7月18日午後、ダルエスサラーム港からザンジバルに向けて出港したフェリー「SKAGIT」号が、チュンベ付近の沖で沈没したフェリー事故の件で、大勢からご心配いただいておりますが、私たちは、海難事故にはあっておりませんので、ご安心ください。
その日は、秋のティンガティンガ展準備のため、飛行機でダルエスサラームに行き、ティンガティンガ村へ車で向かう途中に、ザンジバルの面々から次々に電話がかかってきて、船の沈没事故のことを知りました。
落ち着かないので、予定を早めて、翌日19日にザンジバルに戻ってきましたが、ザンジバル中でこの沈没事故に遭ってしまった人たちを悼む声でいっぱいです。
私たちの周りでも、柔道の81㎏級の選手として活躍中のハルファンの奥さんが、船に乗ったという情報のみで、行方不明のままです。
ハルファン選手は、遺体確認所と化したマイサラグラウンドに一昨日から詰め続けています。事故から丸2日経っていますが、待つ続けているハルファンのためにも子供たちのためにも、奥さんが生きてどこかに流れ着いていることを祈りたいです。
ザンジバルでは現在、この事故のことで大騒ぎになっていて、安否確認情報が、噂を含めて飛び交っていますが、政府の発表では、乗客290名、死亡68名、救出140名、後はいまだに行方不明。救出された中に15名の白人旅行者がいた(その中で1名亡くなっています)そうですが、日本人旅行者は一人も含まれていなかったとのことでした。
(元々乗客人数からして定かではありませんが・・・)
原因は、横波をくった拍子にプロペラがはずれ、そこから浸水して結果的に沈没してしまったとのことですが、救助船が出動するまでに手間取り、事故付近に着いたのが4時間以上たった後だったことも、犠牲者が多くなった要因と、非常事態の備えのルーズさ、そして、人を多く乗せられるよう改造した船を運航していた船会社にも、それを許可した政府にも批判の声が大きく上がっています。(*船の改造については、正確にはこの船を外国から購入する前からされていて、基準に反しているわけではないとのことですが、人々はそういう説明をまったく受ける機会がないので、不満が募っています)
船の責任者である船長は、人民制裁の恐怖から、とんづらしてしまっている最中とのこと。
この船は、3年前に、荷の詰め過ぎで、ザンジバルの港内で船が沈没して、数名の死者を出したのと同じ船会社の船でした。(このときは、たまたま沈没したのが港内だったので、人的被害が少なかったのです)
また。昨年の9月に、荷物、乗客の詰め込みすぎが原因で沈没し、確認された遺体だけでも200人を超え、行方不明者は把握しきれずに終わるという大惨事になった、スパイス号沈没から1年もたたない、ラマダン(断食月)直前の時期に起こった再度の沈没事故に、ザンジバルは犠牲者への悼みと、船会社のずさんな管理と人命を第一としない方針に憤りが高まっています。
どうか皆さんも、沈没事故に遭遇してしまった犠牲者の方々の冥福を祈ってください。
そして、沈没事故から丸2日以上経過してはいますが、まだどこかに流れ着いていたりしている可能性もあります。昨年の事故でも奇跡は起きていました。
どうか、行方不明者の中に生存者が一人でも多くいますようにと祈っていてください。
よろしくお願いします。
島岡由美子
☆ザンジバル旅行中の皆さまへ
7月20日午後4時半、マリンディ地区で、人々がモスクでの祈りの後に、そのまま集まって船の沈没事故での政府の対応を批判したことを発端に、あちこちで、催涙弾が発砲されています。(暴動がおこったのではなく、集まった人たちを散会させるための手段としての催涙弾発砲です)
ザンジバル旅行中の皆さん、いつもは平和なザンジバルですが、今はこの沈没事故で、特にザンジバルタウンはナーバスな雰囲気です。
人が多く集まっているところには行かないよう、気をつけてください。
マイサラ地区での遺体安置所、ムナジモジャ病院の付近なども、被害者の家族をはじめ大勢かけつけていますので、興味本位で近づいたり、話しかけたりしないようにしてください。
1年もたたずに沈没事故に見舞われたザンジバルの人々の心を思いやり、静かに祈る心でザンジバルの日々を過ごしてください。よろしくお願いします。
追伸・
6時半を過ぎ、人々が逃げて屋内に入ってからも、完全武装の特殊部隊が出動し、疾走しながら催涙弾を打ちまくっています。
完全武装した軍隊が乗る車が、催涙弾を打ちながら疾走。
発砲された催涙弾が、空中で破裂
オールドタウン内では火事も発生。
火を消すためではなく、集会を押しとどめるためにまく化学薬品入りの水を撒くために出動した消防車。(この放水をあびると、皮膚に強烈なかゆみが起こったり、皮膚がただれたり、剥けたりする)
威嚇したり、発砲したりしながら何度も街中を疾走する特殊部隊
7月21日追記
昨夜は発砲音がタウンから反対の住宅街に移ってからも、夜中の2時過ぎまで聞こえていました。
騒動から一夜明け、町のあちこちに、特殊部隊が通りにくくするために道路に置かれた石や木などにまじって、ザンジバルならではのココナッツやドリアンなどが散乱していたり、タイヤを焼いたあたりから煙がくすぶっていたりしているのさえ除けば、表面的には静かにラマダン第一めが始まっています。
「再び起きた、ザンジバル沖でのフェリー沈没事故について」への12件のフィードバック
バラカさん、ジャンボ。
大きな海難事故に、言葉もありません。
行方不明の方が1日も早く見つかりますように。
多くの奇跡を、
サンバジルの皆さんの心の平安を、
強い気持ちで祈っています。
☆shukuさん、心からの祈りの言葉をありがとうございます。
私も、1つでも多くの奇跡がおこって生きて、どこかに生きて流れ着いている人たちがいますようにと今日も祈ります。
こんばんは。
海難事故のこと、全く知りませんでした。
ごめんなさい。
すべての事故には必ず原因があります。
それが人災であったとしたら許されることではありませんね。
事故でお亡くなりになられた方々、そのご家族の方々に心よりお悔みを申し上げます。
また負傷された方々は一日も早いご回復を祈っています。
昨年の事故の時には南アフリカにご滞在でしたっけ?
あの時も心配しましたが、今回もご無事でほっとしました。
また市内の治安もよくないようでそちらも心配ですね。
巻き込まれてお怪我などされませんようにくれぐれも気を付けてくださいね。
バラカさん
ご無事でよかったです。
現地のみなさんにお見舞い申し上げます。
海難事故で犠牲になられた方々のご冥福を祈ります。
ご家族の安否を心配されている皆さんにも、奇跡がありますように。
治安の落ち着かない様子に驚いています。
間違いが起こりませんように。
一日も早く平安な日々が戻るように祈ります。
由美子さん、強さん、気をつけて下さいね。
島岡さま
ご無沙汰しております。
ザンジバル海難事故の事、こちらの記事で初めて知りました。すみません。
深い悲しみと怒りで一杯です。
自分たちの私利私欲走り、先に起こるであろう大きな過ちを見ようとしない人たちに憤りを感じています。
1人でも多くの方の命が救われる事を願います。
そして一日も早く、ザンジバルの方々、タンザニアの方々の心と暮らしに平和が訪れますように。
☆ジュマさん、心からの祈りのメッセージ、ありがとうございます。
もちろん、波が荒かったという天災でもありますが、人的要因も否めない部分もあって、なんともやりきれない事故となっています。
昨年の沈没事故の際は、ちょうどモザンビークに行っていました(オールアフリカゲームで)。
その後、ザンジバルは、落ち着いています。
催涙弾が飛び交った翌日から、ラマダンに入りました。
☆harumiさん、心からの祈りのメッセージ、ありがとうございます。
1年もたたないで船の沈没という大惨事が起こって、再びたくさんの犠牲者が出てしまいました。
人々の不安と不満を催涙弾という形で抑え込ませる方針は、逆効果だと思うのですが、民衆の集会に向けて催涙弾が発砲されること自体は、珍しいことではありません。
ご心配かけましたが、翌日からは、催涙弾も飛び交うことなく、とりあえず穏やかにラマダンに入っていますので、ご安心ください。(元々、民衆が蜂起したというわけではないですので)
日本では、10万人を超えるデモ行進があっても、催涙弾が発砲されるわけでもないのに、こちらでは、たとえせいぜい百人程度でも集まれば追い散らされるというのは、まったく違うなと思います。
☆ユキコさん、心からの祈りのメッセージをありがとうございます。
海難事故は、ザンジバルに住む人なら誰にでも起こりうることなので、人々の気持ちはより切実です。
催涙弾騒ぎの翌日からは、ラマダンに入り、祈りの日々が始まっています。
このような事故が起こらないことと、犠牲者の冥福をいっしょに祈っていてくださいね。
ふらっと立ち寄ったら、大変な事態で、驚きました。
多くの犠牲者、行方不明者多数に心が痛みます。
事故からすでに10日が経っていますが、助かった方もおられるのでしょうか?
遅くなりましたが、亡くなられた方たちのご冥福をお祈りいたします。
それと催涙弾にも驚きました。
今はもう落ち着いているようですが、
くれぐれもご無事でいてくだい。
☆もよさん、心からの祈りのメッセージをありがとうございます。
その後、死亡確認ができた人の数は増えましたが、残念ながら生存者が増えたという報はないままで日が経ってしまいました。
犠牲者のご冥福と、痛ましく悲しい沈没事故が二度とおきませんようにと祈る日々です。
ザンジバルは落ち着いていますのでご安心ください。もともと、民衆が蜂起したわけではなく、沈没事故について納得いかない人々が集まって話していたのを催涙弾でけちらしたというのが発端で、その後あちこちで催涙弾を派手に打ちまくって、不満の声を押さえつけた形です。(ここでは、珍しいことではありません)
そんな大きな海難事故があったこと、
ちっとも知りませんでした。
日本ではあまりニュースになっていないみたいです。
ごめんなさい。
たくさんの方が犠牲になって、本当に心が痛いです。
そして、そのことが暴動と化してしまい、
武力で制圧しなければならない事がとても残念で悲しいですね。
どうぞ、皆さんの悲しみと怒りが静まり、
またいつもの平和が取り戻されますように…。
遠く日本からお祈り申し上げます。
☆みかんアイスさん、心からの祈りのメッセージをありがとうございます。
1年に満たずに、悲しく悲惨な沈没事故が起きてしまったこと、今回もまた100名以上の犠牲者が出てしまったこと、本当にやりきれない気持ちです。
ザンジバルは落ち着いていますのでご安心ください。
もともと、沈没事故について納得いかない人々が集まって話していたのを、催涙弾でけちらし、不満の声を押さえつけたということで、暴動が起きたということではないので。