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続☆【カネト~炎のアイヌ魂】を読んで、【タンザン鉄道】を思う

【タンザニアとザンビアをつなぐ、タンザン鉄道】
1つ前のタンザニア便りで、アイヌの川村カネト氏が深くかかわって完成した飯田線のことを書きましたが、タンザニアにも、タンザン鉄道と呼ばれる、タンザニアとザンビアをつなぐ鉄道が敷かれています。
 
    
これは、タンザニアのダルエスサラームと、ザンビアのカピリムポシを結ぶ鉄道で中国の援助によって1970年に調印後、1976年に完成するまでには中国から2万人、現地で3万人以上の人が工事に携わり、工事は危険を伴い、多くの死者も出たと言われています。
全長1895kmもあり、山あり谷ありのこの距離を、列車が2泊3日かけて走っていきます。

【飯田線も、タンザン鉄道も、測量&工事には、
       自然の脅威との闘いがあった】 
   
 
飯田線は、昭和初期、誰もが測量をしり込みした険しい天竜峡谷を通っており、測量だけでなく、もちろん工事にも長い期間と自然との闘いを伴いました。
タンザン鉄道も、まさに自然動物公園の中を通ったり、ひどく高い鉄橋の上を通る場所もありますし、トンネルも多いです。今から45年も前に、この場所によく鉄道を敷いたものだと、驚きますが、もっと驚くのは、そのままの列車が、今もろくにメンテナンスされずに使われていることです。

【タンザン鉄道が、予定の2泊3日ではなく、3泊4日になりがちな理由】
もちろん、タンザン鉄道を走る列車は、あちこちぼろぼろなので、故障が多く、途中止まってしまって、3泊4日の旅になることがざらです。
それでも、利用者はとても多く、いつも満員でチケットを取るのが大変ですし、停車駅はどこもごった返しています。
      
私は、2回タンザン鉄道で、ダルエスーカピリモシ間を往復したことがありますが、最初の行きと、2度目の帰りに、途中、駅もないところで長時間(6時間ぐらい)の立往生の末、 車中3泊になりました。
車内停電で、すべてが真っ暗闇、食堂車のろうそくはムードがあると言えばあるけれど、トイレも廊下も部屋も真っ暗闇だったのは、さすがにちょっと怖かったです☆     
【列車が、丘の上から下にバックし始めた】
列車が、のろのろと丘の上に登っているなと思っていたら、急に、ガッタン!と止まって、するすると、バックして、車窓の景色が反対に動き出した時には、どうなるかと思いましたが、幸い事故にはなりませんした。   
こんなことも、過ぎてしまえば、笑い話ですが、一歩間違ったら大事故です。
現に、列車の横転事故や、もろくなった鉄橋と共に、列車が谷底に崩れ落ちるという大事故も起きています。
【駅のにぎわい】
タンザン鉄道が停車する駅は、人がたくさん集まっていて、活気がありますよ。    乗車客めあての路上の食べ物売りがずらりと並んで待っていますし、頭にそれぞれ、果物やらお菓子やら、工芸品やらを乗せたママたちがたくさん売りに来ます。
    

駅ごとで、はちみつ、トマト、ジャガイモ、といったその地方の名産物を売りに来るのが見られるのも楽しいです。
日本のローカル線も、まだ自動車が普及する前は、利用客が多く、どの路線も,
駅も、にぎわっていたのでしょうね。 
停車時間は、30分~1時間、それ以上の時もあり、アナウンスも何もないので、いい気になって外に出て、のんびりしていると、急にガッタン ゴットンと列車が動き出すので要注意です。

駅ではないところで、故障のため何時間も停車したときのこと。
列車から降りていたら、子どもたちが集まってきました。
仲良し女子

 
柔道チームの遠征で行ったので、選手が着ていたZABZIBAR JUDOと書かれた服を見て、男の子たちが、一斉にこのポーズ。まだまだ柔道と空手の違いがわかっていないようです(笑)

【列車を眺める人々】
列車を見るのが楽しみなのは、大人も子供も一緒のようで、あちこちで、列車を待って手を振ってくれたり、農作業の手を休めて列車を眺める人たちがいます。

遠いところから走って見に来ていた男の子。きっと、この子も、いつかこの列車に乗って遠くに行きたいなと思っているのでしょうね。
【タンザン鉄道のお楽しみ~動物サファリ】
タンザン鉄道は、ミクミ国立公園の中もとおっているので、そのあたりになると、キリンやらシマウマやらが見えることもあるというお楽しみもあります。

    
【タンザン鉄道での食べる楽しみ】
タンザン鉄道のお楽しみのは、駅ごとの屋台や、車中の食堂車の食事です。ザンビア国境を越えてからは、ザンビア名物ザンビーフ(ザンビアの牛肉)が積みこまれるので、美味しいTビーンステーキが食べられる日もありますよ。

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【鉄道の歴史と国策】
児童書【カネト~炎のアイヌ魂】に感動しているうちに、タンザン鉄道のことまでつながってきたので、思いつくまま長々と書いてしまいましたが、どの鉄道も、その時代の人々の知恵と尽力の結集によって敷かれたものですね。

ちなみに、タンザン鉄道は、まだローデシアという国名があった時代、南アフリカを通さずに、ザンビアの銅をタンザニアのダルエスサラーム港から輸出する目的で敷かれた鉄道です。
鉄道からも、いろいろな歴史や、当時の国策が見えてくるものだなと、あらためて感じたことでした。
みなさんの身近な鉄道は、何線でしょうか?
(私は、日本での馴染みの路線は、東海道本線と中央線と、うんとローカルなところでは、名鉄瀬戸線です)
        by島岡由美子
☆1つ前の便り【カネト~炎のアイヌ魂】を読んで、タンザン鉄道を思う と合せて読んでいただけると、うれしいです。
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☆【カネト~炎のアイヌ魂】 沢田猛著 ひくまの出版
第八代上川アイヌ酋長川村カネト氏が、当時、測量技手の誰もがしり込みした天竜川渓谷を含む国鉄飯田線沿いの測量をやってのけ、その後飯田線の建設にも命を懸けて尽力した、事実に基づいた児童文学のノンフィクションです。
友人に勧められて読んでみて、とても感動しました。

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