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絵本『パンツのなかのまほう』 感想  ☆ 子どもを 性被害から守るための絵本

絵本『パンツのなかのまほう』を読みました。

子どもを性被害から守るための絵本 という前振りに、どんなお話になっているのか想像できなかったのですが、ストーリーも、絵もかわいくて、子どもたちがお話を楽しみながら、知らないうちに性被害から自分たちを守る術を知る工夫がされていて、好感を持ちました。
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ある日、子どもたちに、パンツとリスが入った箱が届くところから、物語は始まります。
リスは、子どもたちに、こういいます。
「あのね、じつはね、パンツをはいているばしょには、まほうが かくされているんだよ」
リスはさらに言います。
それは、「おとなになったらつかえるまほう」で、それをぬすみにくる 「まほうどろぼう」がいることも。
どうやって、まほうどろぼうを見分けたらいいのでしょう?
それも、リスが、やさしい言葉で教えてくれます。
かわいい挿絵のついた童話を読みながら、パンツの中は、大人になるまで大切に守るところ、ぬすまれてしまった(性被害に遭ってしまった)ときには、まわりの大人に伝えること が伝わるようになっているのです。
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絵本の作者は、元毎日新聞記者の 中川紗矢子さん。
この中川さんとは面識があります。私たちが札幌で初めてのティンガティンガ展を開催することになり、新聞記者として、取材に来てくださったのです。
展示会主催者としての、私たち島岡のプロフィールをお読みになった中川さんが、
「あっ?『我が志アフリカにあり』の島岡さん夫妻でしたか。
私、学生時代に この本を、読ませていただきました!」
とおっしゃったのがご縁の始まりでした。

その中川さんが、記者時代に遭遇した事件の中で、最も憤りを覚え、社会変革が必要と感じたのが、2003年に起きた、教師による知的障害児へのわいせつ事件だったそうで、記者時代、この事件にまつわることを繰り返し記事にして問題提起したそうです。
でも、そういった子どもへのわいせつ事件は引き続き起こり、無力感にさいなまれたそうです。
その後、記者を辞めてイギリスにわたり、イギリスの大学で教える立場になってからも、結婚して母親になってからも、弱い立場の障害者や子どもを性被害から守るために、自分には何ができるかをいつも考えておられたそうです。
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子どもの性被害は、世界中で起きている問題
ところで、こういった子どもの性被害は、日本だけの問題ではないですよね。
私が住むザンジバル@タンザニアでも、子どもが性被害に遭ったという話を耳にします。
お祭りで、子どもだけで遊びに行った帰り道で狙われたとか、
学校の先生にわいせつ行為をされる子がいるということも聞きますし、
最近のことでいえば、コーラン学校(イスラム教を教える私塾 寺子屋のような感じで、一部屋に子供を集めてイスラムの教えを説く学校)の男の先生を信用できないから、自分の子は女の先生がやっているコーラン学校に行かせるという話も、複数の人から聞いています。
子どもは、年齢も(赤ちゃんのときから)、男女も問わず、悪い大人から狙われる、だから守らなくてはいけないというのが、ザンジバルママたちの共通の意識のようです。
私も、かつて日本で幼稚園教諭をして児童教育に関わっていたこともありますので、抵抗できない子どもを性の対象として狙う大人の存在は許せません。
世界中の子どもたちが、悲しい被害に遭わないで、すくすくと成長できまるよう、私たち大人が守らなくちゃですよね。
☆私がこの絵本の挿絵でとってもいいなと思ったのは、12~13ページで、日本の子どもだけではなく、世界の子どもたちの、かわいいパンツ姿が描かれていたところです。

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子どもを性被害から守る手段の一つとして、小さな子が楽しんで読め、身を守ることを知ることができる絵本は、今の時代に、とても必要だと思います。

その意味でも、この『パンツのなかのまほう』は、おはなしだけでなく、絵もとてもかわいくて、子どもも大人も一緒に楽しめる絵本なので、ぜひ身近なお子さんに読んであげてください。
                          しまおか ゆみこ
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パンツのなかのまほう
作 なかがわ さやこ   絵 でぐち かずみ
かもがわ出版
☆出版元かもがわ出版サイトでは、10月まで、無料で全ページ読めるようになっているそうです。

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