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ヤングスターズ柔道大会2021 7月大会 オスマンの大活躍!

昨年からもりあがっている、ザンジバル柔道のジュニアたち。
ザンジバル柔道連盟は、この機運をさげないよう、4月に続いて、7月4日(日)に、ザンジバル武道館にて、ヤングスターズ柔道大会を開催しました。

今回は、47人参加して、14人勝ち抜いたオスマンという11歳の子が優勝しました。
14人抜きは、過去のヤングスターズ大会からの新記録です!

ヤングスターズ出身の選手たちも、自分たちの子ども時代を振り返り、誰よりも多く勝ち抜いたオスマンに、拍手喝さいを浴びせていました。


なみに、オスマンは、4月の大会でも優勝候補と言われていたのですが、
日曜日のコーラン学校の先生に許しを得られず、先生がお茶のみに
行っている間に学校を抜け出して、ワーワー泣きながら走ってきたものの、本選には出られず、
敗者復活戦に参加して、敢闘賞をもぎとった遅刻組の一人です。
今大会は、事前にコーラン学校の先生にも許しを得ていたので、試合当日は誰よりも早くザンジバル武道館に来て、柔道着を着ていたそうです。

(表彰台から降りてきて、金メダルを、じっくり吟味するオスマン)

2位は、初出場で7勝上げたアブドルラヒ13歳。
3位は、5勝したバルク(前回は準優勝)とトワリク(前回は1勝もできず敗退組)でした。

1勝した4人も、誇らしそうでした!

<インターナショナルスクールからの参加>
今回は、インターナショナルの子どもたち(アブドルラッビルが、週1~2回通って教えています)は5人の内、4人の男子は、一勝も挙げられず敗退組でしたが、女子一人で参加したアイシスが、男子を3人抜きしてがんばりました。

なんでも、この子の母親が、ヨーロッパ大会にも出場したことのある女子柔道家だったそうです。

島岡強名誉会長曰く、
「アフリカでは、まだまだ、幼いうちから、白人に対して劣等感や恐れを抱いている子どもたちも多いので、このように小さいころから、柔道を通して交流することで、白人だからと恐れる必要もないし、白人だから強いわけでもないことを知り、一方、白人の子たちも、ザンジバルの子たちに負けたことでリスペクト(尊敬)の気持ちが生まれ、また、お互いに、次回は勝つぞという奮起も起きたことでしょう。
畳の上では、人種も国籍も超えて、誰もが一人の人間として尊敬しあうべき柔道家であるという、柔道の基本精神を学ぶよい機会になったと思います。」
とのことでした。

<ザワディ(賞品)でも、モチベーションアップ>
 また、子どもたちが、大会のザワディ(=ギフト・賞品)も大いに楽しみにしており、これも1つのモチベーションになるということで、今回もいろいろ日本から持ち帰ったものを中心に工夫しました。(こういうところは、日本のラジオ体操とか、お祭りに参加した時の参加賞などと同じ感覚ですね)

1位、2位、3位には日本で調達したメダルと、鉛筆1ダースずつ。
一勝でも上げた子たちには、スクールバックと、勝利数分のノートを渡しました。(なので、1位のオスマンは、ノートを14冊も持ちかえりました!)
参加賞は、日本のボールペンとTシャツ(ザンジバルスポーツ教育振興会を通して数年前にプルデンシャル保険よりいただいたTシャツの残り、背側は白なので、柔道連盟ロゴを入れました) 
勝者への、スクールバックと鉛筆は、名古屋でティンガティンガ国際交流会を続けている、椙山女学園大学付属小学校からのお土産で、ノートは現地で購入しました。
一勝も挙げられなかった子どもたちも、最後にザワディを手にして大喜びしていましたが、参加賞で満足するのではなく、練習を積んで、次の大会では勝つぞという意気込みと、勝利の喜びを味わってほしいものです。

<子どもたちの前で、3月の東アフリカ柔道選手権大会のメダル報告&授与式>
 ところで、ヤングスターズ大会開始前に、今大会主賓のナショナルスポーツ評議会書記長より、あらためて、東アフリカ大会の活躍に対して労いの言葉とともに、メダルを一人一人が首にかけてもらうというオフィシャルセレモニーが行われました。

実は、3月にザンジバルで開催した、第13回東アフリカ柔道選手権大会のメダルについて、まだザンジバル政府との公的なセレモニー(結果報告会とメダル授与)がされていなかったのです。
ザンジバルナショナルチームが活躍した国際大会の結果があらためて発表され、彼らがあらためて、メダルをかけてもらう姿を、ヤングスターズたちに見せることができたのもよかったです。

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この子たちが、礼節を知り、自他共栄、力必達の精神を持った柔道家に育ちますように。

これからも、がんばれ、ヤングスターズ!、がんばれ、大人のザンジバル、タンザニア、アフリカの柔道家たち!

                     by島岡由美子

追伸
<東京オリンピック タンザニアチーム参加状況>
東京オリンピックは、ついに無観客(宮城、静岡以外)で行われることになったのですね。
タンザニアからは、マラソン選手3名(男子2名 女子1名)が参加するそうです。
タンザニアチームについての詳細、ホストタウン長井市のこと、また、オリンピックには参加できないのですが、タンザニア本土やザンジバルの柔道状況について、在タンザニア日本大使館HPにて、後藤真一大使自ら執筆されたコラムが公開されていますので、ぜひお読みください。
タンザニアのスポーツ界探訪シリーズ(6)大会直前の近況報告

2021年4月に開催した、ヤングスターズ大会(今の子どもたちのデビュー戦)の様子は、⇒
がんばれ、ヤングスターズ、ちびっこ柔道家たちのデビュー戦

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