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世界の美しい絵本~しんぞうとひげ・がまくんとかえるくん・ケルズの書

ジャンボ!
夏2015は、文字通りの猛暑になっているようですが、いかがお過ごしでしょうか。
7月には、大阪万博Expo70の45周年記念企画の「世界の絵本展」に、アフリカの民話絵本「しんぞうとひげ」が展示されていることを知って、うれしく思っていたところ、今度は、学生時代の友人から、
「たまたま絵本情報誌のMoe8月号(2015年7月3日発売)を読んでいたら、「しんぞうとひげ」が
紹介されていたのでびっくりしました!」
というメッセージが届いて、私もびっくり&とてもうれしかったです。
【世界のもっとも美しい絵本~ケルズの書】
このMoe8月号は、「世界の美しい絵本」という特集だったそうですが、みなさんは、世界の絵本というと、どんな絵本を思い浮かべるでしょうか。
私は、【世界の美しい絵本】という特集の表題を見て、「世界でもっとも美しい本」と言われている「ケルズの書」を連想しました。

「ケルズの書」は、8世紀に修道院でつくられたといわれている、ラテン語で書かれたヨーロッパ最初の彩飾福音書写本で、「世界で最も美しい本」と言われており、現在アイルランド共和国の首都ダブリンにあるトリニティ大学図書館の特別室に展示されています。
(トリニティ・カレッジは、アイルランド最初の国立大学で、400年以上の歴史と伝統がある名門大学(創立は1592年)日本で言えば、東大でしょうか)

【1200年も前の彩色写本「ケルズの書」が、目の前に】

 一度だけアイルランドのダブリンを訪れたことがあり、その時に、トリニティ・カレッジにも行ってきました。
 そこで、この「ケルズの書」をみたときは、まさに鳥肌ものでした。この時代に、このデザインで、この書体で、この色彩の挿絵を施された写本(写本ですから、印刷ではなく、全部手書きですよ!

しかも、まだ紙ではなく、羊の皮製の羊皮紙なのです!)が作られ、1200年もの時を経て、現在まで残っているって、ほんとうにすごいことですよね。
「ケルズの書」は、「世界でもっとも美しい本」というより、「世界でもっとも美しい絵本ではないか!」と感じ、内容はもちろんまったくわからないのですが、時代を超えて、語りかけてくる絵や文字の力に圧倒されっぱなしでした。
【トリニティカレッジの図書館で、世界の絵本を見る】
私が訪れたとき、トリニティ大学図書館の65mもあるロングルームでは、この図書館が所蔵する15万冊の児童書の中から選ばれた「世界の神話&児童書展」の最中で、古い本から、2000年代の出版物までが展示されていたので、ゆっくり、じっくり世界の絵本を見ることができました。

左上の本は、1780年出版と書かれていました。日本でいうと、江戸中期安永時代ですね。(日本ではまだ活版印刷が始まる前の木版の時代です)

これは、12世紀の本(イタリア) 12世紀と言えば日本では平安時代、源氏物語が書かれた時代ですね。日本ではまだ蛇腹式の折本や絵巻物が主流で、冊子本になるのはその後です。
【65メートルの図書室に20万冊の本が!】
 ちなみに、トリニティ大学の図書館は300万の書物を所蔵し、このロングルームには、古い本のうちの20万冊が収納されているそうです。係員の人に聞いてみたら、飾ってあるだけではなく、読むことができるそうですよ。(もちろん、一般見学者は触ってはいけないですが)

どこから見ても、圧巻も圧巻のトリニティ大学図書館でした。

【世界の絵本に通じる、超擬人化(?)のティンガティンガ・アート】
 
ところで、 Moe8月号に掲載された「しんぞうとひげ」の紹介文に、「ティンガティンガ派の画家の超擬人化にしびれます」と書かれていたのをみて、チャリンダさんによるティンガティンガ・アートの挿絵の力をあらためて感じたことでした。

そうそう、先述した世界でもっとも美しい本と言われている【ケルズの書】の中の挿絵にも、ティンガティンガ・アートと通ずる、鳥獣戯画、見つけましたよ。
MOE8月号の表紙を飾っていたがまくんとかえるくんの絵本も、擬人化の絵がとっても楽しいですよね。
私は、がまくんとかえるくんシリーズでは、「ふたりはともだち」という絵本の中にある
、「おてがみ」が好きです。手紙なんてこないのがわかっているのさといいながらも、手紙を待つがまくんの様子が、とってもかわいくていじらしいです。
いつの日か、アフリカの民話「しんぞうとひげ」の翻訳版が出て、この歴史のあるトリニティカレッジ図書館や、片や、思いっきり小さなザンジバル図書館にも置いてもらえたらいいなと思いつつ、翻訳版を出版するという、新しい目標を持って、過ごしています。
      by島岡由美子
[[pict:niko]]追伸
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「世界の美しい絵本~しんぞうとひげ・がまくんとかえるくん・ケルズの書」への2件のフィードバック

  1. みかんアイス

    バラカさん、ジャンボ!
    これまで絵本て、物語重視で美しいと言う視点でみたことが少なかったなと思います。でも当たり前だけど、絵があってこその絵本ですものね。ティンガティンガアートで描かれる世界に誇れる美しい絵本、実はものすごい宝物の発見だと思いました。

  2. baraka_tanzania

    ☆みかんアイスさん、ジャンボ!
    そうそう、もちろんストーリーもですが、絵本は、挿絵の力がとっても大きいですよね。    私は外国の絵本も好きで、言葉がわからなくても美しかったり、ユーモラスな挿絵とか、日本にはない風景の絵本にひきつけられていました。    アフリカ民話絵本「しんそうとひげ」の、チャリンダさんによるティンガティンガアートの挿絵にも、きっとその力があると思っています☆ 
       
    この絵本を、宝物の発見というふうに感じていただけたなんて、うれしいです。
    チャリンダさんにも伝えてきますね。 

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