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第2回東アフリカ柔道選手権大会inブルンジ~East Africa Judo Championship

皆さん、こんにちは!
今日は、2月23日&24日に、ブルンジの首都ブジュンブラで開催された第2回東アフリカ柔道選手権大会~The 2nd East Africa Judo Championship Bujunbura2008~の模様をお伝えします。

昨年ナイロビで開かれた第一回大会同様、東アフリカ各国からケニア、ブルンジ、ウガンダ、タンザニア本土、ザンジバルの5チームで、技を競い合いました。

ザンジバルナショナルチームは、選手7人、コーチ1人オフィシャル2名の計10人。
金メダル3つ以上獲得することと全員メダルを持ち帰ることを目標に、ブルンディ入りしました。
結果は、金5つ、銀1つ、銅2つと目標を上回る結果を出すことができ、チーム全員で喜びを分かち合いながら、胸を張って帰国することができました。

100kg級と無差別級の2階級を制し、今大会最優秀選手賞に輝いたマスーディ・アムル選手。最優秀選手賞も金メダルだったので、メダルを3個も受賞することに!
マスーディ選手は、タンザニアの全スポーツ選手の中から、今季の最優秀選手にも選ばれるという快挙。東アフリカで、柔道を広くアピールする存在となりました。

大会一日目、


81kgで悲願の優勝後、翌日無差別級でも3位入賞で金&銅メダルを獲得してキャプテンとしてチームを引っ張ったモハメッド選手の雄姿。

73kg級は、昨年3位の雪辱を晴らそうと、人一倍練習に励み、悲願の優勝を飾り、金メダルを胸にしたハマディ・シャーメ選手。

66kg級は、ベテラン、アリ・ジュマ選手が得意の内股で一本を重ねて決勝戦へ。もう一一方のブロックでは、ザンジバルの若手18歳のアブドゥルサマッド選手が相手にポイントをとられながらも、最後まで勝負をあきらめない姿勢で大健闘の末、決勝まで駒を進め、尊敬する先輩アリ・ジュマ選手との「決勝戦で会おう」の約束を守り、ザンジバル勢同士での決勝戦となりました。
若手のアブドゥルサマッドが、得意の大腰で果敢に挑むも、国際試合経験豊富なアリ・ジュマの前には通じず、背負い投げがきれいに決まって「一本、それまで!」
ベテラン アリ・ジュマが金メダル。若手のアブドゥサマッドが銀メダルを獲得しました。

60kg級は、アブダラ・ハッサン選手がまさかの一回戦負けを喫したものの、敗者復活戦で勝ち上がり、3位決定戦へ。
もう一方のブロックでは、若手のアザン・フセイン選手が、きれいな技で会場を沸かせながらも今大会優勝を飾ったケニアの選手に2回戦で敗退して敗者復活戦へ。
結局、敗者復活戦の3位決定戦で、ザンジバル同士の対戦となり、アブダラ・ハッサン選手の払い腰が決まって勝負あり。アブダラ・ハッサン選手が、昨年同様の3位入賞で銅メダルを獲得。初出場のアザン選手は5位。参加選手7人中、一人だけメダルを逃し、悔しい思いでブルンディを発つことになりました。


メダル数は、
       金        銀     銅
ザンジバル  5        1     2
ケニア    2        2     1
ブルンディ  1        4     8
タンザニア  0        1     1
ウガンダ   0        0     0
当然、誰がどう見てもザンジバルの総合優勝ですが、表彰式で、前代未聞の出来事が!
主催国であるブルンディ柔道連盟が何やらこそこそ話し合いをしていると思ったら、突然フランス語のみで、総合優勝はブルンディチームとアナウンスを流し、フランス語がわからず何が何だかわからないでいる他国勢の前でブルンディのキャプテンとコーチを呼んで優勝カップを渡しています。
おかしいと気がついた各国代表が抗議したものの、後の祭り。
ザンジバルにはもうひとつ用意されていたカップを渡されたものの、ケニアの準優勝はなかったものとして扱われました。

ブルンディ柔道連盟会長の弁明(?)によれば、「ブルンディのやり方でいけば、金銀銅全部の獲得数で優勝を決めるので、悪く思わないでくれ」とのことでしたが、こんなことで納得できるわけがありません。
来賓として来ていたIJF(世界柔道連盟)レフリー理事のバルコス氏(写真左 写真右は、ザンジバル柔道連盟会長島岡強)も、「この大会の優勝はだれがどう見てもザンジバルですが、ここはアフリカ大陸内なので、IJFの立場では口出しができません」と苦笑い。

ザンジバルの優勝と、ケニアチームの準優勝は幻となってしまい、何とも後味の悪い結末となりました。
今大会でも、夫島岡強が、東アフリカ柔道のスポーツダイレクターとして大会の統括をした関係上、私もザンジバルチームのマネージャーとしてだけではなく、オフィシャルの立場として、あれこれ大会運営の手伝いをしましたが、ブルンジが用意した体重計の不備で揉め、計量日の前日の晩に何者かによって体重計のワイヤーが引きちぎられ不穏なムードが漂うという出来事をはじめ、すったもんだの末の開催でしたが、なんとか試合当日を迎えたものの、最後の最後にこんなどんでん返しがあるとは思ってもいませんでした。やはり、アフリカでの大会は、日本では考えられないようなマタタ(問題)が多いです。
柔道が世界に広がる中で、柔道の創始者嘉納治五郎師範が唱えた自他共栄、精力善用といった柔道精神を忘れられがちなのが残念です。
柔道の修行を通じて、柔道家たるものは、正々堂々力を尽くして戦い、その結果は買っても負けても真摯に受け止めなくてはならないという自意識が伴えば、今回のブルンジのように、なりふり構わず勝ちを名乗るということはないと思うのですが・・・。
来年2009年には、ザンジバル柔道連盟がホストとなって、ザンジバルで第3回東アフリカ柔道選手権大会を開催することが決まったので、試合内容はもちろん、大会運営もみんなでしっかりやって、正々堂々、参加者全員が気持のよい柔道大会にしようと話しあいながらブルンジを後にしました。

ブジュンブラームギナーマヨブーキゴマーダルエスサラームーザンジバルの帰路は、行きよりもさらに乗り継ぎが悪く、足かけ5日掛けての移動の日々でしたが、ザンジバル柔道チームの東アフリカ大会金メダル5個奪取の快挙が、タンザニア本土でもザンジバルでも報道されており、話題になっていました。
ザンジバル港では、スポーツ委員会の委員長をはじめ多くの人が「ホンゲラ!ホンゲラ!(おめでとう)」と港であたたかく出迎えてくれ、行き4日、帰りに5日という長い移動を伴う2週間のブルンジ遠征の疲れが一気に吹き飛ぶようで、選手全員、晴れやかな顔で、それぞれの家に帰って行きました。
byバラカタンザニア 島岡由美子
追伸:ザンジバル柔道サイトの方でも、東アフリカ大会の様子をアップしています。よろしければこちらもご覧ください。

「第2回東アフリカ柔道選手権大会inブルンジ~East Africa Judo Championship」への17件のフィードバック

  1. バラカさん ジャンボ!
    第2回東アフリカ柔道選手権大会でのご活躍素晴らしかったですね。
    ホンゲラ!おめでとうございます。
    しかし、後味は良くありませんでした。
    加納児治五郎師範の柔道精神はどこへ?
    剣術と剣道。柔道と柔術、相撲道と相撲術。術と道の違いに世界の人が気づいて欲しいものです。
    術は、技術。道は、術に精神が伴うもの。
    柔道大会ではなく、残念ながら柔術大会だったのでしょうか。
    むかーし、オリンピック大会のメタル争いの時に、足を痛めた相手方の選手のあしを気遣って、負けた選手が居ませんでしたか?
    柔道、相撲道、剣道その他すべての武道はサムライ精神で貫かれては居ませんでしたか?近年の相撲チャンピオンは、横綱とは違うと思うし、シドニーオリンピックの時の「柔術判定」もありました。
    今回の件でお力おとしなく、更に柔道の普及に御尽力下さいますように期待しております。
    バラカさんご苦労様でした。

  2. バラカさんジャンボ!
    金メダルの数で行けばザンジバルのぶっちぎり優勝なのに、メダル総個数で決めるなんて・・・。
    次回からは金はプラス5点
    銀はプラス3点銅はプラス1点とかで計算してほしいです。
    でも金メダルを5個も勝ち取ったのだからザンジバルの強さは皆さん分かっていると思います。
    御主人、先週の皆様、応援担当のバラカさん、ご苦労様でした。

  3. 素晴らしい成果ですね
    だから余計結果が残念でなりません
    スポーツ精神に泥が塗られたような感じで
    でも皆さんが暖かく、選手をむかえ、たたえたことにより晴れやかな気持ちになれて良かったです
    これからも頑張ってください

  4. バラカさんジャンボ!!
    なんだか後味の悪い結果となったようですがすばらしい成果ですね。
    ちゃんと分かってるサンジバルの人たちが沢山応援しているんです物ね。
    お疲れ様でした。

  5. ☆はなこさん、ジャンボ!
    >ホンゲラ!おめでとうございます。
     ↓
    ありがとうございます!
    ほんと、柔道と「道」がつくものは精神面を鍛え道を究めていくものだと思うのですが、現在は、「柔道」ではなく「ジュードー」というスポーツとして広がっているので、精神の面ではかけている柔道家が多くなっている点が残念です。
    技やポイントを競い合うだけのジュードーではなく、精神面も含めた「柔道」が広がっていくといいなと思います。

  6. ☆ジュマさん、ジャンボ!
    ほんと、この総合優勝の決定にはあきれはてました。
    ブルンディ側としては、大会主催者としてたくさんの報道陣や来賓をよんだ手前、開催国としてのメンツがあったのでしょうが、それにしても大人げないやりかたにはあきれました。
    やはり、アフリカではまだまだ国際的な決まりごとが通じない面がたくさんあります。

  7. ☆づみさん、ジャンボ!
    ほんとに、大会の終わり方ってとても大切だと思うのですが、それが通じない相手でした。
    でも、アフリカに住んでいると、こういった理不尽なことは、柔道に限らず、日常茶飯事です。
    とにもかくにも、来年はザンジバルで東アフリカ大会を開催することが決まったので、来年こそ問題の起こらない大会運営をしたいと思います。

  8. ☆makiさん、ジャンボ!
    あたたかいコメントありがとうございます!
    大会の最後にどんでん返しがあったものの、選手たちは、力を存分に発揮して結果を出すことができたので満足そうでした。
    この結果を次の世代につなげられるよう、みんなでがんばっていきたいです。

  9. バラカさん、ジャンボ!
    サンジバルの選手のみなさんのご活躍を心よりお祝い申し上げます。
    なのに、気持ちのスッキリしない終わり方ですね。
    選手のみなさんの普段積み重ねた努力を思うと、納得がいきませんね。
    音楽のように感性や評価のはっきり基準のないものと違って規程の中で行われているのだから、おかしな話です。
    それと、移動に時間がかかるのには驚きです。
    選手のみなさん・・・お顔だちもキリッとされ素敵です。。
    バラカさん、ご主人殿、ご苦労様でした。

  10. ☆harumiさん、ジャンボ!
    あたたかいコメント、ありがとうございます。
    総合優勝についてのどんでん返しはありましたが、一人ひとりの結果はしっかり残せたので、これを来年につなげられるようがんばるのみといったところです。
    >それと、移動に時間がかかるのには驚きです。
     ↓
    アフリカ大陸内の移動には、時間がかかりますよ~。
    タンザニア国内の移動→ダルエスサラーム~キゴマ間だけをとっても、普通に電車で行くだけで2泊3日かかります。
    しかも、今回はその電車が途中で故障したので行きは、車中3泊しましたから。
    交通網も道路も線路も発達していないので、電車でもバスでも、ポレポレでしか移動できないのです。

  11. バラカさん、ジャンボ!
    国によって、、というより、
    考え方の問題でしょうが、残念な評価ですね。
    でも国際的な基準からしたら、ザンジバルの勝ちです。
    島岡さんのお顔とお姿はブログ上で何度か産みかけしますが、バラカさんは、どんな方だろうかと想像しています。

  12. ☆konekoさん、ジャンボ!
    これは、誰が聞いてもおかしな話ですが、こういうことがまかりとおってしまうというのが、アフリカというところでもあります。
    私は、記録係としてもっぱら写真を撮る方なので、ほとんど登場してませんが、柔道サイトの方ではちらっと載せています。

  13. アフリカでの柔道選手権
    皆さん強そうですね~!
    特にメダルの方は怖そうです!
    タンザニアがダントツのメダル獲得だったのですね!
    ご主人も素敵な方ですね♪

  14. ☆rosaさん、ジャンボ!
    やはり国際大会に出てくる選手たちですから、それなりに強いですよ。
    >特にメダルの方は怖そうです!
     ↓
    怖そうですか?(笑)
    普段は明るく気のいい面々ですけど、やはり念願の金メダルをとった表彰式ですから、普段とは違ったきりっと引き締まった表情でした。
    東アフリカ大会の場合は、タンザニア本土とザンジバルの2つ参加できるので、(スコットランドとイギリスのような関係といえばよいでしょうか)今回はザンジバルチームとして勝ち星をあげてきました。

  15. 柔道大会。本当にお疲れ様でした。そして目標達成 おめでとうございます[[EE:AE46F]]
    最後になんだか煮え切らない結果になってしまい、読んでるこっちが腹が立ちましたが、お国柄の違い…郷に入っては郷に従え。と云うことでしょうか。
    でも正式な大会なのでしょう?やはり今後は、参加したみんなが気持ちよく結果を称え合えるような運営をしてほしいなぁと思いました。
    何はともあれ
    お帰りなさい[[EE:AE471]]
    お疲れ様でした[[EE:AEACD]]

  16. ☆ナッツさん、ジャンボ!
    ただいま~!
    あたたかいコメント、ありがとうございます!
    最後の最後に、納得のいかないことが起こりましたが、まだまだこういうごり押しがまかりとおってしまうというのが、アフリカというところでもあります。
    まあ、どんな手段を使っても、個人個人の正式な結果を覆すことまではできないですけどね。

  17. 但叶高山的眼力怎么会是常人可比。 是就技巧实用性和动作协调性来判定,恐怕这个女生可以轻易放倒这个场地内任何一个所谓的跆拳道高手。 有意思,跆拳道馆里还有不练跆拳道的学员。 叶高山琢磨着,这个女学员的动作有些熟悉。 看书请上文字版鼑速更新最快

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