお伝えしますね。

  6. ☆づみさん、ジャンボ!
    いつもご声援ありがとうございます。
    わざわざ日本から4人もの柔道家の方々が来てくださって技の披露や指導をしてくださったことは、選手たちにとって、とてもいい体験になりました。
    また、見ている一般の人にとっても、柔道とは何ぞや?ということを知るよい機会になったと思います。

  7. バラカさん ジャンボ!
    上位3位全てザンジバルの人たちが独占
    凄いですね~
    柔道家の方々の講道館護身術は、とても勉強になられたでしょうね
    皆さんで撮られて記念撮影も、笑顔がいいわ~

  8. baraka_tanzania

    ☆つくしさん、ジャンボ!
    ありがとうございます。
    >柔道家の方々の講道館護身術は、とても勉強になられたでしょうね
     ↓
    はい、講道館護身術は、実際にありそうなケースを想定して作られているので、エィッ、ヤァッ!と掛け声や気合いも力強く、とてもインパクトが大きかったようで、皆ひきつけられて真剣に見ていました。
    テレビでも、長い棒やピストルに襲われた際の防御法の形の部分が、何度も再放送されていました。
    皆さんで撮られて記念撮影も、笑顔がいいわ~
     ↓
    ありがとうございます。日タン柔道家の笑顔もいいものですよね。

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