ザンジバルでは、年末ごろから、各省庁はじめ、公共のオフィスや学校などの建物の飾り付けが始まって、華やかになります。
といっても、電気でピカピカのイルミネーションではなく、ザンジバルの国旗の色にあわせた布でのデコレーションです。
これは、けしてクリスマス用でも、新年用でもなく、1月12日のザンジバル革命記念日の式典に向けての準備の1つなのです。
ご存じのように、タンザニアは、タンザニア本土(タンガニーカ)とザンジバルとの連合国家なので、ザンジバルには、タンザニアとは別の国旗も国歌もあり、国民投票で選ばれた大統領がいて、ザンジバル政府の元に各省庁があります。
これが、ザンジバルの国旗です。
なので、今年はタンザニア独立60周年と謳っていますが、これはタンガニーカというタンザニア本土側のことで、ザンジバルとの連合国家になってからは57年です。
というように、ザンジバルとタンザニア本土は 連合国家になる前は、それぞれ別々の歴史をもっているので、ザンジバルで一番大きな行事は、このザンジバル革命記念日の式典ですが、逆にこれはタンザニア本土の人にとっては、ただの休日に過ぎないという微妙な感じも。
そして、ザンジバル革命というのは、平たく言えば、オマーンを中心とするアラブ人を虐殺し、追い出して政権を取ったものですから、今でもアラブ系の人にとっては、その日は祝日ではなく、苦い歴史の日でもあるというわけです。
ザンジバルとタンガニーカ本土もそうですし、ザンジバルにいるアラブ系とアフリカ系の人々も、様々な思惑や政治的立ち位置では微妙なものがありますが、国民同士のパーソナルな歩み寄りと政策面での配慮の中で平和が保たれ、国が成り立っています。
とまあ、いろいろありながらも、ザンジバルは革命記念日に向けて建物がデコレーションされて美しい景観になっています。
今年もウォーキングがてら、写真を撮ってきました。
デコレーション大賞を選ぶとしたら、どの建物でしょうか?
ナショナル・スポーツカウンシルは、昨年末のクリスマス前に、いち早くデコレーションを完了。
ザンジバル革命50周年記念の年に建てられるはずだったけど、完成が遅れた革命タワー(というほど高くないのですけど)
ザンジバル最高裁判所にも美しい布飾りが。
2年前の年末に崩れ落ちたザンジバルのシンボルの1つだった「驚嘆の家」は、まだ未修復で、トタンに囲まれたまま。いつ修復作業が終わるのかは神のみぞ知る状態のようです。
本当ならオールドフォトの向こうには、大きな時計台がついた立派な建物が見えていたのですが・・・。
そんなこんなで、今年もザンジバルでは革命記念日のパレードや、国をあげての様々な式典が終わり、やっと日常が戻ってきたという感じです。
何気なく上を見たら、ハイビスカスが、こんにちは!
どんなに暑い日でも元気に咲いているハイビスカスは、The熱帯の花という感じがしますね。
日本はどんな花が咲いているでしょうか?
バラカタンザニア 島岡由美子
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