暮れ2020も押し詰まってきましたが、いかがおすごしでしょうか。
ザンジバルは、例年通り真夏の年末になっており、この暑さは2月末ぐらいまで続きます。
さて、野球大会の模様をお伝えしましたが、柔道の方は、恒例の、ザンジバル武道館杯でしめくくりました。
ザンジバル武道館杯は、今年で18回目。年に一度の武道奨励賞がつく大会ということで定着しており、柔道家たちが一番楽しみにしている大会です。(*2001年からで18回目なのは、途中で、大統領選挙で政情不安となり、柔道ができない時期があったため)
ザンジバルのほうは、ペンバ島からも、先月に新道場の落成式をしたばかりのケンゲジャと、ペンバ武道館から選手団がやってきて、ウングジャ本島の選手とともに、全員ザンジバルとしてメダルを獲ろうと団結。
タンザニア本土からは、刑務官チームと、ウコンガ警察チームがやってきて、 タンザニア一を決める熱戦が繰り広げられ、男子60kg、66kg、73kg、81kg、無差別の5階級で、ザンジバル勢が金3銀4銅6 タンザニア本土が金2銀1銅3で、昨年の雪辱を果たすことができ、よい締めくくりになりました。
今年のタンザニア一=金メダリストたち
『60㎏級は、ザンジバルの若手で独占』
ザンジバル柔道連盟副会長モハメッドの息子、イブラヒムが、得意の背負いで一本を重ね、初優勝!
またこの階級では、アリとハリッドという双子対決もあって、もりあがりました。 (結果はアリが勝ち、そのまま決勝進出して銀 ハリッドは三位決定戦で銅)もう1つの銅メダルをかけた3位決定戦で、タンザニア本土の選手を相手に延長戦にもつれ込みながらも、攻めの柔道で最後に一本を決めて初メダル(銅)をもぎとったのも、若手のモハメッド。
ということで、今回、60㎏級は一位から3位までザンジバルの若人が独占。 このところ、60㎏をいつも落としていたので、若手の台頭で、来年に向けて明るい結果となりました。
モハメッド副会長も、大会終了までは、大会運営を担う責任者として厳しい顔をしていましたが、終了後は顔を崩して、イブラヒムの優勝を喜び、すっかり父親の顔になっていました。
『66㎏級、アブドゥルラッビル、息子に見せた父親の雄姿』
66㎏級は、安定のアブドルラッビル(昨年の世界選手権に出場し、順天堂大学でお世話になった選手) 、今回は、体重も早々に下げて、いつものように計量直前まで減量に苦しむことなく、のびのび自分の試合をしていました。
ラッビルの小さな息子も柔道着を着て応援にきており、大きな声で応援していました。息子にこういった雄姿を見せてやれるのは、いいですね。彼ら親子の思い出に残ることでしょう。
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ランチのピラウをほおばりながら、「パパが優勝するんだよ!」と言っていた息子の言葉通り、一本勝ちで優勝。
『73㎏級、アブドゥルシャクルが惜敗』
73㎏は、ハフィズが81㎏にあげたので、この階級はペンバのワリッドに期待していましたが、ワリッドがまさかの1回戦負け。その穴を埋めたのが、今大会から、2階級上げたアブドゥルシャクル。(60㎏への減量がきびしいのと、66㎏にはシャクルにとって勝てないと思い込んでいるアブドルラッビルがいるため、73㎏級へ)73㎏にしては細いのですが、タイミングよく決めて勝ち上がり、決勝へ。決勝ではタンザニア本土の警察チーム、ラファエルに惜敗。
今年は階級を上げて、初めて73㎏級で出場したシャクル(左のパンクヘア)
『81㎏級 ケンゲジャオオヤマ道場、グワリの奮闘』
81㎏は、ペンバ島、ケンゲジャオオヤマ道場のジュマ・ングワリ(漁師で力持ち)。一本勝ちで勝ち上がり、決勝戦でも4分ぎりぎりまで熱戦を繰り広げ、会場を盛り上げましたが、最後に一本負けを喫し、準優勝。1位は、タンザニア本土の刑務官アダム。初優勝。
『無差別級は、ハミシィ優勝』
本来90㎏級のハミシィが安定の一本勝ちで勝ち進み、ペンバ武道館のハッジと決勝を戦い、得意の払い腰が決まって、一本勝で優勝。
100㎏級で、東アフリカ大会9連覇したキボンゲことマスーディが引退し、タンザニア本土もザンジバルもヘビー級の層が薄いので、ヘビー級の新しい選手にも登場してほしいものです。
セレモニー
開会式は、スポーツ評議委員会書記長パンドゥ氏が開会宣言。
閉会式は、情報文化スポーツ省副書記長ハミドゥ氏が、11月におこなったケンゲジャオオヤマ道場落成式に続いて、駆けつけてくださり、心のこもったスピーチをしてくださいました。
表彰式では、メダルとともに、楽しみにしている、武道奨励金の授与も。
島岡名誉会長から一人一人に。
今年は、コロナ禍で、世界中で翻弄された年になりましたが、タンザニアも6月ごろまでは行動制限があり、その後は緩められたのですが、10月の大統領選挙に向けて、政情不安定になっており、このザンジバル武道館杯が、今年最初で最後の公式戦となりました。
とにかく、この大会が無事開催できてほんとうによかったです。
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こんな感じで、ジュニア時代を経た子たちが、今は大人の部でがんばっており、
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今大会は、若手たちの成長が、結果としてでてきたので、来年に向けて明るい気持ちになりました。
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今大会も、参加賞は、ザンジバルスポーツ教育振興会を通して、プルデンシャル生命様より提供いただいたTシャツ☆
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ほんわかエピソード
全部終わった後、「東アフリカ大会でママでも金」のムジガニ選手の子が、島岡名誉会長に、「シカモー」と挨拶に来ました。
(年下の人が、目上の人にいう挨拶言葉 )
「マラハバー、はやく大きくなって、ママみたいに柔道家になれよ」
といわれて、・・・ぽか~ん(笑)
まあ、今はそうでも、こうやって柔道の試合を観ているうちに、自分もやってみたなるかもしれませんね。
もしかしたら、この子が将来のザンジバル柔道を担う選手になるかも☆
今年も、ザンジバル・タンザニア柔道への応援ありがとうございました。
2020年は、世界中がコロナ禍に陥って翻弄された1年でしたが、来年こそは早期にコロナウィルスが終息し、安全な薬が開発されて、だれもが安心して会ったり、行きたいところに行ったりということが、また普通にできる世界に戻りますようにと心からお祈りします。
どうぞお元気で、よいお年をお迎えください。
島岡由美子
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番外編『大会翌日は、初段審査』
大会翌日におこなった初段審査には、タンザニア本土の選手たちも参加して、16名でおこないました。
そのうちの一人はチェコ人のパーベルさん。彼は、ザンジバルのホテル内にあるショップを手伝っていたのですが、コロナ禍で客が来なくなって現在閉鎖中。することがないからと、この1か月ほど、柔道の練習に参加していました。
昇段審査では、まず試合の部では旧ソ連圏らしい接近戦で組み合って返すレスリングに似たスタイルで、勝ち星を挙げ、7戦全勝で合格、形の部でも、ペンバ島のコーチ古内さんをパートナーとして合格。
ちなみに、今回、試合の部での合格は、このパーベルを含めて3名でしたが、形の合格は、彼一人でした。あとの2名は、別の日に形の試験に合格してから、ザンジバル柔道連盟より黒帯を渡すことになります。
「柔道2020は、第18回ザンジバル武道館杯2020で、締めくくりました。」への2件のフィードバック
年末に恒例の柔道杯が無事行われて良かったですね、一生懸命練習してきた選手たちにとっても。
新しく出来た道場からの選手も参加されていました。
これから場数を踏んで試合慣れして頭角を現してくると思います。
「やるなら徹底的に」ということで、誇らしい道場が出来たことも、そこから誇りある選手が生まれるきっかけになると確信します。
新しい選手が世代を超えて生まれてくるのも頼もしいですね。
地道に継続を続けてこられた島岡夫妻に乾杯です!
敦子さん★遅くなってしまいましたが、あけましておめでとうございます。 いつも丁寧に読んでコメントくださりありがとうございます。あたたかいコメントに新年からはげまされています。 新しい世代、新しい道場からの参加など、楽しみの多い大会でした。ほんと、場数を踏むって大切ですよね。今回の経験を、ぜひ次の大会で生かしてほしいです。 また今年も、フランスから応援していてくださいね。よろしくお願いします。