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オールアフリカゲームの結果~ALL AFRICA GAMES Maputo2011~アフリカのオリンピック

ジャンボ!お元気ですか?
私たちは、モザンビークのマプトで、9月3日~18日まで開催された第10回オールアフリカゲームズ(4年に一度開催されているアフリカ大陸内のオリンピック)を無事終わって、ザンジバルに帰ってきました。
大会途中に、ザンジバル沖で起きた、フェリー沈没事故による悲しい挨拶も多いですが、それは別の便りとしてお伝えします。
吉報:ネットボールチーム、銀メダル獲得!
第10回オールアフリカゲームは、アフリカ45か国から6000人を超える選手団が集まって、24種目で競い合わせました。
タンザニアチームは、陸上6人、柔道4人、ボクシング4人、女子ネットボール12人、女子サッカー15人、セーリング3人、障害者競技5人の選手と各コーチ陣による、7スポーツでの参加でした。
大活躍したのは、オールアフリカゲーム初参加の女子ネットボールチーム。絶妙のパスワークで得点と勝ち星を重ね、6勝2敗で準優勝に輝き、タンザニアチームに唯一の銀メダルをもたらせてくれました!女子ネッボールチーム、おめでとう!!

柔道4選手の結果と奮闘ぶり
さて、MY夫、島岡強がナショナルコーチとして率いていった柔道の4選手の結果は、
9月15日に柔道チームの先陣を切った100㎏のマスーディ選手が、敗者復活戦を勝ち上がって3位決定戦まで行ったものの、アルジェリアの選手に敗れて5位。

         マスーディ(白)、ケニア選手(ブルー柔道着)に一本勝ち
16日、73㎏ハマディ選手、強豪のセネガルの選手に、4分過ぎまで有効ポイントでリードしていたものの、終盤で有効を取り返された後に、抑え込まれて1回戦敗退。結果は残念でしたが、ハマディ自身は、強豪セネガルと思い切り戦ったという思いがあったようで、すがすがしい顔をしていました。

柔道試合会場にて~右から、島岡強ナショナルコーチ、マスーディ100kg級、ハマディ73kg級、アザン60kg級、アンドレ66kg級
17日は、66㎏級のアンドレ。
対戦相手は、コンゴの選手。実は、アンドレは試合前から、大大会の雰囲気に浮かれてすっかり舞い上がってしまっていたので、勝つのは難しいだろうとは思っていたのですが、案の定、まったくいいところなく、開始から数十秒で、自分の得意技である背負い投げでものの見事に投げられて一本負けを期してしまいました。まだ10代の若い選手なので、この経験を生かして、謙虚な気持ちで柔道を体得していってほしいです。
同じく17日は、60㎏級のアザンも登場。
アザンはくじ運よく、1回戦は不戦勝で勝ち上がり、2回戦からの出場。
相手はガーナの選手。前半に、アザンが得意の内またで相手を倒したものの、残念ながら、ノーポイント。しかし、勢いがあったため、ガーナの選手が少々頭を打った様子で、試合中断。
心配そうな顔で対戦相手の様子を見守るアザンを見ていて、情けをかけすぎることに心配を覚えた矢先、試合再開の合図とともに、ガーナの選手は今までの痛そうなそぶりから一変して、力強い組み手争いの後、すきをついて低い背負いなげでアザンを担ぎ、アザンは空中で体をひねって両肩はつかなかったものの、無情にも一本を宣告されて、敗退。
今大会は、アフリカ各国選手たちに1つでも多くの試合の経験をさせるという目的で、ダブリリパチャージということだったので、2回戦で敗退したアザンにも敗者復活戦の権利があり、敗者復活戦に望みをかけて気を持ち直していたのですが、発表された敗者復活戦のトーナメントにアザンの名前がなく、島岡コーチが大会運営側にクレームを付けたところ、アザンが出場した柔道の3日目には、審判も疲れてきたので、突如シングルリパチャージ(ベスト4に残った選手と対戦して負けた選手のみが敗者復活戦に出られるルール)にしたという返事(何のアナウンスもせずに)。大会運営を行っているアフリカ柔道連盟側のいい加減さに翻弄された結果となり、不完全燃焼な形でオールアフリカゲームを終える結果となったのがかわいそうでしたが、アザンもまだ若いので、大きな大会参加の経験を、今後に生かしてほしいです。
<各国の選手と、合同練習>
柔道は、オールアフリカゲーム開催期間の終盤の3日間だったので、2週間以上選手村で練習をする期間があり、島岡コーチの元に、東・南アフリカ各国のチームが集まり、日々合同練習をしました。

国として、柔道に力が入っている北や西アフリカ諸国と比べると、東、南アフリカ諸国は、まだ柔道のレベルが追いついていないので、男女合わせフルチームだと選手14名のところ、各チーム1人、3人、4人、7人と小さな選手団が多いので、東アフリカのスポーツダイレクターである島岡が中心となって、合同練習を行ったというわけです。

大会当日も、一緒に合同練習した面々が試合をしていると、みんなで応援し、それぞれが、島岡コーチに、試合結果を報告にきました。一緒に練習したボツワナ、ジブチ、ザンビア、ケニア、ジンバブエ、ガーナ、そして我らがタンザニアチームの面々、誰もメダルに届かなかったけれど、清々しい顔で各国に帰って行きました。またどこかの国際大会で活躍してほしいです!
タンザニアチームの一員として
オールアフリカゲームでは、20日間以上という長い遠征となりましたが、タンザニアチームとしての連帯の中、みんなで元気に帰ってくることができたことに感謝しています。
オールアフリカゲームでめずらしくないことですが、選手村は、まだ建設途中で、大会最中にも、まだあちこちに緑のネットが張れられ、突貫工事の真っ最中。
裏事情としては、選手村と称して、一大マンション群を建築中で、もちろんオールアフリカゲーム終了後は、一般市民に分譲住宅として売却する予定のものなので、モザンビーク政府にしてみれば、何が何でも大会に間にあわせなくてもいいというわけなのです。だから、ドアに鍵がないとか、ベッドも枠組みだけでやっつけ作りだとか、ないない尽くしで、もちろんネットカフェの設備もなく、チームリーダーたちも、タンザニアに報告手段が電話しかない状態でした。
私は、パソコンを持参しており、なんとかマプトの町で外付けモデムを探してきたので、急きょタンザニアチームの事務局を請け負い、柔道のマネージャとしてだけでなく、タンザニアで情報を待つスポーツ関係者に日々の結果報告をするサポートをしました。
タンザニアに帰ったら、選手村から送った写真などを使って、オールアフリカゲームのことが新聞やテレビなどで報道されていたと聞いて、安心しました。

タンザニアでは、サッカー以外のスポーツの報道が少なく、オールアフリカゲームのような大きな大会でも無視されてしまうことも多いので、いろいろなスポーツの様子を知らせることで、タンザニアの人がいろいろなスポーツに関心を持ってくれたらいいなと思います。
今回は、特に、ネットボールの活躍ぶりとともに、タンザニア国内ではほとんど捨てておかれているような存在の、障害者競技の選手たちのことも、オールアフリカゲームの記事として、とりあげてくれていたのが、うれしかったです。

タンザニアと、ザンビアの障害者選手が、大会前に、選手村で、砲丸投げの練習をしている様子
       
この後は、こんなふうに、思いっきり投げていました!ちなみに、選手が乗っている台も、タンザニアから持参できました。障害者選手たちの、本番に向けて熱の入った練習風景は、こちら              

タンザニアチームは、9月17日まで各競技に参加した後、モザンビーク航空の日程の都合で、18日の閉会式には参加せず、18日の早朝にマプトを発ち、行きと同じく、ナンプラ、ペンバを経由して、午後4時に、ダルエスサラームに到着。
その後、オールアフリカゲームのタンザニアナショナルチームは、ネットボールチームを中心とする祝賀会を兼ねた報告会の後、チームは解散。各々の場所に帰っていきましたが、タンザニアの各地で、いろいろな分野で努力を重ねてタンザニア代表に選ばれたこと、アフリカ中から集まったトップ選手たちの中で競い合ってきたことを糧にして、これからも、それぞれのスポーツで、みんながんばってほしいです。
以上が、モザンビークのマプトで開催された第10回オールアフリカゲームの結果報告です。
遠くから、タンザニアチーム、そして、アフリカの選手たちを応援してくださっていた皆様、ありがとうございました。
     
                   by  島岡由美子
第10回オールアフリカゲームでの、タンザニアチームの活躍ぶりがわかる写真や、各スポーツの結果は、こちらからご覧ください。

「オールアフリカゲームの結果~ALL AFRICA GAMES Maputo2011~アフリカのオリンピック」への4件のフィードバック

  1. ジュマパパ

    タンザニアチームの現地報道班員のお役目も含め、大変お疲れ様でした。
    大きな大会に参加して、チームの皆さんも良い経験が出来たことでしょうね。
    タンザニア柔道界草創期を支える革命家ご夫妻に敬意を表します。

  2. baraka_tanzania

    ☆ジュマパパさん、ジャンボ!
    >大きな大会に参加して、チームの皆さんも良い経験が出来たことでしょうね。
     ↓
    そうですね。オールアフリカゲームの代表に選ばれることは、タンザニアのスポーツ選手にとっては大きな目標ですので、参加できた人達は全員、とてもいい体験になったと思います。
    アフリカのオリンピックとして位置づけされるだけあって、アフリカ各国から、代表としての自負を持って参加してきている選手たちが集まっていますので、試合はとても白熱していました。
    各試合場で繰り広げられる応援合戦も、お国柄豊かで、とても熱がこもっていました。

  3. バラカさんジャンボ!
    まずはお疲れ様でした。
    そして女子ネットボールの選手・関係者の皆さん
    おめでとうございます。
    柔道にメダルが無かったのは
    「え、なんで?」ととても悔しい思いですが
    次のステップへ繋がる試合であったことを願っています。
    新聞にはバラカさんも載っているのですね。
    嬉しいです。

  4. baraka_tanzania

    ☆ジュマさん、ジャンボ!
    あたたかいメッセージありがとうございます。
    ネットボールチームへのお祝いの言葉、ザンジバルにも一緒にモザンビークに行った選手やコーチ陣がいるので、伝えますね。
    アフリカ全体では、ダントツでチュニジア、アルジェリア、エジプト、モロッコといった北アフリカ勢と、西アフリカのカメルーン、セネガル、アイボリーコーストなどなどが強くて、メダルもそのあたりで分けあっているという感じです。
    北はヨーロッパに近く、西は、柔道外交に力を入れているフランス語圏ということが大きな要因です。
    東アフリカ勢は、アフリカ全体で見ると、まだまだこれからの段階です。
    一歩一歩前進していきますので、応援していてくださいね☆
    新聞記事、柔道サイトの方も見てくださったのですね。出発前の新聞記事の中には、私も写真の中にうつってましたね。
    モザンビークに行っている間の新聞記事には、写真・レポート提供という感じで名前が書かれていたのもありました。

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