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タンザニア体重別柔道選手権大会2008~成人の部

4年に一度のエキサイティングなスポーツの祭典、北京オリンピックも終わり、秋の風と共に今年も後半に向かうという雰囲気かと思いますが、いかがお過ごしでしょうか?
選手(陸上と水泳のみ)、コーチ、役員入れて20人弱のチームで北京入りしていたタンザニア選手団も、先日無事帰国したようです。(オリンピックといっても、日本と違ってほとんど騒がれないので、よくわからないまま終わってしまったという感じでした)
さて、今日は、華やかなオリンピックとは対照的に、こじんまりと開かれたタンザニア国内での柔道大会の様子をお伝えします。
2001年より、在タンザニア日本大使館主催で、毎年7月にタンザニア本土のダルエスサラームで行われていた通称サバサバ柔道大会こと、JAPAN JUDO CUP~SABASABAが隔年開催になり、今年は行われない年だったので、その代りにザンジバル柔道連盟主催で、タンザニア国内体重別柔道選手権大会を開催しました。

今回のタンザニア国内柔道選手権大会は、来年2月に開催される東アフリカ柔道大会(East Africa Judo Championship)その他の国際試合に向けての選抜試合の一つであり、主賓には、ザンジバル警察のトップであるシンバ氏、来賓は日本大使館公使の平木場氏、スポーツ委員会会長と書記長、三菱商事のダルエスサラーム支社副所長石井氏を迎えて行いましたが、特に警察からの来賓は初めてということもあり、警察チームの面々の気合いが普段の大会以上に入っており、熱戦が繰り広げられました。
成人の部は、41人の選手が参加。
60kg級・・・アブダラ・ハッサン  (ザンジバル)
66kg級・・・アリ・ジュマ     (ザンジバル)
73kg級・・・アブダラ・アリ    (ザンジバル)
81kg級・・・モハメッド・ハミシィ (ザンジバル)
81kg超級・・マスーディ・アムル  (ザンジバル)
60kg級は、若手のアザンが、アブダラ・ハッサンを超えられるかというところが焦点でしたが、やはりまだ力及ばず、アブダラ・ハッサンが優勝。準優勝はアザン。3位には、20歳のマジッドが初入賞しました。
66kgは、ベテランのうまさを発揮してアリ・ジュマが優勝。アリ・ジュマは、国内&国外大会の代表としてザンジバル、タンザニア柔道界を長年背負ってきた選手。
高内股や大腰、右組み手からの左の背負い投げなど華麗な一本勝ちで、会場をわかせてきました。ニックネームは、「鳥」を意味する「キデーゲ」
今回も、彼が登場すると、会場から自然と手拍子が起こり、
「キデーゲ、今日も一本で勝ってくれ
キデーゲ、今日もかっこいい柔道技を見せてくれ~♪」
という誰かが歌い出した即興の歌が、丸ごと観客全体の歌声となり、ザンジバル武道館いっぱいにひびきわたって、大いにもりあがりました。

この66kgでは、18歳のアブドゥルサマッドが上位に食い込もうと健闘しましたが、鎖骨を痛めながらも勝ち上がり、準決勝でムィニと闘って敗れた後、敗者復活戦を棄権。入賞を逃してしまいました(レントゲン結果は、鎖骨骨折でした)
73kg級は、常勝を続けていたハマディ・シャーメが、仕事で洋服の仕入れにドバイに行ったまま、帰国が遅れてしまい、不参加。万年2位だったヘメディ・ムタンガも奥さんの急病のため、急きょ不参加となり、大ベテラン、アブダラ・アリが数年ぶりに優勝。
81kg級は、8月末から講道館と順天堂行きが決定しているモハメッド・ハミシィが危なげなく優勝。
81kg超級(:重量級が少ないため、90kg、100kg、100kg超級をまとめ、81kg超級として試合をしています)は、マスーディ選手が制しました。
成人の部のほかに16歳以下のジュニアの部、また、今大会は、エキビジョン試合として、女子の試合もしました。
中学の体育の授業で柔道をしたことがあるという青森出身の小川七恵さんが、当日飛び入り参加。
ザンジバル柔道連盟のラハマ選手との日ザ対抗試合とあいなりました。
結果は、ラハマが小外刈りで有効を取り、一緒に倒れこんだところを、体重が10kg以上重いラハマ選手が小川さんをがっちり抑え込んで一本勝ち。
この試合は、翌日の新聞のスポーツ欄で大きく紹介されており、柔道は成人男性や子供だけではなく、女性にもできるスポーツであるという内容の記事になっていました。

ザンジバル警察のシンバ氏(警視総監に当たる人)は、開会式から閉会式まで5時間半という長丁場だったにもかかわらず、途中で退席せずに最後まで興味深そうに柔道の試合を観戦しており、スピーチも、10分以上長々と柔道をほめたたえる内容でした。今大会をきっかけに、警察の中で、柔道の立場が少しでも確立され、選手たちが練習に出やすくなったりするなどの配慮がされるようになることを期待しています。
         警察チーム

ザンジバル柔道サイトは、→こちらです。
[[pict:niko]]追伸:2月にブルンジで開催された東アフリカ柔道大会(East Africa Judo Championship)で、100kg級と無差別級を制覇したマスーディ選手は、この活躍が認められ、タンザニアのスポーツ記者協会が毎年選ぶ、タンザニア国内最優秀スポーツ選手賞を受賞しました。
柔道選手でタンザニア最優秀スポーツ選手に選ばれたのは、マスーディ選手が初めてです。

「タンザニア体重別柔道選手権大会2008~成人の部」への14件のフィードバック

  1. バラカさん、ジャンボ!!
    柔道は『柔よく剛を制す』ですもん女性だって出来るし男性にだって勝つことだって出来ますよね。
    外国の方は日本人に比べて力があるから強いけど日本人はそれを技で対応して。
    オリンピック観てて思ったけど、最近柔道のルールが変わってあまり組み合わなくなっちゃって1本とかあまり出なかったからちょっとイマイチだった。
    やっぱり組み合って技出し合うのが柔道だと思うけどな~

  2. バラカさん、ジャンボ!
    日本はゲリラ豪雨でえらいことになっています。
    私の所は雨より、畑の恵みをかっぱらう、猿との闘いです。
    まるでタンザニア柔道オリンピックですね!
    まさに平和のスポーツ祭典。
    私は柔道の事はわからないけれど、会場の熱戦は伝わってきます。
    ジュニアや女子への広がりは文化の広がり。
    日の丸の旗とアフリカの旗が仲良く新しい文化を育んでゆく現場レポートは、おもしろいです。
    そうそう、この11月の子どもたちの定期演奏会のステージでアフリカが舞台の動物と人の愛の物語に取り組みます。
    「かたあしだちょうのエルフ」という絵本を脚色をしています。
    ちょっとした言葉やお衣装などブログを参考にさせていただきます!
    今は生みの苦しみだけれどね・・・。

  3. バラカさん、ジャンボ!
    日本では警察で柔道を取り入れられてると
    聞いたことがありますが、
    ザンジバル警察のシンバ氏も柔道を見て、
    取り入れられるかもしれませんね。
    マスーディ選手おめでとうございます。

  4. ☆りらっくまさん、ジャンボ!
    そうそう、柔道は女性でも強くなれますよね。
    それに、昨今物騒な世の中ですから、女性もいざというときに備えて、セルフディフェンスを知っておくのはとてもいいことだと思います。
    確かに、外国の柔道は、がっちり組んで技をかけあうという柔道をする人が少ない感じがしますよね。
    観ている側としては、組み手争いに終始するのではなく、がっちりん組んだところから豪快な一本勝ちしてほしいと思いますけど、実際に畳の上に立つ選手たちは、相手も負けたくないという気持ちで必死で向かってきているので、なかなか自分の思い通りにはいかないという事情もあるのでしょう。

  5. harumiさん、ジャンボ!
    日本は豪雨であちこち被害が出ているようですね。
    被害がこれ以上大きくならないようお祈りします。
    harumiさんのところは、猿との闘いですか。猿もなかなか賢いですからね~。
    タンザニアの柔道大会は、一流選手の白熱した攻防というレベルではありませんが、会場は毎回盛り上がっていますよ☆
    立ち技できれいな技が決まった時はもちろんですが、なぜかザンジバルの観客は、寝技の攻防にも盛り上がり、「押さえ込み」が入ると手拍子や足を鳴らしたりして会場が一体化する場面が何度もありました。
    柔道大会を何度も開催する中で、観客にとっても柔道のルールが少しづつ浸透してきているようです。
    11月のステージは、アフリカが舞台なんですね。
    私もharumiさんのレポート、いつも楽しみですが、今度はアフリカが舞台とあってはさらに楽しみが増しています。
    素晴らしい演奏会当日にもっていくまでには、作り出す喜びとともに生みの苦しみも伴うと思いますが、体に気をつけてがんばってくださいね☆

  6. ☆konekoさん、ジャンボ!
    日本では学校や警察に柔道が組み込まれていますよね。
    体の鍛錬とともに、礼節を含めて精神面を鍛える柔道が、治安を守る警察や教育の場である学校にも浸透していくといいなと思います。
    >マスーディ選手おめでとうございます。
     ↓
    ありがとうございます!konekoさんのメッセージ、マスーディ選手に伝えますね☆

  7. バラカさん、ジャンボ!
    オリンピック開会式でのタンザニアチームの入場行進、しっかり見ましたよ。黄色いポロシャツ姿が素敵でした。でも、成績はどうだったんだろう・・・?お隣のケニアはかなりメダルも獲得してましたね。タンザニアもスポーツ振興にもっと力を入れることができれば、きっと素質のある若者がいっぱいいるだろうし、スポーツによって若者の間に希望や健全な精神がたくさん芽生えたらいいなと思います。
    ザンジバルに柔道の女子選手がいるとは!嬉しい驚きですね。いつかタンザニアの柔道選手をオリンピックで見られる日がくるといいなぁ。実際、オリンピックへの道は近いのでしょうか?予選など、どのように行われているのでしょうか?

  8. バラカさん ジャンボ!
    皆さん頑張りましたね
    鎖骨を骨折までしていたのに頑張って入賞したアブドゥルサマッドさんには、拍手を送りたいですね
    柔道は、女性にもできるスポーツであるという内容の記事になったので、これから増えるといいですよね
    そして、いつかオリンピックに出れるといいですね
    マスーディ選手おめでとう!

  9. バラカさんジャンボ!
    並みいるアフリカ勢を勝ち抜いて
    タンザニアから陸上と水泳のオリンピック選手が出場したことは
    皆さんの努力が実ったってことですよね。
    でも国内ではあまり大騒ぎにならないんだ?
    ちょっと寂しい・・・。
    国内柔道選手権大会は盛り上がってますね。
    ロンドンオリンピックでは是非柔道でも参加して戴きたいです。

  10. ☆yokoさん、ジャンボ!
    レスが遅くなってごめんなさい。
    タンザニアチームは、残念ながらメダル0での帰国でした。
    柔道は、大陸別の試合(アフリカならオールアフリカゲームズ)や、オリンピック選抜のポイントが獲得できる国際試合などでのポイントが必要です。
    早い話、アフリカ大陸内で上位に入らないとオリンピック参加はできないので、現段階では、かなり厳しく、近い道のりとはいえないです。

  11. ☆tukushiさん、ジャンボ!
    レスが遅くなってごめんさい。
    アブドゥルサマッドは、練習の時から人一倍努力していたので、けがをしたのは本当にかわいそうでした。
    まだ18歳と若いので、怪我も早く完治すると思います。
    マスーディへのメッセージ、ありがとうございます。
    tukushiさんからの言葉、マスーディ選手に伝えます!

  12. ☆ジュマさん、ジャンボ!
    陸上は、毎回オリンピックに参加しているのですが、水泳は初めての参加でした。
    アフリカでは一部の国を除いて、水泳があまり普及していないので、選考規定があまいという裏事情があったようです。
    なにはともあれ、水泳も含めて、タンザニアでもっといろいろなスポーツがさかんになるといいなと思います。
    ロンドンオリンピックに柔道で参加・・・これはかなり厳しく、近い道のりとはけしていえないですが、いつかはオリンピックへ!という気持ちは選手たちも持っています。
    いつのオリンピックになるかはわかりませんが、いつの日か、タンザニアの柔道選手が出場したら、応援して下さいね!

  13. バラカさんジャンボ!
    北京オリンピックの開会式では、
    アフリカの各国の選手がイギリス領としての
    国旗を掲げている国が多かったような気がしたのが
    印象的でした・・・
    ところで、
    タンザニア国内体重別柔道選手権大会
    というのが開催されたのですね(^o^)丿
    皆さんそれぞれに熱い思いを胸に試合に臨まれた
    ご様子が伝わってくるようです。
    73㌔級では、予想外のハプニングで
    アブダラ・アリさんが優勝なさったんですね!!
    きっとすご~く喜ばれたことでしょうね~♪
    マスーディ選手は後日大変輝かしい賞を授与されたのですね~
    おめでとうございます(^o^)丿
    地元 新聞にも掲載され、
    また警察関係にも新たな風が吹き込んだご様子で
    また確実に一歩進まれたような気がしてとっても
    よかったですヾ(@⌒▽⌒@)ノ
    バラかさんもお疲れ様でした♪
    (先ほどはご訪問ありがとうございました。
     ヤフーブログを持っていらっしゃらない方は
     ブログのURLが表示されない仕組みになっており
     申し訳ございません。
     もし必要でしたら、本文の最後にでも
     URLを載せてくださいね♪)

  14. baraka_tanzania

    ☆momoさん、ジャンボ!
    北京オリンピックの開会式は見ていないのでよくわかりませんが、アフリカはイギリス圏、フランス圏、アラブ圏に大きく分かれていて、それによって言語も国全体の雰囲気も違っています。独立前にどの国の植民地にされていたかが、今でも大きく影響しているんですね。
    タンザニア国内体重別柔道選手権大会で、久々に優勝したアブダラ・アリは、おっしゃるとおりすごく喜んでいました。
    ちょっと棚からぼたもち的な優勝でしたからね。
    >マスーディ選手は後日大変輝かしい賞を授与されたのですね~
    おめでとうございます(^o^)丿
     ↓
    ありがとうございます。
    Momoさんのメッセージ、マスーディに伝えますね☆
    URLの件、お気遣いありがとうございます。
    リンクのことはあんまり意識していないのでそのままコメントしますね~。

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