3月に入り、ザンジバル市場ではキャッサバはじめ、芋類の姿が少なくなってきました。
ラマダン(断食月)が近づいてきたからです。(今年は3月22日頃から)
なぜかというと、ラマダン中には、米よりも、芋のココナッツ煮が主流になるため、ラマダンに入って出荷できるよう農家さんのほうでストックしているからです。
******
芋煮の種類は、キャッサバ、ジャガイモ、サツマイモ、ヤムイモ(ビアジビクー)、タロイモ(マジンビ)など、いろいろありますが、すべて調理法は同じ、ひたすらココナッツで煮込みます。
これに、バナナやパンの実なども加わり、ラマダン中はココナッツ煮込み料理のオンパレードです。

ラマダン中は、親戚や友人を招きあったり、
料理をおすそわけをしあう習慣があるので、普段より料理の品数が多いです。

<マジンビ=タロイモ、大人気!>
中でも、タロイモ(スワヒリ語は、マジンビ)のココナッツ煮込みは、ラマダン(断食月)に入ると大人気になるメニューの1つ。独特のコクと、もっちりした食感がたまりません。
ほかの芋類より、値段的にも高級なので、おもてなしメニューの一つでもあります。

ちょうどマジンビ(タロイモ)芋煮を作っているところでした。
日本の里芋よりかなり大きいです。
<タロイモと里芋(サトイモ)>
ところで、「タロイモは、サトイモ科のイモ類の総称」なので、日本の里芋もタロイモに含まれます。
でも、海外のタロイモはタロイモと呼ばれ、日本の里芋はタロイモと呼ばずサトイモと呼ばれています。
タロイモは、世界で広く(特にアフリカ、熱帯アジア、南米、オセアニアなど)栽培されていて、芋煮、ふかし芋などにして主食として、またタロイモを使ったスィーツもあるそうなので、いつか食べてみたいです♡
ザンジバルでマジンビと呼ばれるタロイモも、ねっとり感とコクがあってとても美味しいですよ。日本の里芋と比べると、タロイモの方がおおぶりで、ぬめりは里芋よりうすいです。


手前はスィート 右はドライフルーツのデーツ、
左はキャッサバ芋の粉で作ったビポポー(手作りのタピオカ?)

地面の下にタロイモ(マジンビ)がゴロゴロ・・・生っているはず!
ついでに、手前の左隅、赤い小さな花は、日本でもおなじみのハナキリン
右奥の木は、パパイヤ いくつか実が生っているのが見えますか?
<山形の芋煮by里芋>
ところで、「芋煮」といえば、昨年秋に、長井市@山形でいただいた、里芋たっぷり、出汁がよく効いたしょうゆベースの芋煮、美味しかったなあ!!


山形県の中でも地区によって、味付けがかわるそうです。
私が長井市でいただいたのは、しょうゆ味で牛肉入りでしたが、
別の地区だとみそ味で豚肉入りになるそうですが、
山形県全体で「芋煮」といえば、「里芋」の煮込みであることは絶対なのだそうです。
学校給食のメニューに、このように郷土の自慢料理が入るのはとてもいいことですね。
<世界共通、タロイモ 里芋ファン>
味つけのしかたはちがっても、里芋、タロイモの芋煮を愛するのは、タロイモのある食文化圏で共通の思いですね。
私も、今年もラマダンに入ったら、マジンビ(タロイモ)でココナッツ「芋煮」を作ろうと待ち構えている、タロイモファンの一人です。
島岡由美子