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足掛け3年、待ちに待った新ザンジバル武道館での練習スタート、そして、初試合!~ヤングスターズ2025

2023年5月、ザンジバル政府によって突然に、問答無用で壊されたザンジバル武道館。

武道館のあるザンジバルのアマニ国立競技場全体の大規模なリニューアルのためだったのですが、事前の説明では、武道館だけは壊さないといわれていたので、まさに青天の霹靂でした。

それ以来、狭くてとても試合などできない場所しか確保できず、足掛け3年にわたって、我慢我慢の日々でいたザンジバル柔道連盟でしたが、やっと、新しいザンジバル武道館が建ち、使用許可(まだ全面的とは言えませんが)が下りました。

というか、もともとは自分たちの所有物を壊されたのですから当たり前のことなのですが、ザンジバル@タンザニアもといっても、ここはアフリカあるあるで、政府の一声で 建物が無断で壊されたり、そのまま没収されたり、追い出されたりは大いにあるあるの世界です。

新しい建物ができてからもそれは政府のモノといわれてもおかしくない環境下での交渉なので、ザンジバル柔道連盟の所有であることと使用許可が出るまでには、かなりの交渉と時間を要しました。

練習をはじめた直後は、この建物を建設したトルコの業者が設置していたトルコ製の畳を使ったのですが、途中から、トルコ製の畳は使用禁止 というのが、使用条件の一つだといわれたので、それなら上等だということですぐに、旧武道館で使っていた日本製の畳を運びこみました。でもそれで、自分たちの道場らしさが戻って、かえってよかったぐらいです。

トルコ製の真新しい畳で練習スタート
結局、旧ザンジバル武道館で使っていた、日本製の畳を敷きなおすことに
ティンガティンガ・アーティストも手伝ってくれて、「俺たちの道場」完成!
以前のように、綱登りの練習もできるように、太い綱を設置

<日本製の畳の上で>

<新しいザンジバル武道館での、記念すべき初試合>

は、16歳以下の子どもたちのヤングスターズ柔道大会でした。

開会式では、この日のために日本からいらしてくださった魵澤ルミ子さんが、

「35年以上年前に、初めてザンジバルに来て島岡さんと知り合ったときは、まだ柔道が始まっていませんでした。」から始まって、

「畳も柔道着もない青空道場で柔道が始まったこと、2012年にはザンジバル武道館が建って国際大会を開催するまでになっていたのに、2023年5月に突然こわされてしまったことを知って、自分自身も日本の ザンジバルスポーツ教育振興会の仲間たちも心を痛めていたけれど、こうして新しい武道館での初試合にお招きいただき、とても嬉しいです・・・」

という様な、ご自身とザンジバル、島岡会長や柔道との関わりを振り返りながらの心のこもったスピーチをしてくださったおかげで、大人たちは頷きながら、子どもたちはザンジバル柔道の歴史をあらためて知り、ピリッと締まった空気の中で試合を始めることができました。   

左からモハメッドザンジバル柔道連盟会長、魵澤ルミ子さん、島岡名誉会長  
7月26日 於*新ザンジバル武道館

子どもたち、久々に広い柔道場で、のびのびと技を出し合ってがんばっていました。 

9月には、オフィシャルオープニングをおこなうことになっているので、この大会はいわば、それに向けてのプレイベント的な位置づけでしたが、こうして最初の試合をおこなうことができて本当に良かったです。

参加賞は、マグカップと木版画の馬ぞりの作品。

家でマイカップなんて持ってない子がほとんどなので、「これで、毎朝チャイ(紅茶)を飲むよ」と、大好評でした。

力強い馬ぞりの木版画は、青森の山岳隊、大沢のお兄様の作品です。

ザンジバルのちびっこ柔道家たちは「馬」を知らない子が多く、

「ここには牛車はあるけど、馬は知らないなあ。ロバは働いてるけどね」

などなど、わいわい話しながら、興味深そうに木版画を見ていました。

子どもたちを指導しているハミシィ、イブラヒム、ラジャブと一緒に

観戦していた子どもたちは、まだ柔道着がもらえない初心者🔰や、柔道から遠ざかっていた子達なので、この試合をきっかけに、道場に戻って来て、子供の部もまた盛り上がりといいなと思ってます。

がんばれ、未来を担うヤングスターたち!

ということで、やっと新ザンジバル武道館が使えるようになったので、これからは、また時々、柔道の話題もお伝えできると思います。ぜひザンジバル@タンザニア@アフリカ柔道のことも、応援してください。

                                      島岡由美子

おまけ★お手製の下駄箱も完成!

なぜか一番下が人気で、下の段だけ、靴が重なり合ってぎゅうぎゅうに突っ込まれているのはなぜ??

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