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アフリカ製品プロジェクト10年めの選択~コーヒー農家とアフリカフェ

私たちが、アフリカフェを、タンザニアから日本に向けて輸出を始めて、11年目になります。
アフリカフェは、タンザニアで実に40年以上の長きにわたって愛飲されているインスタントコーヒー。原材料ではなく、製品の輸出でタンザニアに外貨を入れて、経済活性化の一翼を担おうというアフリカ製品プロジェクト代表者島岡強の志の元、輸出品第一弾として日本に紹介し始めて以来のことです。
おかげさまで、アフリカフェはこの10年でかなり日本で根付いてきて、アフリカフェじゃないとコーヒーを飲んだ気がしないとおっしゃってくださるような熱烈な愛飲者様も多くなってきています。しかし、缶入りのため、中身が見えず、インスタントコーヒーということがわかりにくい、ふたの部分のアルミ部分が切りにくいなどという理由で販路が限られ、伸び悩んできたという一面もありました。

私たちは、アフリカ製品輸出プロジェクト10年を機に、昨年6月、インスタントコーヒー製造元タニカ社(TANGANYIKA INSTANTO COFFEE COMPANY LTD)の本社と工場がある、タンザニア最北西部、タンガニーカ湖のほとりにあるブコバに行き、コーヒー農園と本社訪問をし、今度は日本のニーズに合わせた形態にしてみようと話し合い、今まで同様、缶入りも販売しながら、日本向けに瓶詰め、詰替え用を作る運びとなりました。
アフリカフェに使用されているインスタントコーヒーは、タニカ本社のあるブコバという地方で栽培されたコーヒーです。
タニカ社は、初代ニエレレ大統領時代、おいしいアフリカのコーヒーを、アフリカ人の食卓にというスローガンのもとに建てられた、当時は東アフリカ唯一のインスタントコーヒー製造会社で、設立以来40年以上にわたって、インスタントコーヒーを造り、タンザニア国内はもちろん、東アフリカをはじめ、ヨーロッパ、中東、そして日本にインスタントコーヒーを輸出しています。

タニカ社のあるブコバ地方は、コーヒーとバナナの里。
主食のバナナやその他の木々をシェイドツリーとして、換金作物であるコーヒーの木を一緒に混栽する自然の土壌形態を壊さないアグロフォレストリー栽培というのが、ブコバでのごく一般的なコーヒー農園のあり方で、大規模なプランテーション形態ではなく、小農の集まりというのも特徴です。
また、ここブコバ地方は、昔からコーヒーノキが自生していた土地で、今のようにコーヒーを飲料として飲む以前から、コーヒーの実をゆでて、乾燥させたものを食べていたという独特の珈琲文化を持つ土地です。
今回のブコバ訪問は、私たちにとって3回目(2000年、2001年に続いて)だったので、1、2回めの訪問時に会ったインスタントコーヒー工場や、コーヒー農家の人たちとの懐かしい再会が多く、話が弾みました。
そして、タニカ社は、地元のコーヒー農家としっかり結びついた形態のインスタントコーヒー製造会社であること、それぞれのコーヒー農家では、農薬も使わず、自然に逆らわない栽培法を続け、丁寧に手積みをし、選別をしている過程も見ることができ、11年目に入るアフリカ製品プロジェクトのシンボル商品としての価値はますます上がっていると確信することができました。

赤いコーヒーの実だけを手摘みし、

天日に干して乾燥させ、

コーヒーの皮を取り除き、

石やごみを丁寧に選別して、スクリーンにかけるところまでは、コーヒー農家と地元のコーヒー協同組合の人々がします

 「そこからは、俺たちに任せとけ!」と胸を張るインスタントコーヒー工場の人々

この高い乾燥塔が、タニカ社のシンボル、ここで、美味しいインスタントコーヒーが製造されます。
自分達が栽培したコーヒーを、地元のタニカ社がインスタントコーヒーに加工し、それが製品となって国内外に流通しているということが、ブコバの人々の誇りです。
タニカ社の社員も、ブコバ出身者が9割を占め、親や親せきがコーヒー農家という人がほとんど。
10年前初めてブコバを訪れた時、
「自分達が丹精込めて育てたコーヒーが、息子が務めるタニカ社によってインスタントコーヒーになって、国内外の人々にうまいブコバのコーヒーを飲ませる、それが人生の喜びだね」と語ってくださった人たちの言葉は今でも忘れられないのですが、今回初めてお会いした75歳のマンサブさん(写真下)も、まったく同じことをを語ってくださり、ブコバのコーヒー農家の人々と、インスタントコーヒー製造会社のタニカ社との強いきずなをあらためて感じました。

また、今回のブコバ訪問では、再会したコーヒー農家の人たちの多くが、「長年タニカ社のコーヒーを買い続けてくれてありがとう」という言葉をかけてくれたのが、とても心に残りました。
感謝の言葉が嬉しかったということではありません。もし、タニカ社が、地元民をないがしろにして、自分の会社の利益だけを追求するような会社だったら、絶対にコーヒー農民からこんな言葉は出ないだろうということがはっきり伝わり、タニカ社と一緒に歩んできた10年は間違っていなかったという確信を得られたことがとても嬉しかったのです。
そんなブコバの人々の誇りである、タニカ社の美味しいインスタントコーヒーを、もっともっと広めたい、広めるにはどうしたらいいか、そんな気持ちを互いにぶつけ合い、タニカ社とバラカ社共同で、新しい形態のアフリカフェ瓶入り案を練ってきたというわけです。

  左から、タニカ社:イシャンシャ社長、カレガ会長、バラカ社:島岡強代表、由美子
瓶のラベルは、タンザニアの代表アート、「ティンガティンガ」から選ぼうということになり、ティンガティンガ村のアーティスト達にアフリカフェのデザイン画を描いてもらい、タンザニア、アフリカのコーヒーであることがわかるようにという点から吟味し、最終的にサランゲのマサイとルーカスのバオバブを採用しましたが、いかがでしょうか。

      マサイを描いたサランゲ
1999年より始動したアフリカ製品輸出プロジェクト、初めて日本にアフリカフェが到着したのが2000年の春。
最初の輸出品目は、アフリカフェだけでしたが、この10年の間に、紅茶「アフリカンプライド」、タンザニア綿でできている生活綿布「カンガ」、綿布地「キテンゲ」、そして、プロモートする範囲をアート作品まで広げ、ティンガティンガアートをいろいろな方面から紹介するようにもなりました。タンザニア本土のものだけではなく、2009年には、ザンジバルの名産である香辛料を使って、TZOP社と、ザンジバルMIXスパイスを共同開発し、販売を開始。今年2010年春からは、同じくザンジバルのマチューイ村にある小さな織物工場から織りだされる綿製ショールの販売を開始。
そして、2009年よりTANICA社と共同で瓶入りアフリカフェ製品化を進め、2010年新発売となったわけです。
アフリカ製品プロジェクトで扱う製品は、アフリカのものだからこれぐらいで、という言い訳をせずに、日本市場でも堂々と対等の貿易ができる製品の質であることを求めているので、日々品質管理の上でタンザニアの人々と話し合いを重ね、共に対策を練りながら進めています。

初めてのブコバ訪問の時は、まだ定植したばかりだった小さなコーヒーの木もすっかり大きくなって、たわわに実をつけていました。この10年に大きく育ったのは、コーヒーの木だけではありません。10年前に初めて会った各農家の子たちも、すっかり大きくなっていて、年月の経過を感じました。
今回も、学校から楽しそうに帰ってきたコーヒー農家の子供たちに会いました。この子たちのこれからの成長も楽しみです。ブコバに行くと、子供達の笑顔と、植えたばかりのコーヒーの木の未来が重なって見えてきます。
私たちバラカ(タンザニア&ジャパン)は、これからも、タンザニアの人たちと一緒に、アフリカ製品輸出プロジェクトを長く継続し、いい方向に伸ばしていくため、さらに奮闘努力していく所存です。新発売の瓶入りアフリカフェをはじめ、バラカのアフリカ製品を、これからも、どうぞよろしくお願いします。
                by島岡 由美子

「アフリカ製品プロジェクト10年めの選択~コーヒー農家とアフリカフェ」への16件のフィードバック

  1. 丁寧に作られているんですね
    我が家はもちろんのこと、父も母もアフリカフェを飲んでいます
    亡き義母も好きでした
    詰め替え用ができたと聞き次回は詰め替え用をと思っています
    先日義妹にもわけてあげたのでもしかしたらファンが増えるかも
    もう11年になられるんですね
    ご苦労もたくさんあったかと思いますが、あったからこそそれが積み重なり今があるんですよね
    昨日ふと主人がバラカさんのことを聞いてきました
    バラカさんの事業のこと、ブログで読んだ内容を伝えると「次はタンザニアだ~」などと申していました

  2. ご無沙汰しています。
    父の入院に際しましては
    暖かいメッセージを戴きありがとうございました。
    アフリカフェはインスタントコーヒーなのですね。
    知りませんでした。
    最近横着になってドリップコーヒーを入れていないもので、インスタントなら是非飲んでみたいです。
    近いうちにショップのほうから注文させていただきます。
    TV出演もおめでとうございます。
    2時間番組すごいですね。
    早速カレンダーにメモさせていただきました。
    楽しみ~

  3. コーヒー農家さんとタニカ社さんの関係、素晴らしいですね~
    丁寧に作られてこそ!あの味があるんですね♪
    瓶入りが新発売になるのは嬉しいです!
    近いうちに購入しようと思います♪
    ティンガティンガアートもカンガも大好きなので、これからもタンザニアの方々とがんばって下さいね
    応援しています♪

  4. バラカタンザニアさん、ジャンボッ~!
    これだけ手間がかかっているのですから、
    たいへん美味しいわけですよね♪
    コーヒー大好きhamasamasaがインスタントコーヒーで
    飲んでいるのは、唯一アフリカフェだけです。
    会社で来客時にもサーブさせていただきますが、
    皆さん、美味しいと感嘆の声をあげられます。
    インスタントということを明かすとまたびっくり!
    美味しいコーヒーを、いつも本当に
    ありがとうございます。

  5. baraka_tanzania

    ☆づみさん、ジャンボ!
    アフリカフェをご家族で愛飲くださり、ありがとうございます。
    アフリカフェは、コーヒー栽培からインスタントコーヒー加工まで全部の過程を見てきているので、自信を持ってお勧めできます。
    づみさんをはじめ、多くの方々からリクエストがあった詰替え用、やっと作ることができました。
    11年めに入りましたが、今でも、日本に向けてコンテナを送る際は、タンザニア代表製品としてがんばってくるんだよという気持ちで見送っています。
    ご主人との会話、楽しそうですね。実現したらいいですね。

  6. baraka_tanzania

    ☆ジュマさん、ジャンボ!
    お父様のご退院、おめでとうございます。
    まだお忙しそうなのに、コメントありがとうございます☆
    そう、アフリカフェは、インスタントコーヒーなのです。
    缶に入っているので、レギュラーコーヒーと思われる方も多いのですが、
    この瓶入りなら、一目でインスタントコーヒーとわかっていただけるというのが大きいです。
    ジュマさんの家では、BSが見られるのですね。
    2時間枠ですけど、出演者3人なので、約30分ずつぐらいに編集されるようです。
    私たちはオンタイムで見られないので、ご覧になったらぜひ内容や感想など教えてくださいね。

  7. baraka_tanzania

    ☆おやびん、ジャンボ♪
    >コーヒー農家さんとタニカ社さんの関係、素晴らしいですね~
    >丁寧に作られてこそ!あの味があるんですね♪
     ↓
    地元農民と、地場産業のインスタントコーヒー製造会社がとてもうまく共存しているので、ブコバは、コーヒーをキーワードにすべての人がつながっているといってもおかしくないぐらいです。
    栽培法もインスタントコーヒー製造過程も、丁寧な作業の連続です。
    新発売の瓶入りアフリカフェもぜひご利用くださいね。
    あたたかいエールをありがとうございます!
    おやびんの言葉に、ますますファイトが湧いてきました。

  8. baraka_tanzania

    ☆hamasamasaさん、ジャンボ!
    コーヒーを栽培するのも、インスタントコーヒーを製造するのも、本当に手間がかかる作業の連続ですが、多くの人々の手がかかっているからこそ、美味しくできるのかなと思います。
    インスタントコーヒー製造は、機械で行うとはいえ、要所要所は熟練工の人たちの長年の腕がないとできないものですしね。
    >会社で来客時にもサーブさせていただきますが、
    >皆さん、美味しいと感嘆の声をあげられます。
    >インスタントということを明かすとまたびっくり!会社の接客にもご利用くださっているとのこと、ありがとうございます。
     ↓
    タンザニアから遠い日本にわたったアフリカフェが、hmasamasaさんの会社で、がんばっている様子が目に浮かび、とってもうれしいです。

  9. バラカさん~ジャンボ~
    瓶入りのアフリカフェ、とっても良い
    アイデアだと思います。
    確かに、はじめはインスタントコーヒーだと
    わかりにくいかも知れませんね。
    でも、缶のデザインもかっこいいんですよね。
    キッチンに置いておくと、インテリア性の
    高いですし♪
    これからも、もっともっとアフリカフェが
    有名になって、たくさんの方々に飲んでいただけますように・・・☆

  10. baraka_tanzania

    ☆こはるさん、ジャンボ!
    アフリカフェを長年応援してくださり、ありがとうございます。
    そうなんですよ。初めて見る方には、インスタントコーヒーということがわかりにくいとうのがネックになっていました。
    でも、こはるさんがおっしゃるように、缶のデザインもかっこいいとおっしゃって下さる方もいらっしゃるので、当分は、缶入りも併売する予定です☆

  11. バラカさん ジャンボ!
    コーヒーの瓶詰めは、中身も見えてエコにもいいですよね
    日本でも最近、詰め替え用がだいぶ出ています
    赤いコーヒーの実だけの手摘みと石やごみの選別
    本当に大変な手作業ですよね
    瓶の採用された絵、素敵です

  12. baraka_tanzania

    つくしさん、ジャンボ!
    レスが遅くなってしまってごめんなさい。
    今の日本では、詰替え用があることが、だんだん必須条件の1つになってきましたね。
    はい、コーヒーの栽培から収穫、選別に至るまで、手作業の連続です。
    >瓶の採用された絵、素敵です
     ↓
    ありがとうございます!

  13. はじめに、本当にごめんなさい。
    昨年の6月に頂いていた大切なメールを今日、始めてみて、びっくりしました。
    それほど、長い間ブログのメールボックスを見てませんでした。特に、バラカさんのは、大切なメールだったのに本当に申し訳ないです。
    でも、あまりにも昔のことですので何のことか,お分かりにならないかも・・・
    私のほうは、やっと体調が回復して、怠け癖が付いたので、気合を入れようと昨年10月から、トールの講習を受けていましたが、3月末でそれも終わり、少しづつ、自分に合った活動をまたやっていけたらと思っています。当たり前だった健康にかげりがさすと、気力も落ちるんだとはじめて知りました。健康でいるって本当に大事なことなんですね!
    また、今回、日本にお帰りになるとのこと、また会えれば嬉しいのですが・・・。

  14. baraka_tanzania

    megさん、ジャンボ!
    気になさらないでください☆私も、メールBOXのメールを見落としてしまうことって、よくありますもの。
    megさんも、体調復活のご様子、何よりです。お互い、健康に過ごせることに感謝しながら、日々をすごしましょうね。
    お会いできたら私もとってもうれしいです。何年ぶりになるでしょうね。

  15. バラカさん、ジャンボ!
    先日久しぶりに遊びにきた妹が、「近くのお店で瓶入りアフリカフェを買ったよ」と言ってました。
    どうやら、輸入品を沢山扱っている某スーパー(○城石井)には、置いてあるようです。
    「詰め替え用があるといいのに~」と言っていたんですが、今度うちの分をネットで買うときに、一緒に購入しようかと思います。
    バラカさんのショップも扱う品数が増えてきて、覗いているだけでも、とても楽しいです。
    これからも益々頑張って下さいね。

  16. rieさん、ジャンボ!
    妹さんが、某スーパー(○城石井)でアフリカフェを購入してくださったのとのこと、ありがとうございます。
    アフリカフェも、「詰め替え用」のご要望に、やっとお応えすることができるようになりました。妹さんにもどうぞよろしくお伝えください。
    rieさん、長年にわたって、あたたかい応援ありがとうございます。
    ご存知の通り、初めは、アフリカフェ一本でしたので、雑貨と合わせても30個ぐらいしか商品数がない中でのスタートでしたが、カンガ布を扱い始めたころから商品数がふえてきました。
    バラカでは、見て楽しいショップという面も重要視しているので、rieさんからのコメント、とってもうれしく、励みになりました。これからもどうぞよろしくお願いします。

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