ジャンボ!(こんにちは)
東京オリンピック・パラリンピック2020も、いよいよ来年になりましたね。
こちらでも、やっとオリンピックの話題がちらほら聞かれるようになり、タンザニアスポーツ界の間では、タンザニア代表チームのホストタウンになっている山形県長井市と、いろいろな交流が始まっています。
私たち島岡(強&由美子)も、ザンジバル(タンザニア)で柔道をはじめ、スポーツに関わって長くなっておりまして、そんなご縁から、長井市とタンザニアオリンピック委員会との関係が円滑に行くようお手伝いをすることになり、ティンガティンガ展で日本に行った際に、長井市まで行ってきました。
長井市では、タンザニア代表チームを迎えるためのスポーツ施設を見せていただいたり、長井市長、内谷氏、遠藤副市長はじめ、市役所の方々にお会いしたり、長井市の柔道連盟のみなさまとの懇親会も。
とはいえ、長井市ってどこ?どんなところ?と感じておられる方々も多いと思いますので、今日は、タンザニア代表チームのホストタウン、長井市の様子をご紹介します。
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『水と緑と花のまち・ながい』
まず、長井市は、山形県の南部にあり、山々に囲まれ、最上川が流れ、水が豊富で美味しくて、田んぼがぴっかぴかに光っていて、「The 日本(にっぽん)」という印象の、どこを見ても美しいところでした。
長井市のお国自慢は、美味しい水、美しい花や山の豊な自然に囲まれているところ。
日本を一歩出れば、断水や、水不足、汚水に悩まされる日常をおくっている人たちが、世界中にいますから、美味しい水を自慢できるのはすばらしいことですね。
ホテルには、冷蔵庫に「美味しい水」がいつでも飲めるように冷やされていて、おもてなしドリンクの1つになっていました。
胸をはって、水が出せる環境のすばらしさは、ザンジバル(タンザニア)の生活で、長年水に悩まされている私には、きっと日本の方々が思っておられるよりずっと大きく、すてきなおもてなしだと感じました。
最上川や長井ダムといった水辺の風景もほんとうにきれいでした。
中でも、長井ダムは、昨年11月(秋)と、今年5月終わり(初夏)の風景を見せていただきましたが、どちらも別のあじわいがあって、すてきでした。
私は、長野県の木曽や開田高原が好きで、夏休みにはよく、名古屋から中央線に乗って、信州にいっていたのですが、長井市にいる間、なんだかなつかしい気持ちになって、自分の記憶をたどっていったら、信州におとずれたときの気持ちがよみがえってきていることに気づきました。
長井の地と景色をこよなく愛する鈴木正輝さんと。
その土地を愛する方々にいろいろ教えていただくと、その土地がよりよく感じられますね。
(鈴木さんは、長井市 総合政策課 オリンピックパラリンピック・文化スポーツ交流推進室
主 任 さんです)
長井ダムの夏の名物となってきている「水陸両用車ザッボーン!」というのがあり、
このバスが、水に入ると聞いてびっくりしましたが、早苗が美しく輝く田んぼの風景をみながら長井ダムに着くと、本当に、ボートに移ることなく、そのまま車ごと水の中に「ザッポーン!!」
思いっきり水がはねて乗客から歓声があがったあとは、すいすいと水上を走りながら、山に囲まれた美しい風景を堪能しました。
湖水からみあげる山々もまた違った美しさがありましたよ。
このときは、数年前に行った、レソト王国のダムをボートで渡ったときのことを思い出しました。美しい水と緑多き山の豊な自然の風景は、人を魅了しますね。
山の新緑が川面に映ることで、さらに水の色が美しいエメラルドグリーンにみえたり、もっと濃いダークグリーンに映ったり・・・私が今までに観た日本の景色で心に残る絶景の1つ「高千穂川の水の色と似た感じがして、いつまでも観ていたい気持ちになりました。
四季折々の長井ダムの風景を楽しむため、他県からも訪れる方が多いそうです。
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『道の駅 川のみなと長井』
この水陸両用車の、出発地点と帰りのゴールは、道の駅 川のみなと長井。
『道の駅』というのは初めてでしたが、名物の食べ物や工芸品だけだけでなく、いろいろなものの謂れや展示もみられるので、その土地を知るにはもってこいのところですね。
お麩も名物の1つだそうで、いろいろな形や大きさのお麩がずらり。2メートルぐらいの長~いお麩にはたまげましたが、ごくごく普通に、切って使われているそうです。
ここでは、手作り味噌とおそばを購入、美味しかったです。
(ちなみに、さくらんぼは、迷いすぎてここでは買わず、「おいしい山形空港」でGET)
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『長井小学校』
これは、長井市役所の隣にある 旧長井小学校を利用した施設「長井小学校」。
無料で開放されているスペースには、絵本などを借りられるようになっていて、図書館代わりに 勉強できるスペースや、ミニコンサートやイベント会場、会議室スペースも。
レトロな木造校舎は、私が通った小学校にも似ていて、(私の母校も開校100周年という古い歴史のある学校で、児童が増えて、校舎を立て直す前の最後の時代の生徒でしたので、木造校舎でした)とてもなつかしい気持ちになりました。
長井市役所の方々といっしょに、パチリ。校舎の中で写真を撮ると、みんな、それぞれどんな感じの小学生だったのかな?って想像したくなりますね。
長井市役所の国際交流部門でがんばっているタンザニア人のバハティさんも、長井小学校での打ち合わせに参加。
バハティさんの小学校は、どんな感じだったのでしょうね。
タンザニアのホストタウンらしく、図書コーナーには、タンザニア関連の絵本(「しんぞうとひげ」も発見!)がおかれており、
無料喫茶コーナーには、タンザニアのコーヒー カフェアフリカバラカ、紅茶アフリカンプライドがおいてありました。
私自身の小学校は、云十年も前に、立派な鉄筋コンクリートの校舎にかわって、もちろん当時の木造校舎の面影はまったくありません。長井小学校卒業生の方々は、なつかしの校舎がそのままの形で残って、しかも誰でも校舎を活用もできるっていいですね。
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「語り部さんからお話を聴こう!」
東北は、民話の宝庫でもありますが、山形も例外ではありません。長井市には、「白竜湖の白竜伝説」が語られており、隣町には、「夕鶴の里伝説」がのこっており、「地元の語り部さんたちから直接お話を聴くことができる「夕鶴資料館」もありました。
そこでは、最初に、夕鶴伝説のアニメを見せていただきました。
夕鶴伝説とは、みなさんご存知のとおり、「鶴の恩返し」のお話です。
アニメも、切り紙調の絵で展開され、語り口調もすてきでしっとりと仕上がっていました。
そして、いよいよ、地元の語り部さんに直接語っていただくのをきくことができたのですが、もうその語りをきいているうちに、感動の涙がとまらなくなってしまうほどすばらしかったです。
ぜんぜん肩に力がはいってなくてほんとうに自然にかたってくださる様子が、あたたかくて、ありがたくて、感動でした。
最初に見たアニメとは、ぜんぜん感覚が違いました。
やっぱり、語りっていいものだなあって、あらためて感じた体験でした。
そして、私にアフリカの民話を語ってくれているアフリカの語り部たちにもあらためて、ありがとう!!!という気持ちを強くもたせていただけた体験となりました。
鶴の恩返し、白竜湖の姫 犬の足 の3話を語っていただいて、もうもう大満足、アレンジしてくださった長井区役所の方々にも感謝いっぱいでした。
夕鶴の里資料館の語り部グループのみなさんの写真を見つけ、よく見たら、この日語ってくださった方がこのグループの会長さんでした。
ラジオを通したり、図書館で語り部をされている渡邊さんにお会いして、長井弁でお話を語っていただき、感激しました。
ほんとうに、口頭伝承は、貴重ですね。
夕鶴の里資料館の語り部グループのみなさんにも、渡邊さんにも、ずっとずっと地元の民話を、地元の言葉で語り続けていただきたいです。
お聞きしたばかりの白竜湖伝説の場所を通りました。この伝説が語られ始めた当時は
もっともっと大きな湖だったそうですよ。
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『童話 泣いた赤鬼の故郷は、置賜地方』
こちらは、有名な童話「泣いた赤鬼」の作者、浜田広介さん(高畠町出身の童話作家)にまつわる資料館(これも長井市のお隣の高畠町)
資料館のところどころにあるユーモラスな赤鬼&青鬼さんに、思わず笑顔になりますが、お話をたどると、「泣いた赤鬼」は、真の友情のお話でありながら、とてもせつないストーリですよね。
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『土地に福をもたらす換金作物』
長井市の市花は、あやめですが、ベニバナ油も特産品の1つ。
ハマダヒロキチ資料館の喫茶コーナーで、名物赤鬼ソフトを食べていたときに、地元の小学生が描いた絵の中に、紅花の収穫風景を発見。
タンザニアも、年に一度のカシューナッツやコーヒー収穫の際は、農家の子どもたちも総出でお手伝いしますので、どこも同じですね。
ティンガティンガアートの中にも、年に一度富をもたらせてくれるカシューナッツが、富(福)をもたらせてくれる縁起物として、絵の中によく出てきますが、この美しい紅花も、この土地に富(福)をもたらせてくれる大切な換金作物なんだなと、子どもの絵を見て、あらためて感じたことでした。
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そんなこんなで、長井市とご縁ができて、ここに二度訪れたことで、すでにとても身近な場所になったような気がしている長井市ですが、この7月には、長井市から市長さん初め一般公募の方々も含めて13名のタンザニア訪問団がいらっしゃる予定なので、今度はタンザニアでお会いするのが楽しみです。
タンザニアオリンピック委員会の元、各スポーツ関係者との交流をはじめ、タンザニアのことを知り、楽しみに、人々との交流の思い出を、また日本にもちかえっていただきたいです。
これは、長井市訪問の際、長井市長の内谷氏をはじめ、長井市役所の皆様との記念写真。
次は、タンザニアでお会いしましょう!
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オリンピック・パラリンピック2020が東京開催と決まったからこそ、こうやって、タンザニア代表のホストタウンが山形県の長井市に決まったわけで、私たちも今までは知らなかった長井市のことを知ることになりました。
オリンピックは、こうして始まるずっと前から、多くの人たちが関わり、国際交流をしあい、本番を迎えるのですね。
オリンピックにまつわる交流は、スポーツだけに限らないのだなということを知るきっかけになったのが、このようなホストタウン長井市のみなさんによる取り組みでした。
今の時点では、タンザニア代表に誰が択ばれるのかまだわかりませんが、一人でも多くのタンザニア選手たちが、代表に択ばれて、東京で活躍できることを祈ってやみません。
柔道も、8月には、オリンピック予選の1つである オールアフリカゲームズ(モロッコ)と、世界柔道選手権大会(東京)が待っていますので、がんばってほしいです!
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ということで、今日は、東京オリンピック・パラリンピック2020のホストタウン、山形県長井市のご紹介をしました。
みなさんも、東北旅行を計画する際は、水と緑と花の町、山形県長井市にもぜひ行ってみてくださいね。
最後まで読んでくださって、おしょうしな~ (ありがとうございました)
とうびんと☆(今日のお話は、お・し・ま・い)
島岡由美子
☆おまけ写真☆
『古代の丘資料館』のある『土偶公園』で、そろっておもてなししてくれていた、巨大土偶オブジェたち。
土偶の形のユニークさに笑いました!!
が、これらが縄文時代に作られていたというのはすごいことだなって思いました。