アフリカの民話、どれもとても面白かったです。
堪能しました。
159ページからの由美子さんのエピソードも面白かったです。
あちこちで、いろんな人の語りを聞かれたのですね。
一緒に聞いていた子供達の様子も目に浮かぶようです。
「心臓とひげ」
心臓が空腹でも礼儀正しく挨拶しているのに、ひげに危うく食べられそうになる理不尽も、さりげないポイントかな。
「わがままシモンジャ」
物語を聞く神妙な顔の子供たちが思い浮かぶよう。
「キジの洞穴」
モーゼの十戒フレーバーが面白かった。
「うそつきしゃれこうべ」
このドライ感覚が、アフリカンで好きです。
「もの食わぬ女房」
現実のアフリカ女性の社会的地位が不公平でも、骨太に生きているアフリカのママの息遣いが聞こえてきそう。
「親不幸鳥のチェクペ」
チャリンダ氏の挿絵が素敵。
あと一つ。とても印象に残ったお話として、
「母からのみやげ」
娘の夫が金持ちでも、あえてプロフィットしないで、ココナッツの皮を土産にして娘に会いに行く、
というけな気なシルエット、これもアフリカのママの一つの典型なのかな。
最後に「夫」は、義理の母のために大きな家を建てて食べ物を配給しますが、ここでも「富の委譲」があって、「生産」が見えません。
もちろん、年老いたお義理母さんですから、畑仕事も狩もできないでしょうけど、やはり気候・風土が民族を形成するって、あるのかもしれません。
カラー写真とチャリンダ氏の挿絵の豪華さは素晴らしく、愛おしい本です。
口承が基本ということですが、アフリカ大陸も先進国の波で大切な習慣がいつ風化するか知れず、一部だけでも日本の書棚に保存することができてよかったと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>Pさま
この度は、書籍「アフリカの民話」のご注文をいただき、誠にありがとうございました。
一話一話、じっくりと味わいながら読んでくださったのですね。
チャリンダ氏のティンガティンガ・アートの挿絵も、どれもすべてが描き下ろし、
おはなしと合わせて、目でも楽しんでいただけると思います。
今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
by バラカジャパン