小島あゆみさんのご本「ALLYになりたい わたしが出会ったLGBTQ+の人たち」を読みました。ALLYはアライと読み、Alliance(アライアンス)からきた言葉でと知ったのは、本を読みだしてからですし、アライアンスで、ぱっと思い浮かんだのは、ワンワールド アライアンスという航空連合(同盟)のことでした。
それに、初めて本のタイトルを見た時、「Ally(アリ)」さんという名前の人のことなのかなと思ってしまうほど、わかってない私でした。
LGBTQ+の言葉もほぼ意味不明のまま読み始めましたが、著者の小島さんがとってもわかりやすい言葉で書いてくださっているので、どんどん読み進めることができました。
小島さんは、ご自身がアメリカに留学したときに親しかった友人(アメリカ人の女性)からの結婚の知らせを受け、その友人が同性婚をし、子どもをもうけ、にじいろファミリーとして生きる姿を見て、もっと知りたい、理解したい!と、話を聞きはじめたことがきっかけで、それから4年の歳月をかけてアメリカと日本の33名の方々から話を聞きながらアライとして歩み寄り理解を深めたうえで、この本を書かれたそうです。
聞いた話だけではなく、LGBTQ+(セクシャルマイノリティ)の人々が受けてきた迫害の歴史(アメリカ中心)から現代の流れも書かれていて、その中には、そんなことが起こっていたんだという驚きもたくさんありましたし、この本を読むまで知らずにいたのは、無意識の中で知らないでおこうとしていたのかもしれないなと自分の心を振り返りました。
この本を読んでいて思い出したのは、小学生の頃、スカート嫌いでズボンばっかりはいている時期があり、男子に間違えられるほどボーイッシュだったので、中学校の制服のセーラー服を着るのが、最初ははずかしかったなという気持ちでした。
「ベルサイユのバラ」という漫画が流行ったときは、アンドレが一番好きでしたけど、オスカルもかっこいい!とあこがれました。
男女別で色や服装を決められるのが嫌だとか、同性に憧れる気持ちは、人生を思い返せば多くの人が持ったことがあるのかもしれないですね。
本の中に出てくる 「にじいろかぞく」 という言葉がいいなと感じ、南アフリカのマンデラ氏が唱えたレインボーネーションという言葉とつながりました。
南アフリカでアパルトヘイト(人種隔離政策)撤廃後、差別を恨みや暴力で返すのではなく、肌の色を超え、みんなで協調して新しい虹色の国(レインボーネーション)を作っていこうと説いたのが、マンデラ氏。
どんな肌の色の人も差別しないで互いに歩み寄って進めていく虹色の国作り、このレインボーネーションの考えは、「肌の色」のところを、様々な言葉に置き換えて考えることができそうです。
まだまだ周りの理解不足で傷ついているLGBTQ+の人たちが多いというエピソードを読んで、私も知らないうちに誰かを傷つけていたかもしれないなという気持ちになってきました。
知らないことが傷つける原因になっているのなら、もっと知らないといけないですね。
この本は、まさにそういうためにある本だと思いますので、特に私のように、本のタイトルを見て「ALLY(アライ)ってなに?」「LGBTQ+ってなに?」と感じた方々におすすめします。
島岡由美子