ジャンボ!ザンジバルは、例年以上に暑い、暑い年末2014となっていますが、皆さんの年末はいかがでしょうか?
【通算13回目のザンジバル武道館杯2014】
私たちは、毎年恒例の「ザンジバル武道館杯2014」で、柔道のイベントを締めくくりました。
この大会は、毎年一度の賞品大会として定着して、大会名の変遷はあれど、今回で通算13回目、選手たちが一番楽しみにしている大会でもあります。
【ペンバ武道館チームの初参加】
今大会のトピックスは、ペンバの選手団11名が参加したこと。
ペンバ武道館開館(今年の6月)から数か月の初心者で、当然1回戦敗退がほとんどでしたが、3名1回戦を突破して、復活戦に出場して健闘する選手もいました。
何よりもペンバ島出身者にとって、ザンジバル武道館があるウングジャ島は、ザンジバル本島ですから、日本でいえば、地方から上京して試合をするようなもの。
緊張の中にも、「俺たちは、ペンバ島から出てきたんだ、本島の選手に一泡吹かせてやるぞ」というような気概をもっていたようで、予想以上にファイティングスピリットを前面に出して初陣に挑む姿が、大会に熱気をもたらせました。
(もちろん、ペンバチームからのメダル入賞者は一人も出ませんでしたが)
【波乱の多い大会結果】
大会としては、60㎏優勝候補だったアブドルラッビルが、大会直前に負傷して、出場したものの決勝に上がれなかったり、66㎏の優勝候補が2人とも減量に失敗して、73㎏級に上がったため、73㎏級が激戦区となるなど、波乱の多い大会となりました。
ちなみに、73㎏級は、アブドゥルサマッドと、マンサブの兄弟対決となり、アブドルサマッドが兄としての面目を保って優勝しました。、
各階級の優勝者は、
向かって右から、60㎏ 優勝 アリ ジュマ
66kg 優勝 アブドゥルシャクル ブアイ
73㎏ 優勝 アブドゥルサマッド アラウィ
81&90㎏ 優勝 バルク セレマニ
100㎏ 優勝 マスーディ アムル
これは、各階級の入賞者たちです。
【15歳のタリブ、11連敗で黒星街道のまま年越し】
今年15歳になり、9月から大人の部に上がって以来、まだ勝ち星が一つもない60㎏級のタリブ、今年最後の試合に臨みました。
対戦相手は、ペンバチームの新人相手でしたが、やはり力で押さえこまれて一本負け。(タリブは、なかなか体重がふえず、まだ47㎏のままです)
実に11連敗めと黒星を積み上げており、「大人の部で1勝を上げるのがこんなに大変だとは思わなかった」と言っていましたが、まだまだ気持ちは折れていないようで、ひょうひょうとしています。
試合後は、 「来年は絶対に勝ち星を上げろよ!」と、60㎏の覇者アリジュマ(中央)からも、怪我をしても尚3位に入賞したアブドルラッビル(腕を吊っている選手)からも激励されていました。タリブは、右から二人目
【少年(15歳以下)の部】
今大会は、エキジビジョンマッチとして、少年10名による勝ち抜き戦もしました。新しい子どもたちにとっては初陣、先輩少年たちにとっては久々の試合となり、粋のいい試合となりました。結果は、モハメッドの長男イブラヒムが優勝。
半年前に、一緒にカンナの苗を植えた少年たちのうちの3名も参加。まだ背は小さいのですが、年上の子よりも柔道の先輩として、試合場でなんだか堂々として見えたのが印象的でした。
(咲いた、咲いた、カンナが咲いた記事は、→こちら
)
【メダルと参加賞】
1位から3位までの賞金とメダルの他に、選手たちが楽しみにしている参加賞、今回は、ペンバチーム初参加を記念して、真っ青な海の上に浮かぶペンバ島とウングジャ島がイメージできるよう、地図とザンジバル国旗入りの青いTシャツを用意しました。(女子はスカーフ、少年たちにはボールペン)
【在タンザニア日本大使、岡田真樹氏へ感謝をこめて】
来賓は、在タンザニア日本大使岡田真樹氏と、情報文化観光スポーツ省の情報局局長チュンダ氏、ナショナルスポーツコンセル書記長ハッサン氏。
岡田大使は、今大会が来賓として来ていただく最後の柔道大会となりました。(来年帰任されるため)
岡田大使は、大使というご多忙な職務の中にありながら、気さくにザンジバル柔道連盟主催の柔道大会に来賓として来てくださり、毎回心のこもったスピーチをして選手たちを激励してくださいました。そして、ペンバ武道館建設に至っては、プロジェクト開始から定礎式、落成式に至るまで、さまざまな問題が起きた時も常に、大使としての立場でできる限りのことをしてくださいました。
昨年のザンジバル武道館杯も来賓として来てくださった後、翌日には一緒にペンバ島に飛んで、ペンバ武道館建設現場に視察にきてくださったことも、良き思い出の1つです。
この写真は、2013年12月18日、ペンバ武道館建設現場にて
(昨年のザンジバル武道館杯2013とペンバ武道館建設の様子は、こちらから)
岡田大使は、ペンバ武道館完成後から柔道を始めたペンバ島の選手たちの参加を、とても喜んでくださいました。
岡田大使への感謝をこめて、メダル授与式の後、ザンジバル柔道連盟島岡名誉会長のスピーチで感謝の言葉を述べた後、ザンジバル柔道連盟会長のハジ、副会長モハメッドから、お礼と変わらぬ友情を込めて、ザンジバルチェストを贈呈しました。
【ペンバチームとの合同練習】
こうして、ザンジバル武道館杯は、12月21日に無事終了しましたが、ペンバチーム11名はその後も残って合同練習を続け、12月26日の船でペンバに帰って行きました。
最後の練習を終えた時、
「武道館杯当日、ステージの上に並んでいるメダルを見て、ペンバにもこのメダルを持ち帰りたい!」と強く思ったけれど、そんな簡単にはいきませんでした」
「でも、負けた悔しさより、ザンジバル武道館杯に出て、その後の練習でたくさん学べたうれしさの方が大きいです」
「来年の大会にもぜひ出たいです」
「来年は、ペンバ島にもメダルを持ち帰ることができるようがんばります」
と、口々に、ペンバ弁で言っていました。(スワヒリ語なのですが、ペンバ独特の訛りがあるのです)
2015年は、ペンバチームの活躍にも期待したいです。
みなさん、今年も、ザンジバル、タンザニア、アフリカの柔道を応援してくださり、ありがとうございました。
お体に気をつけて、佳い年末年始をお過ごしください。
島岡由美子
ザンジバル柔道サイトは、こちらです。