今年も、長井マラソンに参加するタンザニア代表チームに同行して、長井市@山形に来ています。
★長井市@山形は、東京オリンピックの時のタンザニアのホストタウンで、数年前に、長井市役所の方々から、タンザニア五輪委員会との調整役を依頼されたときからのご縁が今も続いていて、今年も長井マラソンに参加するタンザニアチームに同行してきました。
チームが成田空港に着き、長井市役所の方々に迎えていただいたのがすでに夜。
そのまま空港から大型バスで移動して山形県長井市に着いたのは真夜中というより明け方ぐらいだったのですが、そこでもまた市役所やホテルの方々が玄関で待っていてくださり、あたたかくむかえていただきました。
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翌日(というかその日)は、長井市役所に表敬訪問、内谷市長はじめ、市役所の方々総出で歓迎してくださり、
いつもながら、長井市の方々のアットホームなおもてなしに心があたたかくなり、
「NAGAI長井に帰ってきた」という気がしました。
きっと、タンザニアチームの面々にもそのあたたかさが伝わっていると思います。
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長井マラソンは、WA公認&日本陸連公認コースのマラソン大会です。(★WA=世界陸上連盟)
タンザニアからは、昨年のフルマラソン覇者、ファビアーノ・ナアシ選手が、二連覇を目指して日本入りしているのをはじめ、男女とも、フル、ハーフもメダルを目指して選手6人(男子4名 女子2名)、そして、現役時代、別府マラソンや琵琶湖マラソンで優勝したこともあるサムソン・ラマダン氏が監督、そして、特別ゲストとして往年のマラソンスター選手、イカンガー氏の8名が来ています。
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フランシスコーチの急逝に、みんなで誓ったこと
歓迎会では、内谷市長の心のこもった歓迎スピーチで始まり、イカンガーさんは、マラソンはじめ、スポーツというのは、競い合うだけでなく、互いに友情が芽生え、人と人、地域と地域、国と国の交流が深まり、縁を結ぶものとスピーチしました。
島岡からのスピーチには、みんなで力をあわせて、長井マラソンをもっと国際的なものにしていきましょうという発展的なこととともに、悲しい報告もありました。
実は、昨年チームを率いてきたフランシスコーチが、春に急逝(交通事故で本当に突然の訃報でした)され、タンザニア陸上界は深い悲しみに包まれたのです。
フランシスコーチはラマダン現コーチや東京マラソン覇者ゼベダヨ・バヨ、そして最近では東京オリンピックで7位、今年の東京マラソンで3位だったシンブ選手など、数多くの世界の舞台で活躍する名選手を育て、選手からの人望も厚く、タンザニア陸上連盟の会長も務め、長年タンザニア陸上界をけん引してきた方でした。
私たちが訃報を聞いて駆けつけたフランシスさんの自宅(アリューシャ)の庭には、彼の真新しいお墓があり、ああ、現実だったと悲しみがこみあがる中、頭を垂れ手を合わせてきました。
家の離れには、選手たちが寝泊まりできる合宿所も用意されていて、そこで選手たちの(タンザニアだけでなく、近隣国の選手まで預かって)衣食住の面倒を見ながら、大切に育ててきたそうです。
タンザニア陸上界は、そんなフランシスさんを失ってしまいましたが、今も、タンザニア陸上界のメッカであるアリューシャでは、彼が育たコーチ陣やマラソン選手たちが一丸となってがんばっており、今年の長井マラソン代表団も、フランシスコーチの思いに報いるためにも、悲しみを超えてみんなでがんばっていこうという意思統一をして日本入りしています。
島岡から、長井市民の皆様にそのような報告をして、会場の皆様とフランシスさんに黙とうを捧げました。
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フランシスさんと島岡は、陸上と柔道と分野は違っても相通じるものがあり、アフリカ大会やコモンウェルス大会などでタンザニアチームの一員として顔を合わせるたびに友情を深めてきた20年来の盟友でしたので、突然の訃報を受けたときは信じられない、信じたくない思いでした。
しかし、アリューシャにあるフランシスさんの自宅にお悔やみに行き、家族や選手やコーチ陣とあって、訃報が現実だったことを受け止め、彼の人となりをあらためて知り、思いを深くしています。
タンザニア陸上界の発展と、選手たちが陸上でがんばることで、生活も向上できるようにと心から願っていたフランシスさんのことを忘れず、彼が今年も楽しみにしていた長井マラソンの舞台で、選手たちがいい走りを見せてくれることを祈っています。
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そんなことを乗り越えて、よけいにチームワークも抜群のタンザニアチーム2023。
2023年長井マラソンは、10月15日です。ご声援、よろしくお願いします!
長井市@山形にて 島岡由美子
10月21日追記☆イカンガー氏の講演会
大会前には、イカンガーさんの講演会もおこなわれ、チーム全員で聴きに行きました。内谷市長、在日タンザニア大使館からもルヴァンダ・バラカ大使からのスピーチもありました。
イカンガーさんは、ご自身の生い立ちからマラソン選手になって活躍し、現在はタンザニアで陸上チームを作り選手の育成をしながら、女性アスリートの向上のため、日本のJICAと力をあわせてレディースファースト大会をされています。その二つを軸に講演が進みました。終了後の質問タイムには、「30年前からずっと聞きたかったことなのですが、イカンガーさんは最初からトップを走るタイプ、当時何度もデッドヒートを繰り広げた瀬古選手は、最後の方にスピードをあげて抜ききるタイプ、最初の競り合いで最後のトラックで抜かれたときはどう思いましたか?」
という質問も出たりして、会場全体が、イカンガーさんの活躍していた30年前に戻ったような気分になってお聴きになられたではないでしょうか?
★野球交流パネル、見~つけた!
歓迎パーティの会場には、昨年の長井マラソンでの交流パネルとともに、同じく昨年10月のザンジバル野球チームとの野球交流のパネルも飾られていました。今年も長井市に行くことを言ったら、野球の面々からも「長井市のみなさんによろしく!」と言われていたので、このパネルのことを伝えたら喜ぶことでしょう。