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働くおじさん~船大工

ジャンボ!(こんにちは)
日本はお盆の時期ですが、タンザニアはお盆とは関係のない日常が過ぎており、人々は、普段どおり働いています。
さて、唐突ですが、これは何をしているところでしょう?

これは、ザンジバルの船大工さんが、漁船を作っているところです。
私トロワ(・タンザニア)が住んでいるのは、タンザニア国内ではありますが、ザンジバルという、インド洋に浮かぶ島で、タイ、イカ、マグロ、アジ、イワシ、サワラ、ヒラメ、カジキ・・・などなど日本でもおなじみの魚がたくさん水揚げされます。
ということで、今日は、魚市場・・・ではなく、そのもっと前の段階、魚を獲るための船作りの現場からお伝えします。
ザンジバルの漁船は、現在でも木造船。
船大工さんは、昔ながらの方法で、木造船を丁寧な手作業で作っています。
まずは、船の大きさをイメージしながら、土台の木を選びます。土台用の木は、丸太のまま運ばれてくるので、くわのような道具で、皮をはぎ、不要の部分をけずりとって1本の材木にして土台として固定します。
次は、船首と船尾。その傾き加減で、船の速さが決まるといわれています。

1枚目の写真は、電気ドリルならぬ、人力ドリルで、船首の太い木に、船釘を打ち込むための穴を開けているところです。
ドリル部に固定された木製の取っ手の上部に、溝が一筋施されており、そこにバイオリンの弓のようなもので前後にこすると、ドリル部分がぐるぐる回るようになっているのです。
電気ドリルでウィ~ンというわけにはいかないですが、キリを使って、両手でぐるぐる回して穴をあけていくより、ずっと早いし楽ですよね。
「電気ドリルができる前は、日本にもこういう道具があったのかな?」
などとと思いながら、あきもせずに作業を見ている私に、船大工さんの方から、「こんな作業が面白いのかい?」と不思議そうな顔で言われてしまいました。
土台、船首、船尾、デッキ、船底、船板・・・すべて木の種類が違うので、それらを集めるのもかなりの日数を要します。この船は、材木を買い集める作業が始まり、この土台+船首と船尾ができるまでに、すでに3ヶ月が経過しています。
スワヒリ語には、「ハラカ ハラカ ハイナ バラカ(急いですることに幸運はない」ということわざがありますので、ゆっくりゆっくり作業が進んでいるこの船も、いつの日か完成したら、「魚運」がもたらされ、魚がたくさん獲れる漁船になるといいですね。

「働くおじさん~船大工」への26件のフィードバック

  1. 貴重な場面ですね~。。。
    私も船作りの場面に遭遇したら( =_=) ジィー⇒⇒⇒⇒⇒
    っと見るかも知れません。
    木を切り出して船になっていく様は不思議で、
    見ごたえがありそうですね。

  2. 多分、昔はキリ以上の穴あける道具はなかったような。
    完成した船も見てみたいです
    どのくらいかかるのかしらね!
    ひらめなんかもとれるんですか?
    やはりお刺身ではたべないんですよね?

  3. >momoさん、ジャンボ!
    木のカーブにあうような枝ぶりの木を探して、切り出しに行ったりもするんですよ。時間がかかるわけですよね。
    何から何まで手仕事で進む船作りの作業は、見ていてわくわくしてきます。
    momoさんとトロワとで2人並んで、じ~~~っと船大工さんの仕事を見てたら、大工さん、照れちゃいそうですね。逆に、大はりきりするかな~(笑)

  4. >づみさん、やっぱり日本は、キリから電動ドリルに飛んだのでしょうか?
    ザンジバルでは、今も船作りには、この人力ドリルが欠かせないアイテムです。
    作業はゆっくりゆっくりですので、完成は、いつになるのかな~。また途中経過をお知らせしますね☆

  5. ザンジバルの船大工さんが、漁船を作っている姿を早速、見せて頂きました。
    すべてを手作りでやっているのでまさかこのデザイン飽きたから次のに換えようって気にならないでしょうね。
    心をこめて作り、大事に大事に使っていくってことが本当に大切なんですよね。
    初心に帰って、ものを大切にしなくてはと反省・・・。

  6. >megさん、ジャンボ!
    そうですね。船尾や船首の傾きや、幅を広く狭くなどを変えることはあっても船のデザインは同じような感じです。
    昔ながらの知恵がたくさん詰まってできた基本デザインですから、大きくは変えられないものなのでしょうね。

  7. 手で作るんですか~、すごーい!
    私の父は20年くらい前にミクロネシアにしばらく住んでいたことがあって、島の人と手作りで作った船で日本まで渡りました。
    父たちが乗ってきた船を作っている現場はもちろん見たことは無いんですけど、こんな感じだったのかな~、なんて想像しながら記事を拝読いたしましたー。

  8. トロワさん、ジャンボ!
    本当にものすごい手間と地道な努力のおかげで、船が完成していくんですね?
    すごいことですよね?
    何に対してもそうなのかもしれないけど、一生懸命丁寧に手間をかけて作ったものには、あっ!ものだけじゃないですね?
    野菜やお花も食べ物も物も、みんなすごいものができあがるんですよね?
    その一生懸命さ・・・見習いたいです!!!

  9. >KYOさん、そうなんです。船作りは、すべて手作業なんですよ。
    お父様は、ミクロネシアの方々と一緒に作った手作りの船で、ミクロネシアの人たちと一緒に海を渡って日本に帰国されたんですか。すごくロマンを感じます。
    きっとこんな感じで、手間と時間をたっぷりかけて作られたのでしょうね。

  10. >ゆうこさん、ジャンボ!
    お花も野菜も、育てるのには地道なことの繰り返しが一番大切ですよね。
    船職人さんの地味な作業の積み重ねから作り上げられる船というのは、手塩にかけて育てられた花や野菜に通じるものがあるでしょうね。

  11. 素朴な生き方を美徳と考えます。
    だから、ザンジバルの人たちが素朴に生きている姿に心打たれます。
    豊かな日本に育ったものが気づかず失っているもの(精神)が、いっぱい存在するような・・・。
    そんな中で生活されているトロワさんがちょっとうらやましいような気がします。

  12. >megさん、ジャンボ!
    ザンジバルの人たちは、今のシンプル・ライフで満足しているわけではなく、やはり物質的な豊かさをめざしているのですが、逆に物質的に豊かな国日本からザンジバルに来た私や、日本に住むmengさんには、シンプル・ライフの中にある豊かさが、ぴかぴか光って見えることが多いですよね。

  13. ジャンボ~
    すごい!!一艘一艘(漢字あってますか??)
    手作業で作りあげていくんですね。
    >「ハラカ ハラカ ハイナ バラカ(急いですることに幸運はない」
    良いことわざですね。
    日本で言うと・・・
    『急がば回れ』みたいなものかな~?
    ちょっとニュアンス違うかも知れませんが。

  14. ジャンボ!
    先人から伝えられてきた、生きていく知恵の伝承でもあり、のどかな風景でもありますね。
    この船でお魚の命をいただき、人の命がつながっていく。
    カンがにことわざが書かれているように、伝統や神さまを大切に生活している人たち、素敵ですね。
    お盆あたりからコオロギは鳴き、夜はすっかりヒンヤリ秋になった身延です。

  15. >こはるさん、ジャンボ~!
    一艘一艘→おお、難しい漢字が!
    そういえば、こんな字でしたね。自分で書けといったら書けなさそうな字ですが・・・(このところ、パソコンに頼りっぱなしなので、いっぱ字を忘れてしまっています)
    「ハラカ ハラカ ハイナ バラカ」って、響きも楽しいので気に入っています。
    「急がば回れ」→そうそう、そんな感じの言葉です。
    スワヒリ語には、日本語のことわざと同じニュアンスのものがたくさんあるんですよ。

  16. >harumiさん、ジャンボ!
    身延はお盆の終了と共に、秋の気配がしているとのこと。やはり年中行事は季節と共にあるんですね。
    先人からの知恵の伝承が、ザンジバルの船作りにも生かされています。この船作りの技術は、まだまだ継承されていきそうですよ。

  17. おおらかな気持ちで生活するには、文明の発達が,便利さとは裏腹に人の気持ちをせっかちにさせる都会の生き方をまねるべきではないと思う。
    人一人が食べていける働く場はとても大切ですが、必要以上の便利さは心の豊かさを失わせてしまう、そんな気がします。
    だから、ザンジバルの生活は、私にとってはとてもうらやましい姿に映ります。
    以前、お話されていた図書館など、教育の面は、もっと子供達が、いろんなことを知るチャンスに恵まれていたらなーとは思いますが
    ・・・。

  18. おはようございます。
    ほんとうに 手作りですね。なんかいいなぁ。
     日本と同じような魚が とれるんですね。
    調理方法も 同じような感じですか?
    やっぱり 釣ったばかりでも さしみでは たべないですよね?

  19. >megさん、便利さを手に入れていない人たちは、やっぱり、便利な生活にあこがれるでしょうね。
    人力ドリルを使っている大工さんも、電動ドリルを手に入れたら、時間のかかる人力ドリルには戻りたくないと思ってしまうことでしょう。
    便利さを追求することと、心の豊かさのバランスは、どこらへんから崩れていくものなのでしょうね。

  20. >floretさん、ジャンボ!
    サンマやサケといった寒い時期にとれる魚はいないんですけど、そのほかは日本と同じような種類の魚がとれます。
    刺身では食べないので、刺身にできるような新鮮なマグロでも鯛でも、ぶつ切りにされて、油で揚げたり、煮込んだりして調理されてしまいます。
    その様子は、日本人から見ると、もっていないというか、もうのすごく贅沢というか・・・。

  21. おお!すごい。
    なーんかいい光景ですね。人力ドリル。
    そんなにたくさんの種類の魚がとれるんだ。トロワさん、お刺身作って食べたりもします?

  22. >あひるさん、ジャンボ!
    人力ドリルは、まだまだ現役で活躍しそうです。
    そうですね。たくさんの種類の魚がとれますよ。刺身は、日本の友人知人が来られたときには作りますが、普段は食べないです。

  23.  ジャンボ!トロワさん。
    新鮮な魚を油で揚げたり、煮込んだりして最高に美味しいでしようね。
     
     
     

  24. >floretさん、ジャンボ!
    そりゃもう、ここで食べる魚料理は、とってもおいしいですよ。
    ちなみに、シチューは、トマトがベースのものと、ココナッツミルクで煮込んだものとがあり、スパイスもふんだんに使われています。

  25. すごいですね~
    できればこの船が完成するまでの過程を見て見たいです~
    日本には「千石船」と呼ばれる昔からの木造船がありますが、大船渡には優秀な船大工さんたちがいて、全国で活躍しているそうです。
    今いろんなイベントで活躍中の千石船「気仙丸」・・良かったら見てみてください~
    http://www.ofunatocci.or.jp/sengoku/sengoku_top.htm

  26. <ナッツさん、千石船「気仙丸」情報教えてくださり、ありがとうございます。早速URL辿って見てきました!立派な船で帆まであるんですね。カーブも見事で美しい!
    ザンジバルの船作りも、ゆっくりながら進行しています。
    船の完成までかなり日数がかかりそうですが、時折見に行ってきますので、また様子をお伝えしますね。ポレポレ(ゆっくり)お付き合いください。

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