2019年、明けましておめでとうございます。
どんな新年をお迎えでしょうか。
タンザニア便りで新年のご挨拶をしましたが、アフリカの花便りも、ポレポレマイペースで更新していきます。
2016年に、バオバブの花に出会ったのがきっかけで、突然熱帯の花に目覚め、書き始めたアフリカの花便りですが、せっかくなら百花までは続けようと思っていますので、今年も、おつきあいください。
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2019年の花便りは、アフリカ原産の「ソーセージツリー」からスタートします。
花に興味をもつようになったからは、「いつか見てみたい!」と思っていた、ソーセージノキの花に、やっと出会うことができました。
ソーセージノキの花は、裏と表の色がまったく違っていて、表は、濃い赤褐色。形も色も、大きさも、印象的な花で、一度見たら忘れららないインパクトがあり、裏から見ると、モスグリーンにも、イエローオーカー(黄土色)にも見える不思議な色でした。
その名のとおり、まるで巨大なソーセージのような実をぶらぶら生らせるソーセージツリーこと、「ソーセージノキ(学名:Kigelia africana、英名:sausage tree ノウゼンカズラ科)」
動物サファリに行ったときに、サバンナで何度か見かけて、珍しい木だなと感じましたが、花を見たことはありませんでしたし、その当時は植物に関心もなかったので、素通りしていました。
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ところで、ソーセジノキの花は、夜行性で悪臭を放ち、コウモリなどをよぶ と本に書かれていましたので、
「いったいどんなにおいがするんだろう」
と、ドキドキでしたが、私が見た、早朝に残っていた花には、悪臭はなかったです。
花が夜開花するのは、蝙蝠(コウモリ)や昆虫が受粉を助けるようなしくみになっていると本に書かれていましたが、
「この場所には蝙蝠はいないけれど、くちばしの細長い、小さな鳥がきて、蜜を飲んでいるよ」
と、この木の近くに住んでいる人が教えてくれました。
私が行ったのは、早朝でしたが、その小さな鳥にはあえませんでしたが、蜂がせっせと蜜を集めていましたよ。
そして、、夜のうちに咲いたのであろう花が、いっぱい落ちていました。
ソーセージの実の赤ちゃん。
小さいのから、30cm、40cm級の長い実まで、ぶらぶらと実が生る様は、英名のソーセージツリーがぴったりです。
実は、固くてなかなか割ることができませんが、
木になっている若い実は、包丁でもスパッときれましたよ。
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花の時期から2ヶ月後ぐらいになると、花はなく、実もだいぶ落ちてしまって、長い花梗だけがぶらぶらたれていました。
地面には落ちた実がいっぱい。
皮や実は、薬になるそうですが、ザンジバルの人は、使わない木のせいか、周りの人は名称も知らず、
「実も食べないよ、なっているだけ」
といっていました。
だれも使わないから、だれからも拾われず、落ちたままになっていたのですね。
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「ムラティナ」と「エナイショ」
ザンジバルでは名もないような存在ですが、ケニア在住の友人によると、ケニアのバンツー系の民族は、ソーセージツリーのことをムラティナと呼んでいるそうです。
そして、ソーセージツリーの実を半分に切って乾燥させたヘチマタワシみたいなものは、蜂蜜酒を作るときになくてはならぬもので、酒の発酵促進と防腐作用があるとか。
また、タンザニア本土とケニアにまたがって住んでいるマサイの人々は、「エナイショ」と呼んでいて、冠婚葬祭事になくてはならぬ伝統的なお酒だそうです。
(2月6日追記 これは、タンザニアのアリューシャに住む、サファリの日本語ガイド、カストロくんがおくってくれた写真です。カストロくん、ありがとう!)
いつの日か、ケニアや、タンザニアのマサイエリアに行ったら、ぜひ、
「ムラティナ」
「エナイショ」
とたずねてみてください。
ソーセージツリーを使って発酵させた美味しい蜂蜜酒が出てくるかもしれませんよ。
でも、「うまく醗酵した上等のエナイショ酒は、オレンジカルピスのように美味しいので、ぐびぐび飲んでしまい、気がついたら倒れる人もいます」
とのことですので、飲みすぎにはくれぐれも、ご注意を。
☆こういった素晴らしいアフリカ伝統蜂蜜酒も、近年急速に進む環境破壊や、新しい価値観の流れのなかで、残念ながら、年々消えつつあるそうです。
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また、エチオピアにも、タッジという蜂蜜酒があるそうですが、発酵段階で使われるのはソーセージツリーの実ではないそうです。
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☆ガラス瓶に入っている黄色い液体が、タッジ
タッジは、まるでパッションジュースのように美しくあざやかな黄色ですね。
エチオピア料理の定番、独特なすっぱみのあるインジェラにあう味なのでしょうか?
☆ムラティナ、エナイショ、タッジのことは、ケニア在住の友人に教えていただきました。
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地酒といえば、ザンジバルにも、椰子の実から作るココナッツ酒がありますし、カフェアフリカの故郷ブコバ地方では、バナナから作るルビシが有名です。
昨年行ったレソト王国では、バケツ入りの地酒(粟で作られているそうです)をふるまわれました。
(天空の国、レソト王国の風景がたっぷりの記事は、こちらです)
ソーセージツリーのことから、アフリカ各国の地酒の話になってしまいましたが、日本の皆さんは、今年のお屠蘇のお味は、いかがだったでしょうか?
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アフリカには、「笑顔」という名の花も咲いていて、いつも私を励ましてくれます。
2019年最初の「笑顔の花」は、
2018年12月のタンザニア本土ダルエスサラームでの野球大会で咲いた、ザンジバルチームの笑顔の花たち。
男子野球チームは2チーム参加して3位と4位(13チーム中)
女子ソフトボールは2位(5チーム中)でした。
今年も、彼ら、彼女らが、どんな青春ドラマをみせてくれるか楽しみです。
みなさんの周りには、どんな花が咲いているでしょうか?
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2019年も、ごいっしょに、アフリカに咲く、熱帯の花を楽しみましょう。
今年もよろしくお願いします。
島岡由美子
おまけ写真
<バオバブの木と花>
2019年最初に出会ったバオバブの花。(1月2日撮影)
この日は、すでに朝の9時過ぎていましたが、1つだけ咲いているのを見つけることができて、ラッキーでした。
幹や枝がむき出しだったバオバブの木に、新しいつやつやの葉が茂り始めており、その姿を見たら、今年もいい年になりそうだなって思えてきました。
******2022年2月追記*****
🌼バラカのHP熱帯の花・アフリカの花の目次は、こちらです。みなさま、ご一緒に、トロピカルフラワーを楽しみましょう!
🌻「アフリカに咲く熱帯の花、笑顔の花 ワイルドフラワー120」(オ
ールカラー)
を、2022年2月にかもがわ出版から上梓しました。
この本は、全国書店、アマゾンなどオンライン、バラカのセレクトショップでも購入できます。図書館ご利用の方はリクエストしてくださいね。
🌺動画で、アフリカ花の旅に出ませんか?
https://youtu.be/qx4zy5uq4dw (1分半のショートバージョン)
https://youtu.be/6x8AY5rKz8E (たくさん花木がみられる5分のロングバージョン)
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☆タンザニア便りも綴っています。
最近の記事は、こちら、目次ページは、こちらです。