ジャンボ!日本は女子サッカー優勝で沸いていることと思いますがいかがお過ごしでしょうか。
ザンジバルからも、吉報をお知らせします。
第5回東アフリカ柔道大会(5thEast Africa Judo Championship)は、7月17日、18日にダルエスサラームで開催され、ザンジバルチームは、男子8階級で、5階級で金メダル、4階級で銀を取り、女子は2人出場し、金と銀を獲得。
男子は、総合優勝を果たすことができました。
<男子結果>
金 銀 銅
ザンジバル 5 4 0
ケニア 1 3 5
ブルンジ 1 1 5
タンザニア 1 0 4
ザンジバルチームのメダリスト達
(☆66kg級銀メダルのアリ・ジュマが写っていませんが)
<60㎏級・金銀>
今年1月~4月初めまで、日本柔道留学(順天堂大学)に行っていた2人、アザン・フセインとオマル・ドラの二人が危なげなく勝ち進み、決勝戦で対決。
まったく柔道の素人である来賓たちからも、ほかの試合とはレベルが違ったと言わせるほど、激しい攻防で技を競い合った結果、アザンが優勝。
オマル・ドラは、銀メダルを獲得しました。
<66㎏級・銀>
4年連続優勝を狙うアリ・ジュマが、大会1週間前の負傷で、古傷の膝が悪化。そこからは満足に歩くことができない状態の中調整して出場ながらも、3回戦までは圧倒的な強さで勝ち。
しかし、ザンジバルをなんとかして引きずり降ろそうとする審判団により、 1本技を何度も有効や技ありにされ、5分間間近まで戦ってやっと2本目の技ありをとって合わせ一本勝ちということで足のダメージがひどくなる中での決勝戦。
勝ち上がってきた相手が、タンザニア本土で自称16歳の少年だったこともあり、なめていたこともあり、緊張感の薄れた顔で入場した時から悪い予感がしましたが、案の定、相手に足を使って動き回られる中、怪我をしている足がついていかず、有効ポイント1つの差で勝ちを落としました。
しかし、満足に歩けないような膝の状態で、よく戦ったと思います。66KGでの4年連続優勝はなりませんでしたが、表彰式で胸を張って銀メダルを下げて立っている姿が印象的でした。
一方、この階級では、昨年まで、アリ・ジュマと2年連続で金銀ペアだったムィニが、準決勝で肩を脱臼し、戦線離脱したのが残念でした。
<73㎏級・金銀>
順調にザンジバルの2人が勝ち上がり、決勝は、長年ザンジバル柔道界を背負ってきたハマディ・シャーメと、日本留学組のアブドルサマッドの対決に。
経験からくる試合の駆け引きで勝るハマディが、終始試合をリードしながら有効ポイントを重ね、アブドルサマッドの力いっぱいの攻撃を巧妙にさばいてかわし、5分間フルに戦ってハマディの優勢勝ち。
ハマディは、2年ぶりの金。若手のアブドルサマッドは、2年連続の銀メダルを獲得。
<81㎏級・金>
昨年の東アフリカ大会出場のメンバーに選ばれながら、所属する警察の書類の不手際でナイロビに行くことができず、悔しい思いで今大会に向けて練習を積んできたバルクの得意の大内刈りが炸裂して勝ち上がり、決勝でも見事な大内刈りで見事金メダルに輝きました。
バルクは、初めての大きな国際大会で結果を出せたことで、大いに自信がついたようです。これからの活躍が楽しみです。
<90㎏級・金>
長年ナショナルチームのキャプテンとして、常にチーム全体のことを考え、今回の強化合宿も1日も休まず、チームをひっぱってきたモハメッドが、危なげなく決勝まで勝ち上がる。
決勝では、昨年のチャンピオン、ケニアの実力者トビアスと渡り合い、フルタイム戦ってポイントなく、延長戦に。3分の延長戦、残り30秒を切ったところで、得意の払い腰で有効を取り、優勝。
バルクの決勝とともに、今大会の中で最高に盛り上がった試合の1つでした。
<100㎏級・金>
東アフリカ柔道大会では、すっかり全チームに名前の知れ渡っているマスーディ・アムル。自信を持って挑み、危なげない試合で、得意の払い腰を決め、オール一本勝ちで、堂々の5年連続優勝に輝きました。
<100㎏超級・銀 >
刑務官モハメッド・アブドゥルラハマン、仕事の都合で合宿にも後半しか参加できず、練習量は足りませんでしたが、4人の総当たり戦で、2勝1敗で、2年連続、銀を獲得。
女子
<48㎏級・金>
普段からザンジバルで、男子と練習をしているグレースが、女子同士で練習している他チームの女子とはレベルが違い、体も体重も一番小さいながらも、オール一本勝ちで2年連続金メダルを獲得しました。
<57㎏級・銀>
ライラトゥは、ずっと柔道から遠ざかっており、練習したのはわずかな期間でしたが、銀メダル獲得。
女子結果
ブルンジ 3 3 6
ケニア 3 3 1
ザンジバル 1 1
タンザニア 0 0 1
女子は、ブルンジが15人、ケニアが7人、ザンジバル2人、タンザニア本土が2人という少人数の中での試合だったので、男子が勝てないと踏んで女子の方を男子より多く連れてきたブルンジが総合優勝となりましたが、どこもまだまだ低いレベルです。
今までのザンジバル柔道界は、指導者が島岡強会長一人で、なかなか初心者まで手が回らないのが実情でしたが、今年の6月から、前田政博七段が、ザンジバル柔道連盟のコーチとして来てくださっているので、今後は、女子の入門者を増やして、女子チームの編成をすることを課題にしています。
結果だけを見れば、ザンジバルの圧倒的勝利のように見えますが、例によって、どんな汚い手段を使ってでもなんとかザンジバルチームを引きずり下ろそうとする他3国の結託により、審判団も、アンチザンジバルで、ザンジバル選手が出ているときは、寝技で抑え込む以外は、ほとんど一本をとらず、ザンジバル勢にだけ不当に重ねられていく指導の嵐、わけのわからない裁定での敗戦を喫したり。
審判の裁定がザンジバル勢に有利な時には、ケニアとブルンディ会長の結託によって試合を中断され、審判団が呼ばれ、その裁定が覆されるというようなことが、2日間の大会中いくつ起こったかわからないほどです。
前田氏には、今大会、審判として参加していただきましたが、ザンジバル勢へのすさまじく露骨な審判団の態度に、これはあまりにもひどすぎると、怒り心頭に達しておられました。
とはいえ、アフリカには、こういう面もあります。
不当なこともまかり通り、足の引っ張り合いも当たり前の中で勝ち進んでいかなくてはつぶされてしまうということが、東アフリカ柔道界でもあたりまえのように行われて入り、アフリカの縮小版のような感じです。
毎度のこととはいえ、地道に練習を重ね、正々堂々と技で勝負に挑んでいるザンジバル選手たちにとって、審判の露骨なエコひいきの裁定で不当に負けを宣告された選手たちは本当に可哀想です。
その中で勝ち抜いて優勝するには並大抵のことではなかったですが、それをやり遂げた選手たちの顔は、充実感と自信とに満ち溢れていました。
第5回東アフリカ選手権大会も、いろいろなことがありましたが、なにはともあれ、吉報としてお知らせできる結果を出すことができました。
皆さん、応援してくださり、どうもありがとうございました。
島岡由美子
☆第5回東アフリカ選手権大会の写真は、こちらからご覧いただけます。
☆来年2012年の東アフリカ柔道選手権大会(3月予定)の開催国は、ブルンジに決まりました。
「吉報!~第5回東アフリカ柔道選手権大会での優勝」への14件のフィードバック
金と銀がいっぱいで、すごい快挙でしたね☆彡
おめでとうございます(゚∀゚)ノ
青い柔道着っていうのも、日本では見慣れないので新鮮です^^
☆ももさん、ジャンボ!
>おめでとうございます(゚∀゚)ノ
↓
ありがとうございます!
>青い柔道着っていうのも、日本では見慣れないので新鮮です^^
↓
国際大会では、青と白の柔道着で分かれて着るようになっているのですが、アフリカでは両方の柔道着を持参して大会に出場できる選手が少ないので、目印代わりに、赤帯と白帯を巻いて試合をおこなっています。
なるほど、そうなんですね~!!
そう言われて拝見しますと、帯の色が違いますね!
ところでバラカさんのところで絵を描かれていらっしゃる
アーティストさんは何絵の具を使われていらっしゃるのですか?
トールペイントと同じアクリル絵の具ですか?
絵の具はアフリカ製なのでしょうか?
今ふっと思って聞いてみました(*´∇`*)
☆ももさん、ジャンボ!
コメント読んでまたじっくり見てくださってありがとうございました。
ティンガティンガアートは、エナメルペンキで描かれています。
ペンキアートです。創始者のティンガティンガ氏が、絵を描こうと思った際に、自分の身近にあった(建築現場の)ペンキでシーリングボードに、絵を描いたのが始まりなので、今でもティンガティンガアーティストたちは、ペンキで絵を描いているんですよ。
ペンキは、タンザニア製のもあれば、外国製のものもあります。
吉報、読みましたよ。
良い結果が残せたこと、おめでとうございます!!
いつものこととはいえ、今回も波乱万丈。
相変わらず信じがたいことが起こりまがらも、報告がなんだかとても躍動感があり、すごく楽しめました。
☆michikoさん、ジャンボ!
良い結果が残せたこと、おめでとうございます!!
↓
ありがとうございます!
大会のたびに、何かが起こります。
日本ではりえないようなことが満載ですが、おかげで、私もだいぶタフになってきましたよ(笑)
長くなってしまったのですが、楽しんで読んでいただけてよかったです。
☆シャンバ様、ジャンボ!
お祝いの拍手コメントありがとうございます!
確かに、不正がまかりとおるのがアフリカ社会の現実で、柔道界もその縮小版といった態をなしているような気がします。
シャンバさんのおっしゃるように、柔道を通して正々堂々の精神を学んだアフリカの柔道家達が、自分達でこの社会構造を変えていってほしいです。
バラカさん ジャンボ!
男女共に、とても良い成績が残せて、よかったですね
おめでとうございます
正々堂々と戦っている人たちがいるのに、裏で汚いことを考えている人たちが居ることが、情けないですね
それでも、負けずに勝てた彼らに、拍手です
☆つくしさん、ジャンボ!
>男女共に、とても良い成績が残せて、よかったですね
>おめでとうございます
↓
ありがとうございます!
裏でおこなわれていることを知ると、げんなりしていまうことも多々ありますが、これもアフリカの現実の1つとして、とらえています。
>それでも、負けずに勝てた彼らに、拍手です
↓
ありがとうございます。選手たちに、つくしさんの声を伝えますね。
バラカさんジャンボ!
審判のやり方に絶句ですが、
そんな中での男子の金5個銀4個は圧倒的強さを物語っていますね。
おめでとうございます。
アリ・ジュマさんは名前が同じこともあり
すごく残念ですが立派に戦われて拍手を送りたいと思います。
前田コーチも加わられ、
女子にも力を入れられるということで
これからが楽しみですね。
そうなったら、もっと妨害が増えるのかしら・・
浅はかな考えが悲しいです。
☆ジュマさん、ジャンボ!
ありがとうございます!
アリ・ジュマは本当に長い間、ザンジバル柔道の屋台骨を担ってきた選手です。同じ名前のジュマさんからの激励の言葉、伝えますね。
女子の入門者が増えるといいのですが、妨害より以前に、女子柔道をひろげるのが難しそうですが、何事も一歩ずつやっていきますね☆
バラカさん、ジャンボ♪
ザンバジル選手の皆様、おめでとうございます。
さまざまな逆境の中、勝ち進んでこられたこと
すばらしいと思います。
今回、なくなく負けを宣告された選手の方々
これからも、がんばってくださいね!
☆こはるさん、ジャンボ♪
>ザンバジル選手の皆様、おめでとうございます。
↓
ありがとうございます!
>今回、なくなく負けを宣告された選手の方々
これからも、がんばってくださいね!
↓
負けた選手への激励もありがとうございます!
彼らが頭を切り替えて、次の目標に向かっていけるよう応援していてくださいね。
☆☆☆さん、ジャンボ!
拍手コメントありがとうございました。
8月1日に拍手コメント入れてくださっていたのに、気づくの遅くなってしまってすみません。
ザンジバル柔道への激励、ありがとうございます!
また時折、タンザニア便りの中で、柔道話題もお知らせしますね。