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青天の霹靂とは、まさにこのこと!~ザンジバル武道館の取り壊しと、再建(まだ途中です)の中での日本柔道留学で、ピンチをチャンスに!

今年の柔道部門での大きな出来事は、今年の5月(横浜でのティンガティンガ展の最中に)、20年以上にわたる思い出いっぱいつまったザンジバル武道館が、ザンジバル政府によって、突然壊されてしまったことです。

この写真を、突然日本で受け取った時の衝撃と、なぜ???という気持ちをわかっていただけるでしょうか?

実は、ザンジバル柔道連盟としては、取り壊しではなく、逆にザンジバル武道館の前の敷地に、倉庫やドミトリーを増築しようと計画し、3月にザンジバル政府の許可も取れて、4月初めから、増築工事にとりかかっていたのです!

さあ、ここに、柔道も野球も使えるような倉庫とドミトリーを作ろう! と話し合っていた時の笑顔・・・まさかこの武道館が取り壊されるとは思ってもいませんでした

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留守を守っていたモハメッド会長によると、突然、増築工事にストップがかかり、「国立競技場全体の大改修をするため、このザンジバル武道館も取り壊して再建することに決定した。2日の猶予を与えるので、中のモノを全部どこかに移すように」と言われ、2日は無理なので、2週間の猶予を申請したけれど、4日しかもらえなかった。畳や柔道着や野球グッズすべてを運び出している当日に、ブルドーザーがやってきて、壊し始めた。 抗議したけれど聞く耳もたれず、必死で中のモノを持ち出すのが精いっぱいで、屋根のトタンやドアなど使えるものも何も持ち出せなかったそうです。

といっても、このザンジバル武道館の所有者は、ザンジバル柔道連盟で、ザンジバル政府との間に覚書もきちんと残っているのにも関わらず、まだ十分使える建物を断りもなくぶっ壊すのは何事かと思いますけど、もともと社会主義国のタンザニア、政府が決めたら有無をいわさず突き進むのが常です。   

それにしても、国立競技場の改修工事に伴って、ザンジバル武道館を壊して作りなおすということであれば、なぜ、もっと前に知らせてくれなかったの? なぜ、増築工事の許可証を出して、工事を始めさせていたの??

といった疑問は、感覚は、ここでは通用しません。

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壊されたものはしかたがない、ここからザンジバル政府がどのようにしていくのかを見据えて対処していくしかないのです。

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ザンジバル武道館の代わりの仮道場

ザンジバル柔道連盟に仮道場としてあたえられた場所は、ザンジバル唯一の老人ホームの一角にある建てかけで放置された

建物でした。 畳がかろうじて30枚しける部屋と、20枚敷ける二つの部屋がありますが、横幅が狭いので、技をかけるとすぐ壁にあたり、思い切り練習ができる場所ではありませんでした。

初心者や子どもたちはまだいいですが、ナショナルチームの若手たちがこの環境では力が落ちてしまいます。

こういうときこそ「ピンチをチャンスにしよう!」という島岡名誉会長の発想で、元気印の若手4人とベテランになってきたハミシィをキャプテンにした5人を、日本に柔道留学させることになりました。

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留学先は、今回も順天堂大学のスポーツ健康学部。ザンジバル武道館が突然なくなって、再建がいつになるかわからない「状況を正直に伝え、菅波先生、廣瀬先生が率いる柔道部で、修行を積ませていただきたいとお願いしたところ、承諾していただけ、9月中旬から3か月の日本柔道留学が実現しました。順天堂大学学長様、菅波先生、廣瀬先生そして柔道部の皆様に心から感謝です。

そんなわけで、ザンジバルから5人が順天堂大学の柔道部で修行中です。

ピンチはチャンス!で、日本柔道留学に選ばれた5人 ザンジバルの仮道場 (一組双子がいますけど、わかりますか?)

過去の日本柔道留学は、東アフリカ大会で優勝した者というのを基準にしてきましたが、この5人、キャプテンのハミシィ以外は、まだ2位、3位しか獲ったことがないので、彼らにとっては、思いがけないラックが舞い込んだと大喜びでした。

みんな、このチャンスを生かして日本でがんばって心身共に大きくなって帰っておいでよ!

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さて、このような経緯で、ザンジバル柔道連盟のザンジバル武道館が、今年5月に突然壊され、私たちが6月初めにザンジバルに戻ったときには、すっかり更地になってしまっていました。

大きな木が左側に一本と、右側に数本見えるでしょうか。その間のあたりにザンジバル武道館が建っていたのでした。
スポーツ局長のマリン氏(右)は、「ノープログレム、ノープログレム、すぐ建て直すから待ってて」とおっしゃってましたが、島岡ザンジバル柔道連盟名誉会長は憮然とした表情でした(当たり前だと思いますけど)

ザンジバル武道館の再建工事

ザンジバル国立競技場全体(メインスタジアム、室内ホール、柔道ホール、野外グラウンド)の大改修工事をおこない、来年のザンジバル革命60周年記念日(1月12日)に間に合わせるというのが現ザンジバル大統領の公約だということなのですが、メインスタジアムはまだしも、本当に柔道専用のホールを建ててくれるのか、口約束だけではないか・・・という気持ちでいたのが本音です。

でも、予想に反して、7月にはメインスタジアムと並行して、新しい柔道ホールの再建工事も始まったのです!それ以来、ザンジバル武道館の工事現場に通い、順調に進んで、完成するよう祈る日々です。

いや~、それにしても、思い出いっぱい詰まったザンジバル武道館が、或る日突然、問答無用で壊されるとは思ってもいなかったです。

いつ何が起きるかわからないものですね。

ということで、ザンジバル柔道連盟にとって青天の霹靂のできごとが起こりましたが、「良い時も悪い時もそれほど長くは続かない」&「ピンチをチャンスに!」で、仮道場での地道な練習と、5人の柔道留学、そして、新柔道ホールの建設現場に足しげく通いながら、淡々と歩みを進めています。

                                    島岡由美子

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