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ザンジバル製のカゴ「ムコバ」は、ウキンドゥ(ヤシ)から

ザンジバル製のカゴのことを、スワヒリ語で、ムコバといいます。
(正確には、ムコバMkobaが1つのカゴ、複数になるとミコバMikoba)

ムコバは、ウキンドゥというヤシの葉で編んで作られています。
【ゴザやカゴを編む材料~ヤシ(パーム)の葉】
さて、ここは、ザンジバルタウンから車で小一時間離れた、ウングジャウクー村。
屋根がついているだけのオープンな小屋に、近所の人たちが集まって、雨宿りをしながら、わいわいにぎやかです。
女性たちが手にしているのは、カゴやゴザを編む材料のウキンドゥの葉。ヤシ(パーム)の一種。まだ若い葉っぱだけを切り取って使うのだそうです。私たちも、一緒に雨宿りをして、雨がやんでから、ウキンドゥが生えている場所まで連れて行ってもらいました。
【ヤシには多くの種類があって、用途も様々です】
この小屋の屋根も、ヤシの葉で葺かれていますが、ウキンドゥとは別の種類のヤシ(パーム)。このヤシは、ココヤシといって、みなさんがヤシ(ココナッツ)でイメージする、まっすぐで高いココナッツの木につく葉っぱを使っています。
ヤシ(パーム)には多くの種類があるので、木の形状も葉っぱや実の形も、種類によって違うし、生活の中で、いろいろな使われ方をしています。
ザンジバルは、別名ココナッツアイランドとも呼ばれるほどココヤシが多いのですが、その他のヤシの木もたくさんあるんですよ。
【ハラカハラカ ハイナ バラカ!】
村についたら、すぐにでもウキンドゥの木を見に行きたかったのですが、雨が降ってしまったので、まずはここで、雨宿り。にぎやかなおしゃべるとともに、ウキンドゥを手にしたゆったりした女性たちのしぐさと、雨でも楽しげに過ごす子どもたちを見ていて、「ハラカハラカ ハイナ バラカ」(急ぐ人には幸福がめぐってこない」という言葉を思い出しました。

小屋の裏手では、人間だけではなく、ヤギも静かにたたずんで雨宿り。

雨は小一時間でやんで、青空が広がって、ほっ。
さっそく、ウキンドゥを見に、森へ案内してもらいました。
【カゴを編む材料になるヤシの木を見に行こう!】
雨は小一時間でやんで、青空が広がって、ほっ。
さっそく、ウキンドゥを見に、森へ案内してもらいました。
「すぐそこだよ」

と言われて、歩き始めましたが・・・なかなか着きません。

「まだですか?」→「すぐそこだよ」この会話が何度か続いた後に、「この木だよ」とウキンドゥ(椰子の木の一種)を指さしていいました。
さて、ゴザやカゴを編むのに使うヤシの木は、どれでしょう?

ヒント:このヤシの木は、低木です。
【カゴを編む材料になるヤシの木は、この、ごしゃごしゃっとした木です】

これが、カゴやゴザを編むのに使われるヤシの木。
ココヤシ(ココナッツ)は何十メートルにも高く高く伸びますが、この種のヤシは、低木で、葉がごしゃごしゃとついています。
固くて鋭いとげがはえているので、慎重に葉っぱを分け入り、編むのに適した若い葉だけを選びます。
うっかり触ると、とげがひっかかって痛い!!!!のです。

ごしゃごしゃとたくさんついている葉が、全部材料として使えるのかと思ったのですが、カゴやゴザの材料にするのは、まだ開いておらず、色も薄くて白っぽい、若い葉っぱだけしか使わないのだそうです。だから、こんなにたくさん葉があるのに、ほんのわずかしか採ることができません。

まだぴっちり閉じた葉を、手でしごいて開いて集めていきます。
子どもたちも、笑顔でお手伝い。

こうやって集めた葉を、お日様でよく乾かしてから、カゴやゴザを編みます。
【男性も、カゴをもってお買いものするのがザンジバル流】
編み手は女性たち。使うヤシの種類によって、編み方やカゴのパターンが違ってきます。ザンジバルの市場には、こうして編まれたカゴやゴザが日常的に売られています。
ここでは、男性が買い物し、家に運ぶという役割分担の家庭も多いので、男性もみんな買い物籠をぶら下げて歩いていますよ。

日本でも、私が子供のころは、誰もがそれぞれ買い物カゴをもって、市場に通ったものですが、スーパーができたころから、家庭の主婦が、カゴをもたないで買い物に行くようになったように思います。
私も、いつもこのザンジバル製のヤシのカゴをもって、買い物に行っています。気軽にどかどか入れられるし、丈夫で長持ちするので、とても気に入っています。
『1400年代から編まれていた伝統工芸品』
ところで、ウキンドゥというヤシ製の編み物グッズは、カゴ(ムコバ)だけでなく、ゴザ(ムケカ)、食べ物のハエよけカバー(ムカワ)、キペペオ(うちわ)などいろいろありますが、歴史をさかのぼると、1400年代からすでにザンジバルで作られていたそうです。
へ~、そうなんだ、とあらためて、ザンジバルの伝統工芸としてこのカゴをみてみると、編み手によって、デザインもいろいろあることに気づき、手仕事の技を感じますし、見ているだけで楽しくなってきます。

美しく、丈夫で、いっぱいものがいれられるムコバは、カンガ(布)と並んで、私のザンジバルライフに欠かせない実用アイテムです。
みなさんもぜひ使ってみてください。
                しまおかゆみこ
 

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