ザンジバルの香り&食文化のルーツをたどる、オマーンの旅その2です。
乳香(フランキンセンス)の木をたっぷり見た後は、オマーンの首都マスカットへ。
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マスカットでは、友人のナソロさんに会いに行きました。
ナソロさんとは、25年前に、北京の空港で偶然出会ったのが縁です。私たちがザンジバルに住んでいて、ナソロさんも、16歳までザンジバルにすんでいたということがきっかけで親しくなりましたが、オマーンでお会いしたのは今回が初めてです。
であった当時は、ナソロさんが、オマーンの王様の中国語の通訳をされているときでした、それから25年、今も外務省員として活躍されていました。次に大使として外国に赴任するまでの期間はオマーンにいると連絡がきたので、会いにいってきました。
マスカットでは、自宅に招いていただき、奥様の美味しい手料理をご馳走になりました。
オマーンの家庭料理
香辛料たっぷりのピラウにカチュンバリ、甘い麺のお菓子・・・まさにザンジバルでのご馳走と同じメニュー。
オマーンの影響がザンジバルの食文化にも大きな影響を残していることが、ここでもわかりました。
オマーンは、レストランは多いのですが、なかなかこのようなオマーンの家庭料理を出すお店はないので、とても貴重な機会でした。
甘い焼きそばのルーツは、オマーンにあり
羊の煮込み料理の手前にある麺・・・これは、砂糖でいためた麺、いわば、甘い焼きそばのような料理です。
これ、ザンジバルでも同じようなのがあるんですよ。
見た目が焼きそばっぽいだけに、日本人的には、てっきり塩焼きそばだと思って、喜んで食べたら・・・砂糖味 しかも、カルダモンというちょっとくせのあるスパイスもはいっていて、・・・これはだめだとギブアップした思い出がよみがえってきました★
ザンジバルの人たちが、この料理は、オマーン風といっていたのですが、まさにこの味付けでした。やっぱり、ルーツはオマーンだったのですね。
ちなみに、学生時代に読んだアラビアンナイトの民話集にも、注釈で、アラブの甘い麺の菓子 というような記述があって、やけに印象に残っていたのですが、これがうさわの甘い麺のルーツだったのかとむすびついて、うれしくなりました!
・・・が、やはり、私は、麺には砂糖をまぶしたくないなと思ってしまいましたが★
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デザートは、ナツメヤシとプリン
たっぷりの食事のあと、少し歓談してから、今度は、豪華なデザートタイム。
ここにも、ザンジバルの家庭でも根付いているプリン、そして、ザンジバル人がこよなく愛するダーツ(なつめやしの実)がたっぷり。
ナソロさんのご自宅で。
リビングの壁に、奥さんと娘さんの、民族衣装での記念写真が飾ってありました。
ナソロさんのお母様は、生後数ヶ月のときに、まさにダウ船、季節風に乗ってダウ船で、ご両親といっしょにザンジバルに渡って50年以上住んでいたそうです。
1964年のザンジバル革命で、町にすんでいたアラブ人の多くが脱出した際も、町から離れた村での生活は、とくに怖いことはなかったそうで、そのまま住んでおられたそうです。
今でも、キテンゲの服を着て、カンガを巻いて、ザンジバルでの生活をなつかしそうに語ってくださいました。
そういえば、カンガや、キテンゲに似た布も、オマーンの市場で売られていました。
服飾文化も影響しあっているのですね。
それにしても、季節風に乗って、ダウ船での航海と聞くと、いったいどんな昔かと思ってしまいますが、数十年前までは、あたりまえに行き来していたのですよね。
実際、私が30年前にザンジバルに住むようになった当時は、まだザンジバルとダルエスサラームを結ぶスピードボートなどない時代だったので、ダウ船で10時間ぐらいかかって移動というのがあたりまえでしたし、ザンジバルでは今でもダウ船が現役で使われていて、アラブまで航海している船もあるそうですよ。
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別れ際には、香りの贈り物
帰り際に、奥さんから私だけが別室に呼ばれて、何かな?と思っていたら、いい香りのお香を私のそばにもってきて、移り香が楽しめるように焚きこめてくださいました。
そして、バラ水や、香水をしゅっしゅっと吹きかけてくださったり、・・・
「オマーンの女性は、こうやって、別れ際に、いい香りで送り出すものなのよ」
と教えてくださいました。
すてきな習慣ですね。
ナソロの奥さんセレクトのなんともよい香りに包まれて、幸せな気持ちでお別れしました。
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ラクダ料理を食べよう!
アラブと言えば、ラクダと砂漠のイメージもありますね。
オマーンも、山あり、海あり、砂漠ありの国ですので、月の砂漠を~は~るばると~♪と歌いたくなる景色もあちこちにありました。
そして、おまちかね(?)のラクダ料理もたっぷり。
ラクダ料理は、さすがにザンジバルでは食べられませんので、人生初でした。
煮込み、焼肉、揚げ肉、干し肉・・・いろいろな料理をいただきましたが、とくに臭みもなく、とてもおいしかったです。
これは、ラクダ肉を、石焼にしているところ。
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ラクダのミルクも、ほんおり甘くておいしかったです。
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香り文化に食文化をご紹介しましたが、このコーヒーや乳香が置かれているアラブチェストも、アラブの昔からの文化ですが、これも、ザンジバルのお土産として定着しています。
ダーツ(なつめやし)と並んで、ザンジバルで、日常から冠婚葬祭のときまで欠かせないお菓子ハルワも、オマーンがルーツ。
この建物は、まさに、ザンジバルのオールドタウンの中にある建物と同じ作りでした。(これは、アブダラさんのおじさんの家@サラーラ)
木造船作りや、建築方法などなど、オマーンの文化や技術が、今でもザンジバルにたくさんのこっていて、逆にオマーンの近代化によって、すたれてきている木工技術などは、まだまだ手仕事が残っているザンジバルで受け継がれているという部分もあるんだなということも、思い返すオマーン訪問になりました。
オマーンのいいところをたくさん知ることができたのは、ナソロさん@マスカット、アブダラさん@サラーラのおかげです。感謝いっぱいで、ザンジバルに帰ってきました。
しまおかゆみこ
★人々がとてもおっとりしていて、オマーン滞在中、車のクラクションをほとんど聞かなかったのも驚きでした。
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☆2018年も、GW~5月は、バラカ主催ティンガティンガ展があります。
みなさま、横浜・名古屋でお会いしましょう!
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バラカのティンガティンガ原画展2018@横浜・名古屋
「しあわせのなる木~アート50年&出版記念展」
第9回横浜展 4月27日(金)~5月6日(日)
会場:ギャルリーパリ@日本大通り
第11回名古屋展 5月18日(金)~5月27日(日)
会場:妙香園画廊@栄の大津通り
日時、場所、地図は、こちら
見所、現地での製作風景などは、こちら
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「ザンジバルの香り&食文化のルーツをたどる、オマーンの旅その2」への2件のフィードバック
バラカさん、ジャンボ!
オマーン旅行記第2弾、ありがとうございます。
ナソロさんのお宅、素敵ですね。おもてなしの御料理にデザート、美味しそうです。でも甘い麺は私もちょっと苦手かも。
オマーンの布も動物や花がモチーフになっているのですね。ほぼ同じようにみえます。
ラクダ肉の料理、美味しいときくと食べてみたいと思う食いしん坊。日本でも食べられるお店が出来るかしら。
ハリーマさん★ジャンボ!
オマーンの様子第二弾も丁寧によんでくださりありがとうございます。
オマーンの布、これで、言葉がはいっていたら、まさにカンガというのも多かったです。 言葉入りのカンガも1つのオールドマーケットの中で見つけました。 らくだ肉は、やわらかくて、くさみも気にならずほんとおいしかったです。