幻の花、ラフレシアを探して
熱帯の花に興味を持つようになって以来 いつかみたいと思っていた ラフレシアに会いにいってきました。
場所は、マレーシアのボルネオのコタキナバル。
ラフレシアは、マレーシアにさえ行けば、どこでも見られるだろう、自生の場所まで行かなくっても、植物園なら見られるだろうと軽く考えていたのですが、ラフレシアは、植物園に植えたら育つといった類のものではなく、特殊なブドウ科の蔓に寄生して育ち、蕾を移動させるとすぐに死んでしまう(枯れる)ので、自生している場所に行かないとみることはできないことを知りました。
首都クアラルンプールにはラフレシアを見られる場所はなく、ボルネオ島の、しかもコタキナバルという場所まで行かないとみることができないことがわかり、位置関係わからないまま、飛行機を予約し、ボルネオ島のジャングルまで行くことになってしまいました。
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私が簡単に考えていたラフレシアは、世界で一番大きい花で、 蕾から9ヶ月~1年近くかかって開花して、わずか数日で枯れてしまう しかも、開花時期も決まっておらず、咲く場所もごく限られていて、マレーシア、インドネシア、タイのごくごく狭い範囲でしか自生していないまさに、希少価値の花だったのです。
ツインのラフレシア。 この左のが直径80センチ級の大きな花でした!
コタキナバルのポーリング自然公園が有名なので、そこに行けば花が見られると高をくくっていましたが、私たちが行ったときは、その中ではほとんど花は見られないとのことで、結局地元のガイドさんを頼んで、別の地区に車を飛ばすこと3時間、そしてジャングルを探検。 別の地区に行くと、違う種類のラフレシアが咲いているかもしれないと知り、翌日の予定をとりやめて、2日目もラフレシア探検に費やしました。
そして、1日目はフレシア・ケイティ(Rafflesia Keithii)を4つ、2日目はラフレシア・プリセイ(Rafflesia Pricei)なんと8つ、開花しているのを見ることができました!!
1日目、2日目とも、ガイドさんに、こんなに見られるにはとてもラッキーですよと何度も言われました。 私自身、滞在中に1つでも見られますようにと祈りながら行ったので、咲いている花をたくさん見ることができて 本当に驚き、とっても幸せでした!!
ラフレシアのにおい
悪臭がすることでも有名みたいですが、私が嗅いだのは、思ったほどではなく、一寸生臭いなぐらいでした.。 珍しくジャングルに2週間ほど雨が降ってない時期で、ラフレシアの中央の穴の中も乾いていたので、それであまり臭くなかったのかなと勝手に思ってます。この中央の穴には、水がたまるようになっているらしいので。
ジャングルで、日本兵も見たであろうラフレシア
私は、念願のラフレシアに大興奮!「きもかわ」ってこの花のこと?っていうぐらい笑えるかわいさでした。こんなに大きいのに、どれも花びらはきっちり5枚。熱帯の花は、本当にユニークで面白いですね。
とはいえ、戦時中、日本がマレーシアを約3年間に渡って、侵略して占領していた歴史は変えられない事実ですし、日本兵がこのような生い茂ったジャングルの中で、マラリアなどで倒れ亡くなった方々も多かったことにも胸が痛みます。
私は、このラフレシアが見たくて行ったので、かわいい!と思いましたが、戦争でマレーシアに行かされた兵隊さんたちは、蒸し暑いジャングルでこの巨大で異臭を放つラフレシアが、突然目の前にあらわれたら、どんな気持ちがしたでしょうか。
ギョッとして、気持ち悪いと思ったのでは?そして、日本の桜のような優しい色の花が見たいと思われたのではないでしょうか。
そのような過去があるにもかかわらず、マレーシアは、親日国としても知られています。 マレーシアは、約450年にわたって複数の国によって占領されていましたが、日本だけでなく、他の元侵略国に対してもおだやかに接して友好を保っているそうです。
コタキナバルでも、交渉時にグイグイ押してくる人がいなくて、穏やかな国民性を感じました。
ラフレシアのかわいい花姿
ラフレシアは、ブドウ科の植物の蔓に寄生して育つので 葉っぱも茎も根っこもないのです。黒いキャベツのような蕾の上に、ポコっという感じで突然大きな花が咲いていて笑えました。
しかも、巨大なのに、花びらきっちり5枚で、形的には奇をてらうことなく、『Theお花』なのがまたかわいかったです。
黒キャベツのような蕾 見えますか?
茎も葉も根もない
本当に、ラフレシアって、不思議な不思議。
寄生するブドウのつるの場所次第で、蕾ができるので、上向きに咲いている花もあれば、横向きに倒れているように咲いているのもあれば、木の上に咲いているのも。 そして、花の下には、茎も葉も根もないのです。
ガイドさんが花の上に置いてくれたこれは、マレーシアのお札。
そして、ガイドさんは、花を見つけると、次に森に入った時にわかるようにと、番号札を立てていっていました。
ラフレシア・インフォメーションセンターにも寄りました。
一緒に行った住谷弘子さん(写真左 初代バラカ社長)と、三人でパチリ。
ラフレシアに関する資料や写真、模型もいろいろあって、中には、珍しい昆虫も登場して(標本で)、なかなか充実していました。
でも私はやっぱり、模型や標本や写真や説明より、実際に道なき道のジャングルに入って、生のラフレシアや虫たちに出会えたことが何よりも貴重な体験でした。
***燃え尽きたような死骸(枯れはてた花)の隣に、開花間近な蕾アリ***
ガイドさんが立ち止まって、「ラフレシアは、約1年かけて咲いた後は、たった数日で死ぬ(die)のです。これがこの姿です」
と、枯れて(死んで)真っ黒になったラフレシアを見せてくれました。
そして、
「すぐ隣にある、皮がむけて割れてピンクになっているのが、開花間近のつぼみです」
と、真黒の死骸(枯れた状態)と、黒キャベツのような蕾が割れてピンクになって今にも生れそう(花が咲きそう)な蕾を指さして教えてくれたのです。
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また、これは、まさに開きかけ(咲きかけ)のアフレシア・ケイティ❤つやつやで、ぴちぴち、ピカピカでした。
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ラフレシアの一連の様子になんだか人生を感じて感動しました。
幻の花ラフレシアさん、開花姿を見せてくれてありがとう。そして、亡くなった姿まで見せてくれてありがとう、生と死をしみじみ感じながら、コタキナバルからクアラルンプールに移動しました。
大勢の方々のおかげで
という感じで、思いがけずボルネオのジャングルで、ラフレシア探検隊と化した私たち、ラフレシアの蕾から、開花しつつある花から満開の花、ぐにゃりとなって枯れ始めたのから、真黒になって枯れはてた姿まで、想像以上にラフレシアの姿を見ることができましたし、ガイドさんに驚かれるほど多くの咲いた花を拝むことができました。
とまあ、こんな感じで、ラフレシア探検の旅では、本物の衝撃と感激と面白さをたっぷり味わうことができました。
これができたのは、「ラフレシアの花が見たい」と一言つぶやいたばっかりに、わざわざタイからマレーシアのラフレシア探検につきあってくれた住谷弘子さん、そして、地元でのラフレシア情報網を駆使して、咲いているラフレシアをたくさん見せてくれたコタキナバルのガイドのお二人、病床の中、ザンジバルで私たちの帰りを待っていてくれていたドクターハミシィと家族のみんな、ザンジバル→ドーハ→バンコク→クアラルンプール→コタキナバル→クアラルンプール→ドーハ→ザンジバルという旅程を考えてくれた夫島岡・・・大勢のおかげだったと、今これを書きながら、あらためて、感謝でいっぱいになっています。
皆さんにも、世界最大かつ幻の花といわれる希少な花、ラフレシア・ラックを贈ります。
島岡由美子
😊ラフレシアを見に行ったのは半年以上前なのですが、我が家はいまだにラフレシアブーム
冷蔵庫のドアには、ラフレシアが満開♡
😊日本とラフレシアのことをネットで調べていたら、
☆『平成2年(1990年)』の大阪花万博でのラフレシア展示についての過去記事がたくさん出てきましたが、なんとなんと、
☆名古屋の東山動植物園では、『昭和32年(1957年)』に開園20周年記念がおこなわれた際に、ラフレシアの展示があったそうです!
亡き母に、当時、見に行ったかどうか、聞いておきたかったな。
☆愛知万博(2005年)では、マレーシア館、インドネシア館に、ラフレシアのパブリカ展示があったそうです。
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アフリカの花、熱帯の花便りは→こちら。
本『アフリカに咲く熱帯の花、笑顔の花~ワイルドフラワー120』も、お楽しみください。
「世界最大の花、ラフレシアを見に、ボルネオのジャングルへ行ってみた」への2件のフィードバック
素晴らしい、見てみたい!
komuroさんラフレシアの花姿、想像以上にすばらしかったです! 本物の衝撃と感激と面白さをたっぷり味わってきました♡