アラビア半島の砂漠と海と山の国、オマーンに行ってきました。
ザンジバルの文化的ルーツをたどるためです。
ザンジバルは、昔オマーンの首都だったという歴史を持つアラブ色の強い島国。(タンザニア本土とザンジバル連合で、タンザニア連合共和国。ザンジバルには、政府も国旗も国歌もあります)
現在も、建物や服装、香辛料料理、香りを楽しむ習慣など、生活の多くの場面に、オマーン文化が息づいています。
まずは、サラーラにて、香り文化の原点ともいえる、乳香の道をたどってきました。
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乳香(フランキンセンス)・・・といってもなじみがないと思いますが、ムクロジ目カンラン科の樹木から分泌される樹脂のこと。・・・ますます、何それ?状態ですよね。
私もそうでしたからご安心を。
このような樹脂のかたまりが、「乳香=フランキンセンスで、これを、お香のように焚いたり、水の中にいれて、その水をのむなどして使います。
コーヒーポットの隣(向かって右端)にご注目。このWelcomeコーナーでも、乳香が焚かれていました。
乳香博物館=Museum of the Land of Frankincense
サラーラでは、この地方の議員を務めるアブダラさんが案内してくださいました。
乳香に興味があることを伝えると、まず最初に世界遺産に指定されているアル・バリード遺跡にある乳香博物館をすすめてくださいました。
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海岸沿いにある博物館の中庭に、乳香フランキンセンスの木が
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建物の外にも、乳香フランキンセンスの木が海岸際まで続いていました。
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花と実
乳香(フランキンセンス)の花は、かわいい黄色の小さな花でした。
乳香(フランキンセンス)の実は、ころころしていました。
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といっても、乳香(フランキンセンス)は、樹液からとる樹脂なので、だれも、花や実には関心がないようです。
博物館の中では、実際に乳香を焚いて、香りをかかせてもらえました。
英名フランキンセンスは「聖なる香り」という意味からつけられているとおり、 微かに柑橘系のような爽やかさもある、上品で落ち着いた香りでした。
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ところで、一体どのように、樹液をとるのでしょう?
せっかくなので、自生の乳香の木から採取されるところを見てみたいですとお願いすると、アブダラさんが、今度は、山の方に連れて行ってくださいました。
いかにも、アラブの国という感じの風景を眺めながら、山道をどんどん車で上がっていくと、すばらしい絶景が広がり、
その山の傾斜部分に、点在する自生の乳香(フランキンセンス)の木々が!
そばによってみると、
ごつごつした木の表面には、傷つけられた跡が、
白い点々が見えますか?これが、じわじわと出てきている樹液で、これがかたまると、樹脂、つまりこれが、乳香(フランキンセンス)なのだそうです。
ちなみに、かんでみると、味はなく、ねちゃねちゃと歯にくっついて、閉口しました(笑)
自生の乳香(フランキンセンス)の木をみることができて大満足。
それにしても、この険しい山に、今のような道路がなかった時代は、乳香を採るのは大変な作業だったでしょうね。
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乳香の道をたどる
サラーラから75km離れた場所にある、乳香の積み出し港、サムフラムの遺跡に行ってきました(ここも、世界遺産に指定されています)
オマーンでは、紀元前から紀元後5世紀ころまで、エジプトやローマやインドなどに向けて乳香の輸出が行われていたそうで、その積み出し港の町自体が遺跡になっていて、井戸の後や、乳香の倉庫などもあって、当時の生活がそのまま遺跡としてのこされていました。
乳香は、その当時、エジプトではミイラ作りに、ローマでは神聖な宗教儀式に用いられ、黄金と同じぐらいの価値があったそうです。
遺跡に立っていた地図の経路は、東インド洋をとおって、アフリカの南部まで。
もちろん、ザンジバルも経路に入っています。
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乳香(フランキンセンス)市場
ここでは、様々なタイプの乳香、お香、香水、精油などなど、様々な香りグッズが売られていて、どの店でもお香をたいているので、異国情緒たっぷりな空間になっていました。
香り文化がいっぱいのオマーンにサラーラ地方は、ココナッツが生い茂り、果物が豊富といった、ザンジバルとの共通項もいっぱいで、なんだかなつかしくなる場面がたくさんある旅でした。
今日の便りは、サラーラ産の乳香を焚きながら、オマーンの香り文化の代表「乳香ーフランキンセンス」について綴りました。
しまおかゆみこ
次回は、オマーンの香り文化&食文化について、お伝えしようと思っています。
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☆2018年も、GW~5月は、バラカ主催ティンガティンガ展があります。
みなさま、横浜・名古屋でお会いしましょう!
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バラカのティンガティンガ原画展2018@横浜・名古屋
「しあわせのなる木~アート50年&出版記念展」
第9回横浜展 4月27日(金)~5月6日(日)
会場:ギャルリーパリ@日本大通り
第11回名古屋展 5月18日(金)~5月27日(日)
会場:妙香園画廊@栄の大津通り
日時、場所、地図は、こちら
見所、現地での製作風景などは、こちら
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「乳香(フランキンセンス)の道~オマーン王国サラーラにて」への7件のフィードバック
バラカさん、ジャンボ!ご無沙汰しています。
ザンジバルとオマーンにはそんな歴史があったのですね。興味深いです。こうやって訪問された国、場所を詳しく教えていただけると嬉しいです。
島岡会長、伝統衣装が良くお似合いですね。
ハリーマさん、ジャンボ!
いつも丁寧にブログ記事を読んでくださり、うれしいです、ザンジバルとオマーンには切っても切れない深い歴史があります。ということを長い間効いてはいたのですが、オマーンに行ってみて、さらにそれを実感しました。 次は、続編として、食文化つながりもご紹介しますのでお楽しみに。 民族衣装のカンズーへのご注目もありがとうございます。このカンズー1つとっても、アラブの中でも、オマーン風だとか、サウジ風だとかいろいろ形があって、よく見ると袖や襟が違っているんですよ。ザンジバルの男性はオマーン風のカンズーをきている人が多いです。
乳香…どんな香か興味があります♪
フランキンセンスの花は、ちょっとテリハボクの花に似てますね。かわいいクリーム色の小さな花。
葉っぱは似てないですけどね。
我が家では今、トウワタが満開です。
無有さん★ジャンボ!
乳香は、甘いというよりさっぱりした感じの香りでした。 たしかに、テリハボクの花をもっと小さくしたみたいな感じです。
トウワタ、小さい花が集まって咲いてかわいい花ですよね。今満開なのですね。お庭がいっそうにぎやかになっていることでしょう。
はじめまして😊オマーン
オマーン大使館で大使様やご一行様がたの香りがとても心地良かったのを思い出します。私は樹脂フランキンセンスをいつも使用!ボジャリは水に入れたり、来年はこの街道やフランキンセンスの旅をしてみたい!この目で見てみたい!採れたてを嗅ぎたい~様々な国のフランキンセンスを嗅ぎ分ける毎日です。
sakuraさん、ジャンボ!せっかくコメントいただいていたのにレスが遅くなってすみません。 オマーンでは、男女ともに、香りを日常生活にとりいれていますよね。 フランキンセンスの旅、いいですね。各地の乳香について私も知りたいです!