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タンザニア甲子園2022 野球、ソフトボールともに銀メダル

師走も半ばを過ぎ、いよいよ2022年も残り少なくなってきましたが、いかがおすごしでしょうか。

サッカーW杯で沸く日々の中、私の方は、柔道、野球、ソフトボールの応援のはしごでをしていましたが、まずは2022年12月11日~14日にダルエスサラームで開催されたタンザニアコーシエンこと、タンザニア野球&ソフトボール大会の、すこぶる暑く、熱い戦いが終わりました。

<野球の結果 タンザニア流の落としどころ?>

野球は10チームで競い合い、ザンジバルチームは、完封続きで勝ち上がりましたが、準決勝で宿敵アザニア(ダルエスサラーム)に1点差の5-6で負けて決勝に進めず3位に終わりました。

が、タンザニア国内としては準優勝ということで、表彰式では銀メダルを授与されました!!

というのも、今大会には、なんと、南スーダンからきたチームが本選リーグに突然参加することになって、しかも彼らが上手くて、あれよあれよという感じでタンザニアの各チームを撃破して決勝進出を決め、決勝戦も圧勝してしまったのです!

 とはいえ、タンザニアコーシエンを謳っている大会ですから、表彰式ではタンザニア国内チームのみにカップやメダルの授与がされることになり、ザンジバルが準優勝で銀メダル、4位だったドドマが3位の銅メダルをかけてもらっていました。

 こういうところは、タンザニア流の落としどころというのか、ハクナマタタ(ノープログレム)精神でしょうか?

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<圧倒的に強かった南スーダンチーム>

私たち島岡は、最終日にあわせてダルエスへ行ったので、南スーダンVSアザニア(ダルエス)決勝戦の一部を見ましたが、南スーダンチームは、タンザニアの選手たちと並ぶと群を抜いて長身揃いで、まるでバスケ集団のようでした。バッティングも見事で力強くボコボコ打ちまくり、サウスポーのピッチャーの速球や変化球でアザニアを翻弄していました。

 とにかくアザニアがやられっぱなしなので観客席もし~んとしてしまって気の毒なほどでした。第10回大会という大きな区切りのタンザニア野球大会で、外国チームに優勝を持っていかれたのは無念だったと思いますが、逆に、タンザニア国内のレベルを思い知ったのはよかったのかもしれません。一歩外に出たら、自分たちより強いチームがわんさかいるという現実を知ることから次の段階に進めるものですものね。

その点では、すでに秋に日本で、自分たちのレベルを思い知って帰ってきたばかりのザンジバルチームだけは、南スーダンがいいプレーをすると声援していました。

また、これは大会終了後に知ったのですが、南スーダンチームの4人はウガンダで活躍していた選手とのことでしたので、それなら群を抜いて上手いのも納得です。ウガンダはアフリカ内では野球の強豪国ですから。

(アフリカ大陸内では、他国に出稼ぎに行ったり、難民としてわたったりして、その後いろいろな理由でまた自国に戻っていく人も多いです)

閉会式  南スーダンの国歌と、タンザニアの国歌が、グラウンドに響き渡りました。
タンザニア野球連盟の新しい会長より挨拶
締めのスピーチを受け持った島岡名誉会長からは、試合に勝つには地道な練習しかないことと、日本の方々からいただいた野球道具をもっと大切に使うことを促しました。
表彰式では、最初に、南スーダンチームの大健闘を称え、
優勝カップと金メダルは、アザニア(ダルエスサラーム)チームの手に
ザンジバルチームは、銀メダル、ドドマチームには銅メダルを授与されました!

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<ソフトボールは、2連覇ならず準優勝>

女子ソフトボールは6チームで競い合い、2連覇をねらった本土入りしたザンジバルは、1回選 11-3でキベンベ、2回選ナショナルチームが揃ったホンドゴチームに10-7、3回選サンヤジューに17-5で勝ち上がりました。

決勝戦では再度ホンドゴチームとの対戦となり、接戦の末5-6で負けて、準優勝でした。

閉会式の後、集合写真、パチリ。

<ソフトボール女子 2023年6月ウツギカップ出場メンバー発表>

女子ソフトボールは、今年も日本からいらしているコーチ合田智子さんと元社会人ソフトボール選手の柴田さんのお二人(J-ABSさんとして)で、大会終了後2日間にわたって指導してくださり、その中で来年6月に高崎市で開催される宇津木カップというソフトボール大会に出場するタンザニアナショナルチームの選抜がおこなわれ、ザンジバルから6名が選ばれました。

この大会の招待チームとしての日本行きについては、コロナ渦の中で大会が延期になっている関係で3年にわたって毎年ナショナルチームの人選がおこなわれていますが、来年6月こそは日本行きが実現しますようにと今回選ばれた選手たち全員が祈っています。

最後に合田さんから、「選ばれた人も選ばれなかった人も、それぞれの場所に戻ってたゆまぬ努力をして、来年また来た時に練習の成果を見せて下さい」という言葉をいただき、

合田智子さんと柴田さんを囲んで、アサンテ・サーナ(ありがとうございました)の集合写真、パチリ。右端はタンザニア野球連盟ムチンビ書記長
「タンザニアナショナルチーム」のメンバー発表時、TaBSAムチンビ書記長から、名前を呼ばれて喜ぶソフトボール女子たち。

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<惜敗の経験が人生に生きる>

今回も大会現場ではいろいろなハプニングがありましたが、ザンジバルは、野球、ソフトボールともに、銀メダルを胸に下げ全員揃って元気にザンジバルに帰ってきました。

出発時には、今年こそは、男女そろって優勝だという強い気持ちで海を渡りましたし、特に、野球男子は、秋(10月下旬~11月中旬)日本(山形、沖縄)に野球&文化交流に行った際に、各地で鍛えていただいたのに結果及ばずではありましたが、ザンジバル野球・ソフトボール連盟名誉会長の島岡曰く、

「野球もソフトも、最後まで望みを捨てず、どちらも最終回に1点差まで追い上げた点はほめてやりたい。

きっとこの結果は、今後のプレーにも、各々の人生にも生きることだろう」

とのことでした。 私も心からそう思います。

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ザンジバルを出発した日、「行ってらっしゃい サファリ・ンジェマ 」と送り出しました。

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<試合前の合宿で>

大会前、男子はザンジバル武道館に泊まり込み、女子は町の選手の上に分宿しながら合宿をおこないました。

そういえば、ある日の練習@ザンジバルで、ソフトボール女子に、

なんの拍子だったか忘れましたが、「ソフトボール、🥎好きなの?」と聞いたら

いつもすまして、すんとしているお嬢選手が

「サ~ナ!(すっごく好きよ)」と返してきました。

しかも、「こんなに好きになったスポーツは初めて」ですって。

ふだんおすまししている彼女から、そんな答えが返ってきて、聞いた私の方がちょっとびっくり。

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紙で作ったボールを使って打つ練習

環境がどうであれ、スポーツを愛し、楽しみ、熱中する気持ちは万国共通ですよね。ザンジバル@タンザニアには、女子のスポーツ自体が少なく、女子の活躍の場がとても少ないので、ソフトボール女子たちが増え、楽しみ、そして、輝けますように。

ザンジバル野球&ソフトボールの今年の大会参加は終了で、また地道な練習に戻ります。

今年も熱き応援ありがとうございました。

                           島岡由美子

 

    

「タンザニア甲子園2022 野球、ソフトボールともに銀メダル」への4件のフィードバック

  1. 銀メダルおめでとうございます
    野球、ソフトボール共に銀メダルは素晴らしい快挙ですね。
    これからが益々楽しみです。

    1. バラカ・タンザニア

      安齋美知子さん野球、ソフトボールに、あたたかいエールをありがとうございます。まだまだこれからです。楽しみながらも地道に練習して、試合もがんばって、野球、ソフトボールというスポーツがあることをほかの若者にも伝えてほしいです。

    2. 島岡さん、ご無沙汰しております。タンザニアでは大変お世話になりました。柴田です。
      合田さんと一緒に、私まで色々と助けて頂き、大変感謝しております。
      もう1か月経つんだなぁと思うと、時間が過ぎるのはとても早く感じます。あれからすぐ「我が志アフリカにあり」の2冊を読ませて頂きました。そこでアフリカフェの事を知り、このブログに辿り着きました。
      いつか恩返しに、ザンジバルへ行かせて頂きたいと思っております。
      宇津木カップの時ですかね?島岡さん達にお会い出来るのを楽しみにしております。

      1. バラカ・タンザニア

        柴田薫さんコメントいただいていたのにレスが遅れてすみませんでした。 12月の野球&ソフトボール大会の際は、たくさんご指導くださりありがとうございました。
        ザンジバルのソフトの子たちは、今もはりきって練習しています。ぜひ次はザンジバルまでいらしてくださいね。柴田さんがいらしてくださったら、ソフトボール女子たち喜びます!!   
        GWから宇津木カップの時期まで日本に行く予定なので、まず次は日本でお会いしたいです♡

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